新型コロナウイルスによる影響をもっとも受けているといっていい飲食業界では、売り上げを回復させるべくさまざまな策が講じられています。このような状況の中で、ファミレス大手のサイゼリヤは2020年7月1日以降、メニューの料金を改定すると発表し話題となりました。
なぜ今値上げ?決して利己的ではないその理由
株式会社サイゼリヤが2020年6月に発表した「値上げ」のニュース。お財布にやさしい価格設定で多くのファンを持つ同社が値上げに踏み切った理由は、「会計時の効果のやりとりを減らして接触機会を少なくする」ためだといいます。
改定前のサイゼリヤのメニューは、「299円」など会計時に端数が出る価格設定でした。2020年7月1日からは50円または100円単位の価格にして、硬貨の受け渡しの8割削減を目指すとのことです。
人気メニューのミラノ風ドリアも299円から1円値上げの300円に。多くのメニューでわずか1円を値上げすることで、店舗スタッフと顧客の安全性を高めたこの決断に、「支払いが楽になった」などSNSでは比較的好意的な意見が寄せられています。
加えて、導入が遅れていたキャッシュレス決済も8月から順次展開すると発表しました。
withコロナの飲食店経営
新型コロナウイルスによって、多くの飲食店は経営形態や戦略の変更を余儀なくされています。「新しい生活様式」が政府から提案され、座席数を減らし、パーティションで仕切り、会計時の接触も減らすといった飲食店向けのガイドライン(「外食業の事業継続のためのガイドライン」|一般社団法人日本フードサービス協会)も作られている状況で、飲食店はどうやって売り上げを伸ばしていけばよいのでしょうか。
安全性の確保
サイゼリヤの値上げも、従業員と顧客の安全性を高めるものでした。飲食店向けのガイドラインに沿って店舗を運営するとともに、自社の体制を洗い出し、独自のガイドラインを策定・実行する必要があるでしょう。
小さな店舗では、完全予約制に転換して安全性をアピールするのも手です。
キッチンカーや自動販売機の導入
デリバリーやテイクアウトに対応する店舗も増加していますが、地方ではウーバーイーツのような宅配代行もないため、デリバリーやテイクアウトに対応しきれない小さな店舗も少なくありません。
とはいえ、店舗で待っていても客足は戻ってこないのが現状です。そこで、キッチンカーや食品の自販機を導入して安全性を保ちながら収益を確保する店舗も見られるようになりました。店舗の前に自販機を置けば、補充も簡単ですし、話題性もあり、何より多くの人の安全性を保ちながら売上の向上につなげられます。
大手も中小企業も関係なく、この危機を乗り切るためにできることをコツコツと
事業の規模にかかわらず、すべての飲食店がコロナによる影響を大きく受けています。今できることを考えながら、将来につながる対策をとっていく必要があるでしょう。大切な家族や従業員、そして顧客への安全性を重視した戦略で「安心して利用できる飲食店」を目指してみてはいかがでしょうか。
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