オンライン教育
(画像=shangarey/stock.adobe.com)

コロナ禍でオンライン教育が注目を集めました。先が見えない不安の中、日々の学習に取り組む子どもたちを支えているオンライン教育ですが、東京とその他の地方で格差が生まれてしまっているようです。

「東京対地方」「私立対公立」オンライン教育の受講率に大きな差が

コロナ禍で一気に広まったオンライン学習ですが、受講率には地域差があるようです。内閣府の「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(2020年6月21日)」では、小学生以上でオンライン教育を受けているのは東京23区内で69.2%だったのに対し、地方圏では半分以下の33.9%だったとしています。

文部科学省が2020年4月に行った調査では、臨時休業を実施する設置者のうち、同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習を行っていると回答した公立小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等はわずか5%しかありませんでした。

学校以外の塾や習い事でオンライン授業を受けている割合も東京23区が33.8%なのに対し、地方では11.6%にとどまっています。

オンラインなら学習格差は生まれないかと思いきや

「オンラインであれば学習機会は均等に訪れる」と考えるかもしれません。しかし、家庭によってオンライン学習を受けられる通信環境や端末が用意されていないケースもあり、「学校に通えない」ことが学習格差につながってしまっているようです。

都では、緊急事態宣言のさなか、オンライン学習の環境整備のために端末の貸し出しや通信料の支援を行いました。都道府県や市区町村による対応の差も学習格差につながっていると考えられます。

親の負担も課題に

自宅での学習については、保護者の負担が大きいことも問題になっています。オンライン学習にシフトできなかった学校では、家庭で学習を進めることとなり、仕事と家庭の両立に加え、子どもに勉強を教えるタスクも加わって悲鳴を上げる保護者も少なくありません。

オンライン学習を円滑に進め学習格差を埋めるとともに、各家庭の負担を軽減できるよう、学校だけでなく国や自治体の支援が必要なのではないでしょうか。

子どもの将来にも目を向けたい

いまだ終息する様子のないコロナ、その中でも将来に向けた取り組みを続けなければいけない子どもたち。大人と同様、子どもたちも急激な環境の変化による不安と戦っているはずです。

これからどうなってしまうのかという緊張感の中、いつもと違う環境で学習を進める子どものケアを、自治体だけでなく国ぐるみで行う必要がありそうです。

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