不動産クラウドファンディングは気軽に投資できるのが利点。一方で「もっと長期や大口で運用したい」との個人投資家の声もあります。このニーズに応える不動産クラウドファンディングがSOLS/ソルスです。
SOLSでは、以下の3種のファンドを扱うことを目指しています。
- 匿名組合型/現在、取扱い中
- 任意組合型/現在、取扱い中
- 対象不動産変更型(無期限型)/2023年秋頃から取扱い予定
インタビュー前編では、そんな先進的な不動産投資クラウドファンディングを目指すSOLSの特徴について実務担当者の稲田さんに伺いました。
投資家の資金を守る、SOLS/ソルスの3つのリスクヘッジ施策
−−SOLS/ソルスの特徴を教えてください。他の不動産クラウドファンディングの違いは何でしょうか。
SOLSの一番の特徴は、投資家の皆様のリスクをできる限り軽減していることです。主に2つの観点からリスクヘッジを行っています。1つ目は、優先劣後の劣後出資(事業者側)の割合を高めに設定していることです。劣後出資の割合が高いほど、損失が発生したときに投資家の配当金や出資金が守られやすくなります。
リスク軽減の2つ目の特徴は、一棟物件を中心にファンドを組成していることです。SOLSの分配金の原資はインカムゲイン(家賃収入)ですが、一棟物件だと運用する部屋数が多いため、分散投資効果があります。
−−投資家側からすると、「優先劣後の比率が有利」「一棟物件による分散投資効果」によって二重に元本やリターンが守られているということですね。
私たち(不二興産)は上場しているわけではありませんし、また地方都市に本社がある会社です。東海圏では一定の知名度がありますが、全国的に知られているわけではありません。
そのため、投資家の皆様からすると「この運用会社は大丈夫かな?」というお気持ちになりやすい面もあると思います。そういった心理的なハードルを少しでも和らげられるよう、ファンドの安定運用、プラットフォームの信頼感にこだわり続けたいと考えています。
−−「SOLSだったら安心できる」と投資家が感じるような安心材料は他にもありますか。
これまで組成した1・2・5号ファンドで運用している物件は、もともと弊社が所有していた手堅い物件です。この手堅い物件でファンドを組成し、運用期間が終わったら、また弊社で所有するといった流れが基本ですので、安定運用しやすい枠組みといえるのではないでしょうか。
−−つまり、SOLSのファンドの資金は、「優先劣後」「一棟もの」「手堅い物件」の3つの施策で守られているというわけですね。先ほど「SOLSは信頼感にこだわり続けたい」とおっしゃっていましたが、その難しさを感じることはありますか。
SOLS3号案件の抽選結果を出すタイミングで、アクセス増に耐えきれず、システム障害が発生したことがあります。その影響で抽選結果を出すのが数日遅れ、会員の方々からメールやSNSを通じてお叱りの声を頂きました。
その後、3号案件に投資してくださった方々にアンケートをとると、「不備もあったけど、レスも早いしちゃんと対応してくれて、逆に信頼感が増しました」というようなご意見を頂き、ピンチのときの対応こそが信頼感につながるということを改めて感じましたね。
なお、現在では大規模なアクセスにもしっかり対応できるシステムになっていますので、安心してご利用頂ければと思います。
SOLS/ソルスは安定運用派の投資家と好相性のプラットフォーム
−−ここまでのお話で、SOLSが信頼感を重視している不動産クラウドファンディングということは理解できました。しかし、個人投資家が求めるのは、「安心感ではなく高利回り」という見方もできませんか。
おっしゃる通り、「高利回り重視」の投資家の方々も数多くいらっしゃいます。不動産クラウドファンディングのニーズは、「安定運用を重視する派」と「高利回りを重視する派」の二極化が進んでいます。SOLSはどちらかというと、「安定運用派」の投資家と相性がよいプラットフォームといえるかもしれません。
このテーマでいうと、複数のSOLSの会員様にインタビューをお願いしているのですが、不動産クラウドファンディングで投資経験が豊富な人ほど、安定運用を重視される傾向があると感じています。
