長期×短期最強の組み合わせ投資
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(本記事は、山下 勁氏・福井 元明氏の著書『長期×短期最強の組み合わせ投資』の中から一部を抜粋・編集しています)

投資テーマとして注目されているESG投資

次に、富裕層がターゲットにする銘柄の話もしておきましょう。

いえ、最近では、富裕層ばかりでなく一般にも注目の投資テーマかもしれません。

ESG投資という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ESGとはE = Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字ですが、ESG投資とは、この3つのポイントに合致した企業に投資することを言います。

具体的には、省エネ、二酸化炭素の排出量削減など環境に対する配慮(E)、社会貢献、労働環境、人権問題への配慮(S)、経営の透明性が高いことなど(G)の企業が投資の対象となります。

私の顧客には、資産100億円、200億円という方も多くいらっしゃいます。その方たちは多かれ少なかれ、社会貢献できる投資をしたいという考え方をしています。

あるとき、そのような顧客の一人から投資先の相談を受けました。話を聞くと、「次世代の雇用を生む活動をしている企業」「生活を改善する研究をしている企業」などが投資先の条件でした。この条件はESG投資の銘柄に合致します。

〇投資家が好むクリーンなイメージのESG投資

話を詰めていき、最終的にはある大学のiPS細胞を研究する機関に寄付をすることになり、投資先としてはアメリカのナスダックに上場している企業で植物代替肉を製造しているBeyond Meat(ビヨンド・ミート)を選びました。

ビヨンド・ミートが製造しているのは植物性の肉ですから、肉食に起因する疾病のリスクが軽減され、食肉牛を飼育する際に排出される二酸化炭素の削減にもつながります。この会社に投資することはESG投資と位置付けられるのです。ESGの環境面と社会面に合った投資だからです。

ではESG投資のガバナンス面を考えてみましょう。私の経験から、こんなことが言えます。

「社外取締役が3人以上、女性の取締役が1人以上いる企業のほうが株価は上がりやすい傾向がある」ということです。なぜなら、このような体制のほうが、不祥事やハラスメントなどの問題が起きにくいと考えられるからでしょう。

富裕層の間では、きれいな投資・クリーンな投資でリターンを得ようという発想が増えています。

富裕層に限らず、今後、ESG投資は投資家が好む傾向になっていくと思われます。つまり、ESG関連銘柄の株価はこれから上昇していきやすいと推測できるのです。

投資の対象として注視しておくといいでしょう。

長期×短期最強の組み合わせ投資
●山下 勁(やました・けい)
◎株式トレーダー
◎1986年神奈川県生まれ。大学在学中の20歳のときに、株式投資を始める。初めての株式投資で、原資の50万円を600万円に増やすビギナーズラックを経験。ちょうどその頃、20歳からの2年間、束縛の強い彼女に軟禁されながら、「再現性のある儲かる株式投資」を追究。23歳で1200万円の原資を3200万円に増やし、25歳のときには、独自のテクニカル投資を完成させる。2019年の株式投資による利益は1億円超。
◎現在は「副業アカデミー」で株式投資の講師を務めるかたわら、主夫として家事・育児に尽力中。趣味は「ポケモンGO」。
◎著者に『中華屋アルバイトのけいくんが年収1億円を稼ぐ1日1分投資』『見習いカメラマンのけいくんが年収1億円を稼ぐ 月3分投資』(小社刊)などがある。
●福井 元明(ふくい・もとあき)
◎株式会社Wells Partners(ウェルズ・パートナーズ) 代表取締役CEO、独立系プライベートバンカー
◎1985年鳥取県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、みずほ銀行に入行。在籍期間中に、数々の社内表彰を受賞するとともに、税理士法人やプライベート・バンキング業務を行うスイス現地法人への出向を経験し、国内外の幅広い金融商品や金融知識に精通。富裕層および国内外のファミリーオフィス、事業法人向けの資産運用、助言、融資業務などを行う。
◎2019年、真に顧客志向の金融サービスを提供するために独立起業し、現職に就く。総資産数百億から数千億円規模の顧客(上場企業の創業家、芸能人、スポーツ選手、政治家など)の資産運用・資産保全に従事する。

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