不動産投資のリスクは対策あり!株式投資のリスクと比べれば結論は早い
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武井利明
武井利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅関係をはじめ不動産投資、太陽光発電、環境問題、SDGs、脱炭素など幅広いテーマを執筆するライターとして活動。また人気動画サイトの台本作成も手がける。丁寧にリサーチを行い、複雑な話題を正確にわかりやすく伝える文章を得意としている。

不動産投資のリスクは対策できるものが多く、投資を始める前に知っておけば損失を減らしやすくなります。資産運用の方法で株式投資と投資先を迷う方もいると思います。しかしリスクと対策のしやすさを理解すれば、どちらにすべきか結論はすぐに出るはずです。

ここでは不動産投資の、代表的なリスクとその対策を解説します。株式投資と比較しながらお伝えしていますので、よりリスクの少ない投資先選びに役立ててください。

目次

  1. 不動産投資のリスク対策は明確
    1. 空室・家賃滞納
    2. 老朽化・損傷
    3. 金利上昇
    4. 地震・火災
  2. 株式投資と比べ不動産投資のリスクは低め
    1. 株式投資のレバレッジは高リスク
    2. 株式は価値がゼロになることがある
    3. 株式投資は自己資金が必要
  3. 不動産投資のさらなる3つのメリット
    1. 年金代わりになる
    2. 生命保険代わりになる
    3. 手間がかからない
  4. リスクを避けやすい資産運用なら不動産投資
  5. 不動産投資のリスクに関するよくある質問
    1. Q.金利の上昇でリスクを回避するためには?
    2. Q. 不動産投資は株式投資と比べてリスクは高い?

不動産投資のリスク対策は明確

不動産投資で心配されることの多いリスクと、その対策について解説します。

空室・家賃滞納

賃貸物件の空室や家賃滞納は、収益に直接影響する大きなリスクです。融資で物件を購入していると、家賃収入が減れば返済に自己資金をあてることになります。特に家賃滞納は家賃が入らないだけでなく、新たな入居者募集もできないため空室以上に注意しなければなりません。

空室対策では、客付け力のある賃貸仲介会社に入居者募集を依頼すると効果的です。管理する物件の空室率が、できるだけ低い仲介会社を選びましょう。また依頼後はお任せにせず、どんな空室対策をしているかや問い合わせ状況を定期的に報告してもらうなど、積極的に管理するようにしましょう。

また長期化している家賃滞納者は、毅然とした態度で管理会社に督促してもらうようにします。もし改善しないようなら弁護士への相談も検討しましょう。

老朽化・損傷

建物は老朽化が進んで外観が汚れてくると、入居者に敬遠され入居率が落ち込むリスクがあります。また劣化をそのままにしていると、突然建物が損傷し事故につながる恐れがあります。多額の修理費がかかったり、入居者などに被害が及べば賠償責任が発生したりする可能性もあります。

そうしたリスクを防ぐには、定期的に建物を点検し早めに修繕するようにします。ただし所有者が建物状態をすべて把握するのは難しいため、管理会社に物件ごとの細かな修繕計画を立ててもらうとよいでしょう。

金利上昇

融資で物件を購入すると、金利上昇で返済額が増えるリスクがあります。返済中の金利が変わらない固定金利もありますが、より低金利な変動金利を選ぶ方が多いためです。現在は低金利な状態が長く続いていますが、金利上昇リスクが全くないわけではありません。

金利上昇によるリスクを回避するには、繰り上げ返済をしてできるだけ早く完済することです。本業や別の投資で貯えができたときに一部でも繰り上げ返済すれば、借入元本を減らしリスクを小さくできます。自己資金を持ち出すことに抵抗を感じるかもしれませんが、リスク回避に効果的なためおすすめです。

地震・火災

地震や火災で建物が損害を受ければ、入居者が出ていき収益が失われるリスクもあります。日本では地震が多く、倒壊をまぬがれても生活に影響する損傷を受けることもあります。火災は所有物件からだけでなく、隣接する建物からのもらい火で起きてしまう可能性もあります。

こうした被害を最小限にするため、なるべく手厚い補償の火災保険・地震保険に加入するようにしましょう。中には修理中の家賃を補償する保険もあり、積極的に検討することをおすすめします。

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株式投資と比べ不動産投資のリスクは低め

不動産投資とよく比較される株式投資にもリスクはありますが、両者はリスクへの対策がかなり異なります。不動産投資か株式投資かで迷われる方は、まずリスクの違いを理解したうえで検討してみるとよいでしょう。