−−不動産クラウドファンディングの中・上級者は、リスクとリターンの相関関係をきちんと理解しているわけですね。
そうですね。逆に、「初めて不動産クラウドファンディングに投資しました」というような初心者の方は、高利回りを重視されている印象があります。
−−しかし、不動産クラウドファンディングで投資家インタビューをしているプラットフォームは珍しいですね。インタビューを通して何か発見はありましたか。
一番の発見は、投資家の皆様が不動産クラウドファンディングの信頼感や透明性をかなり気にされていることです。例えば、「ファンドの情報開示をしっかりしているのか」「細かく運用報告をしてくれるのか」など、細かい部分も見ながら不動産クラウドファンディングを取捨選択されているとのことでした。
また、会員様のインタビューを実施する前は、「投資家の皆様は、利回りが高いほど魅力的に感じるのだろう」と思っていましたが、実際にお話を伺うと「5%以上など利回りが高すぎると、逆にリスクがあるのではと不安になる」といったご意見もありました。
−−SOLSを利用しているユーザーは、普段どんな投資活動をしている人が多いのでしょうか。
弊社(不二興産)が取引している賃貸オーナー様にもSOLSに数多くご登録いただいています。こういった方々を別にすると、株式を中心に投資活動しているような方が多い印象です。ご意見の一例としては、「株式の値動きに疲れてしまったので、安定運用しやすい不動産クラウドファンディングに魅力を感じた」などがありました。
SOLS/ソルスは高利回り合戦に参加する気はない
−−稲田さんのような若い世代の方が、不動産クラウドファンディングに対してどのような印象を持っているのか、についても伺いたいのですが。
正直、不二興産に入社するまでは、不動産クラウドファンディングという投資商品があることさえ知らなかったんですね。入社して不動産クラウドファンディングのことを説明されても、「本当にちゃんとお金を運用できるの?」くらいの気持ちでした。
現在では、SOLSを通して数多くの投資家の皆様がリターンを受け取ったり、他の事業者さんを通して私自身が不動産クラウドファンディングに投資してみた経験から大きな可能性を感じています。
個人投資家の目線でいえば、簡単な手続きでファンドに投資ができて、後は放っておいたら勝手にお金が増えて返ってくる…こんな楽なことはないという(笑)。事業者の目線でいえば、不動産クラウドファンディングの市場は今後もっと拡大していく可能性が高いし、認知度が広がっていく期待感もあります。
−−稲田さんから見て、逆に不動産クラウドファンディング市場の成長を阻む問題点はありますか。
現在の不動産クラウドファンディング市場は事業者が増えてきて、それ自体は業界の発展のために好ましいことだと思います。ただ、各事業者が登録者を集めるために、高利回り合戦の状況になっていますね。
高利回りを設定すれば、確かに登録者を集めやすいですし、ファンドの募集金額も達成しやすい。その反面、高利回りの負担は事業者の体力を奪うので、市場や事業の継続性で疑問があります。
ですから、高利回り合戦から脱却することが、不動産クラウドファンディング市場が安定的に発展するために欠かせないのではないでしょうか。もちろん、SOLSは高利回り合戦に参加する気はありません。
−−そうなると、高利回りを設定する競合他社(他の不動産クラウドファンディング)への優位性がなくなりませんか。
先ほど申し上げたプラットフォームの信頼感へのこだわりは、他の不動産クラウドファンディングとの差別化につながると思います。合わせて、現在の不動産クラウドファンディング市場では、少額で短期投資向きの「匿名組合」が主体ですが、SOLSでは今後、大口で長期投資向きの「任意組合」のファンドも積極的に組成していく方針です。
−−「匿名組合」と「任意組合」の違いや、SOLSがこの2軸でファンドを組成して行く理由については後半で詳しく伺えればと思います。
(後編に続く)
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