2020年10月2日、米国のトランプ大統領が自身のツイッターで「自分と妻がコロナ陽性」と投稿し、そのニュースは世界中に拡散されました。「現時点では体調は良好」とのことでしたが、この事実が明らかになってから、NY株式市場は売り注文が膨らみ、その影響は日経株価にもおよびました。
なぜ株価急落?
大統領夫妻コロナ感染のニュースは株式市場や為替市場にも影響を与えました。アップルやマイクロソフトなどのハイテク銘柄が軒並み売られたために主要株価指数が急落します。NYダウ工業株30種平均は前日より134.09ドル安い2万7,682.81ドルに、ナスダック総合指数も2.2%低下しました。為替市場では、ドルが下がり逃避先通貨の円やポンドが上昇しています。
これは大統領夫妻がコロナに感染したことで、ウイルスが再拡大し景気に悪影響をおよぼすのではという不安感が増大したためとみられています。
その後、ホワイトハウスがトランプ大統領の執務の続行を発表し、追加経済政策決定への期待もあって値を戻しました。
コロナ感染は選挙活動にも影響か
トランプ大統領夫妻がコロナに感染したというニュースは、11月3日に迫った大統領選にも影響が出るでしょう。10月2日に感染を公表し、その後感染拡大を防ぐために活動を制限された状態になるのは必至と考えられていた矢先の10日、トランプ氏はホワイトハウスで対面形式のイベントを開き演説を行いました。
トランプ氏の主治医は「他人への感染リスクなし」としましたが、このことについて、感染リスクのあるホワイトハウスに人を招いたとして専門家が懸念を示したと一部で報道されました。
同月12日には入退院後初の選挙集会を開催し、国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は「このような活動がウイルスの感染を助長させる恐れがある」と警告しています。
世界中にウイルスが広まった2020年春、トランプ氏はマスクを使用せず物議をかもしたのも記憶に新しいところです。また、トランプ氏の支持者がマスクなしで密集するケースもみられるといい、選挙中の感染拡大が危惧されています。
大統領選前に再び陽性反応が出たり、集会に参加した市民がコロナに感染したりしてしまったら、株価が大きく下落する可能性もあるでしょう。大統領選挙まで、トランプ氏の動向に注視する必要がありそうです。
大統領選後は株が乱高下しやすい時期。こまめに値動きをチェックしておこう
4年に一度の大統領選の直後は、その結果によって株価が大きく変動する可能性があります。選挙に関する情報や値動きをしっかりとキャッチしておき、大統領選後の株価の変動にも備えておきましょう。
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