リノベーション投資で稼げる賃貸オーナー、失敗するオーナー
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本間貴志
本間貴志
ビジネス書に特化した編集会社のサラリーマン・ライターを経て、資産運用や税務の分野を専門とするライターとして活動。自主管理で賃貸経営をする不動産投資家の顔も持つ。

不動産投資のセオリーは、家賃収入を長期間積み上げることです。しかし、不安感から続かない人もいます。そのような人でも継続しやすいのが、高利回りのリノベーション投資です。ただし、リノベーション投資でも稼げる人と稼げない人がいます。その差はどこにあるのでしょうか。

不動産投資で長期投資が続かない3つの原因

なぜ不動産投資が続かない人がいるのかを確認しましょう。

不動産投資を始める時点では、大半の人が「賃貸物件を長期保有して家賃収入をストックし、適切なタイミングで売ることが大切」と認識しています。なぜなら、それは不動産投資の入門書の多くに書かれているからです。

それにも関わらず長期投資が続かず、わずかなリターンを得た段階、あるいは損切りで売却してしまう人がいます。彼らが長期投資をやめてしまった原因は、以下の3つが考えられます。

  1. 「損をするのではないか」という不安感
  2. 「すぐに結果を出したい」という誘惑
  3. ネガティブな情報にさらされている

長期投資ができない原因1:「損をするのではないか」という不安感

不動産投資をしていると、「損をするのではないか」という不安を感じるときがあります。例えば、景気が悪化する局面(または悪化すると予測される局面)では「不動産マーケットも悪化するのでは?手放すなら今ではないか?」といった考えが浮かびます。

また、短期間に退去が相次いだときや、入居者募集の期間が長引いたときなどに「空室リスクがあるのではないか?」と不安になることもあるでしょう。

長期投資ができない原因2:「すぐに結果を出したい」という誘惑

一般的なビジネスでは、月次や四半期で利益を出すことが求められます。先行投資の場合でも、1年から数年程度で黒字化を目指すケースが多いのではないでしょうか。

これに対して、築浅物件や新築物件の不動産投資では、リターンを得るまでに10年以上かかることも珍しくありません。短期で利益を出すことに慣れているビジネスパーソンは、モチベーションが続かないこともあるでしょう。

長期投資ができない原因3:ネガティブな情報にさらされている

ネット上には、投資家の不安をあおるコンテンツがあふれています。例えば、「不動産市場は暴落する」「不動産投資は損をする」「将来空室率が上がる」といった内容です。このようなネガティブな情報にさらされていると、特に初心者は自己判断ができなくなり、その内容を信じて不動産投資をやめてしまう人がいます。

高利回りのリノベーション投資なら続けやすい

長期投資が続かない人でも継続しやすいのが、リノベーション投資です。これは築古物件・空き家・古民家などをリノベーションして、付加価値を高めて運用する手法です。

リノベーション投資が続きやすい理由は、高利回りを前提にした手法だからです。先ほど挙げた「長期投資ができない3つの原因」を改めて見てみましょう。

  1. 「損をするのではないか」という不安感
  2. 「すぐに結果を出したい」という誘惑
  3. ネガティブな情報にさらされている

リノベーション投資によって短期でリターンを得ることができれば、1と2は解消できます。またリターンを実感できれば、ネガティブな情報を見ても不安になることもありません。

リノベーション投資が高利回りである理由は初期費用を抑えやすいから

リノベーション投資が高利回りになりやすい理由は、新築物件や築浅物件を購入する場合よりも初期費用を抑えやすいからです。築年数が経っているため建物価格が安い上に、郊外の物件であれば地価も安いため、初期費用を抑えられます。

例えば賃料が8万円の賃貸物件でも、2,000万円で築浅マンションを買う場合と、700万円(リノベーション費用含む)で築古戸建を買う場合では、利回りに以下のような差があります。

  • 2,000万円の築浅マンション(賃料8万円):4.2%
  • 700万円の築古戸建(賃料8万円):13.7%

リノベーション投資がうまくいかない5大要因

リノベーション投資は、短期間でリターンを得たい投資家にとって魅力的な手法です。もちろん、「長期投資もできるが、より効率的に運用したい人」にも向いています。

しかし、リノベーション投資でも稼げる人稼げない人がいます。その差はどこにあるのでしょうか。5つの失敗パターンを見ていきます。

失敗パターン1:問題を抱えた賃貸物件を仕入れてしまう

問題のある賃貸物件を仕入れてしまうことで「空室が埋まらない」、あるいは「リノベーション費用がかさむ」というパターンです。問題には「雨漏り」「シロアリ」「建物の傾き」などがあります。このような物件を買ってしまうのは、購入前の物件チェックが甘いからです。

失敗パターン2:リフォームの知識がない

リノベーションには、大きく分けて以下の2つの方法があります。

①オーナー自身でDIYをする
②専門業者に委託する

どちらを選ぶとしても、リノベーション投資にはリフォームの知識が必要です。修繕方法を知っているだけでなく、「どんな付加価値があると入居者満足度が上がるか」を熟知している必要があります。

また、物件タイプによってリノベーションのコツが変わることにも注意しなければなりません。例えば築古戸建では、耐震性の向上や和室をフローリングに変更するための知識などが必要です。築古マンションでは、配管の交換が必要になるケースも少なくありません。その際は、「工事がしにくい構造(床スラブ貫通配管)でないか」をチェックすることも大切です。

失敗パターン3:リノベーション費用が不足している

割安な賃貸物件を仕入れられたものの、「十分なリノベーション費用を用意できず、付加価値を高められなかった」という失敗パターンもあります。その場合は単なる築古物件として、家賃を安く設定しなければなりません。その結果、想定していた利回りを得られない可能性があります。

失敗パターン4:リノベーション費用をかけすぎる

完璧主義者は要注意です。リノベーション費用を多くかけるほど物件の付加価値は上がりますが、築年数・広さ・立地などの基本条件があるため、家賃設定には限界があります。リノベーション費用をかけ過ぎると、低利回りになってしまうため注意が必要です。

失敗パターン5:地域特性を把握していない

地域によって入居者のニーズは変わります。リノベーション投資では、「地域特性に合った付加価値」という視点も必要です。これが抜け落ちると、「オーナーの自己満足物件」になってしまいます。

例えば20代の一人暮らしがターゲットでも、好感度が高い街に近いエリアと収入が平均よりも低いエリアではニーズが大きく変わります。前者であれば、インテリアがおしゃれな物件やリフォームを自由にできる物件などがよいでしょう。後者の場合は付加価値を高めるのではなく、家賃の安さをアピールしたほうがよいかもしれません。

リノベーション投資は、不動産投資の中級者・上級者向けの手法

失敗パターンを見るとわかるように、リノベーション投資は以下の3つの知識を持つ中級者・上級者に向く手法であり、不動産投資のビギナーは慎重に検討すべきでしょう。

①建物のチェック方法
②リフォーム方法
③地域特性を持っている

不動産投資の中級者・上級者が、高利回りによって効率的に資産を形成する方法、それがリノベーション投資です。

ただし高利回りで運用できるからといって、必ずしも長期保有が正解ということではありません。付加価値を高めて、スピーディーに売却する方法もあります。

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