株式投資のレバレッジは高リスク

レバレッジとは「てこの原理」という意味で、自己資金より大きな額の投資ができることを意味します。株式投資ではこのレバレッジにより、証券会社に預ける保証金の数倍の取引ができます。投資機会が増え大きな利益が狙える反面、予想と逆の値動きをすれば損失も大きくなります。

不動産投資は融資を使うことで、自己資金以上の物件を購入できレバレッジをきかせられます。どちらも自己資金以上の損失を生む可能性はありますが、既に述べたように不動産のリスクには具体的な対策があり回避に努めることができます。

しかし株式投資では、自分で株価が下落するのを防ぐのは困難です。株式投資と不動産投資は同じくレバレッジをきかせられても、併せ持つリスクの度合いが違うのです。

株式は価値がゼロになることがある

株式投資では、持ち株の価値がゼロになるリスクがあります。一般的にイメージされる、一晩で株価が急落するようなことはめったにありませんが、倒産や上場廃止などで紙くず同然になることは十分あり得ます。

一方不動産投資では、物件価値が下がることはあってもゼロになることは考えにくい資産です。建物や土地は現物資産であるため、金額を下げれば売れる可能性は十分あるのです。ただし価値が極端に下がらない、都心など長期的な資産価値が期待できる不動産を選ぶなどの対策は必要です。

株式投資は自己資金が必要

株式投資ではある程度の自己資金が必要です。最近では少額で購入できる1株投資も増えていますが、収益と呼べるような額の利益を得るには単元株である100株以上は購入したいところです。そのため銘柄によりますが、数百万円の自己資金が必要なこともあります。

不動産投資では、融資を受けることでかなり少ない自己資金から投資を始められます。物件の資産価値が高く申込人の属性が良ければ、自己資金がなくても投資が可能です。株式投資は自己資金ゼロで始めることは難しく、両者の大きな違いになっています。

不動産投資のさらなる3つのメリット

ここまでで触れてきたように、不動産投資には株式投資と比べ次のようなメリットがあります。

・さまざまなリスクに対策が打てる
・資産価値がゼロになりにくい
・融資を使って投資を始められる

またこの他にも、不動産投資は次の3つのメリットも持っています。

年金代わりになる

物件購入の融資返済が終われば、家賃から諸経費を除いた残りがそのまま収入になります。仮に定年までに返済が終われば、その後は定期的な収入として年金代わりになります。

株式投資も定年後に持っていれば配当が年金代わりになるといえます。しかし有配当会社の平均利回りは2%前後と、不動産投資の利回りよりかなり低めです。株価下落のリスクも含めて考えると、不動産投資の方がより年金代わりになってくれそうです。

生命保険代わりになる

融資を使い投資物件を購入すると、申込者が亡くなったときに融資を全額返済する専用の生命保険に加入します。そのため相続人に融資の残債は残らず、投資物件だけが相続されます。つまり諸経費を除いた家賃は、そのまま相続人の収入となり生命保険代わりになるのです。

株式投資は先ほど述べたように配当の利回りは小さく、売買で利益をあげることも相続人に経験がなければ難しいでしょう。残される側に負担がない不動産投資の方が、生命保険に近い資産運用といえます。

手間がかからない

不動産投資の大きなメリットの一つに、購入以降ほとんど手間がかからないことがあります。建物や入居者の管理は管理会社に任せるため、物件に対して所有者がすることはほとんどありません。この点が、不動産投資が副業に最適といわれる理由です。

株式投資は売買で大きな利益を得ようとすると、こまめに売り買いしたり市場をチェックしたりする必要があります。想像以上に手間がかかり、時間に余裕がないと大きな収益をあげるのは難しいかもしれません。できるだけ手間や時間をかけず利益を得るなら、不動産投資が最適なのです。

リスクを避けやすい資産運用なら不動産投資

資産運用の方法で、不動産投資にするか株式投資にするか迷う方は多いと思います。もちろん両者ともリスクはありますが、不動産投資の方がリスクへの対策が明確です。ただし短期間で大きな利益を狙うなら、株式投資の方に軍配があがります。

どのような点を重視して投資方法を選ぶかによりますが、できるだけリスクを避けやすい資産運用を選ぶなら不動産投資の方が有利といえそうです。

不動産投資のリスクに関するよくある質問

Q.金利の上昇でリスクを回避するためには?

できるだけ早く繰り上げ返済を行って早く完済することが大切です。本業などで貯えを得て返済ができれば、借入元本を減らすことができます。

Q. 不動産投資は株式投資と比べてリスクは高い?

株式投資は投資機会が増え大きな利益が狙える反面、自己資金が必要で予想と逆の値動きをすれば損失も大きくなります。一方、不動産投資は融資でかなり少ない自己資金から投資を始められますが、自己資金以上の損失を生む可能性はあります。