宿泊サブスクリプション,空き家活用
(画像=thodonal88/Shutterstock.com)

コロナ禍でリモートワーク中心となった社会情勢の中で「宿泊サブスクリプション」という新たな業態が注目されています。上手に活用すれば、地方の空き家も収益物件となるかもしれません。ただし利用にあたっては注意点もあります。

コロナ禍でリモートワーカーが「宿泊サブスクリプション」に注目

新型コロナウイルス感染拡大に伴い業種によっては通勤不要になった人も多いのではないでしょうか。どこでも仕事ができるようになったことから「宿泊サブスクリプション」というサービスがリモートワーカーから注目されるようになりました。宿泊サブスクリプションとは、利用者から毎月定額の利用料を徴収する一方、全国にあるさまざまな住宅を宿泊先として提供するサービスのことです。

当然サブスクリプション業者も在庫として家の用意が必要ですがこの家は全国のオーナーからの登録を受けて準備しておく仕組みとなっています。オーナーとしても遊休財産となりがちな地方の別荘や賃貸物件を登録しておけば一定の収入が得ることが可能です。賃貸業だけで収益を上げるのが難しい地方のオーナーとしては気になるビジネススタイルといえるのではないでしょうか。

宿泊サブスクリプションのメリット

ここで宿泊サブスクリプションのメリットを考えてみましょう。

借手のつかない「地方」「空き家」で収益が得られる

宿泊サブスクリプションを活用することで地方の空き家を収益物件化しやすくなります。「不動産活用」としてうたわれるものの代表格は、アパートなどの賃貸物件としての活用です。ただ残念ながら賃貸物件として確実に収益が得られるエリアは、大都市圏や都市部の郊外など賃貸の多い現役世代がいる地域に限られます。過疎が進み若者の少ない地方で賃貸業を営んでも入居者はなかなか現れません。

しかし地方の魅力を活かし観光を兼ねた短期滞在型の宿泊所として提供すれば収益化が期待できます。

空室リスクが下がる

地方の賃貸物件は、都心よりも空室リスクが高くなります。すでに解説したように入居者候補となる若手が少ないため、なかなか借り手がつかないのが現状です。しかし「面倒な賃貸契約手続きが不要」「場所に縛られない」といったメリットがある宿泊サブスクリプションであれば気軽さから空室リスクが下がる可能性があります。宿泊する地域と部屋に魅力があれば顧客のリピートも期待できるでしょう。

宿泊サブスクリプションのデメリット

一方、宿泊サブスクリプションには以下のようなデメリットがあります。

登録は物件の条件次第

管理会社によっては、間取りや床面積、立地などの条件を求めてくるところがあります。なぜなら管理会社は「顧客の利便性重視」「一人の空間も確保できる」というコンセプトからサービスを考えているからです。そのため登録には「4個室確保できる」「駅や国道から近いこと」といった点が条件になるケースもあります。

また騒音などの問題への配慮から登録対象を「戸建て住宅のみ」としているところもあります。

リフォーム費用がかかる

宿泊サブスクリプションは、費用の安さよりも快適さを重視する傾向のため、空き家になって1年以上の物件だとリフォームが求められます。例えば以下のようなものです。

  • 上下水道の整備(浄化槽は耐久年数も確認)
  • 電気のアンペア数(複数人の同時利用に耐えられるだけの電力供給ができるか)
  • エアコンを全室設置、かつきちんと作動すること
  • 給湯器の設置、かつきちんと作動すること

この他、不要な残置物の撤去なども求められます。登録するにあたり費用がかかるのです。

雑所得で申告するので節税できない

宿泊サブスクリプションは、単純な土地や建物の貸付とは違い対価には民泊と同様にクリーニング費用などが含まれるため、不動産所得にはなりません。原則、雑所得か事業所得となります。「生計を立てる程度の収入がある」など事業的規模が認められれば事業所得として確定申告することも可能です。しかしそうでなければ雑所得になります。

ただし賃貸物件を一時的に宿泊サブスクリプションに貸し出す程度なら不動産所得で処理しても問題ありません。雑所得は、事業所得・不動産所得と違い節税効果はありません。宿泊サブスクリプションで赤字になっても「所得0円」として扱うため、他の所得と相殺できないのです。

規制にひっかかりやすい

宿泊サブスクリプションで最近ハードルとなっているのが「規制」です。特に旅館業法では問題視されています。同法では、以下の4要素を基準に旅館業に該当するかどうかを判断します。

  1. 宿泊料を徴収しているか
  2. 不特定多数の者を対象としているか
  3. サービスの継続・反復性
  4. 利用者にとっての生活の本拠地かどうか

4でいう「生活の本拠地」は「宿泊が1ヵ月以上かどうか」で判断し1ヵ月未満ならば旅館業法が適用されます。一方、宿泊サブスクリプションの内容は、施設の独占を避けるための最長の連続予約可能期間を7日間としているところもあり現状のままだと旅館業の免許を取らざるを得なくなるのです。さらに旅館業の免許を取ろうとすると自治体の規制にひっかかることもあります。

自治体によっては、居住用物件を旅館業用にすることを認めないところもあるため注意が必要です。新たな業態は、こういった規制の縛りに左右されるリスクがあります。

チャレンジの前に十分な検討を

地方の物件オーナーにとって宿泊サブスクリプションの利用は、魅力的に見えるかもしれません。空き家が多少なりとも収入につながれば固定資産税などのコスト負担を軽減できます。また上手に活用すれば収益をさらに上げることも期待できるでしょう。ただし税金面や規制面でのデメリットがあることも事実です。チャレンジする前には十分に内容を精査したうえで検討したほうがよいでしょう。

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