これから投資を始めようと考えている人にとって、「何に投資するか」は重要です。投資と聞くと株などを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、それは投資の世界の一部にすぎません。投資には、株のほかにも投資信託、FX、暗号資産(仮想通貨)、商品、さらには不動産など実に多くの種類があります。それぞれの投資商品には、特徴がありメリットやデメリットもさまざまです。
本記事では、数ある選択肢のなかから対極的な株と不動産の2つの投資を比較して、どちらへの投資を考えるのが妥当なのかを判断する材料を紹介します。
目次
「株」と「不動産」は何が違うのか
株と不動産を比較する前に、それぞれの違いについて解説します。特に、利益が発生する仕組みとリスクに注目するとより違いが分かりやすくなるでしょう。
不動産投資の概要
不動産投資では、どのような仕組みで利益が生まれ、投資の流れは具体的にどのようになっているのでしょうか。ここでは、利益が発生する仕組みや流動性、投資の始め方、特有のリスクについて解説します。
・利益が発生する仕組み
不動産投資で狙う主な利益は、家賃収入(インカムゲイン)です。インカムゲインとは、資産を所有することで継続的に得られる収入のことを指します。また購入時よりも高い価格で売却できれば値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うことも可能です。
・流動性について
流動性とは「買いやすさ」や「売りやすさ」のことです。不動産は、買い手がいなければ売ることができないため、一般的に株と比べると流動性が低くなります。そのため一定の売却期間を要することを念頭に置くことが必要です。
・投資の始め方
家賃収入を狙うための物件を選んだ後は、資金調達方法の検討が必要です。例えば金融機関からの融資を利用する場合は、必要書類を提出し審査に通過しないと、資金を調達できません。無事に物件購入にいたった後は、投資物件に入居者がつくように募集を行います。入居者と賃貸借契約を締結が完了すれば家賃収入の権利が発生する流れです。
・特有のリスク
不動産投資には、さまざまな特有のリスクがあります。例えば最大のリスクとされているのが空室リスクです。入居者がつかなければ家賃収入がゼロになってしまいます。そのほかにも家賃滞納リスクや居住者同士のトラブルなど入居者が相手だからこそ生じる不動産特有のリスクがあるため、押さえておきましょう。
また不動産は現物資産となるため、自然災害や火災などで投資した物件が重大なダメージを受けてしまう災害リスクがあります。こうして見ると不動産投資は、リスクが多いように感じるかもしれません。しかしそれぞれのリスクは、適切に管理する方法があるため、投資前にしっかりと理解しておくことが大切です。
株式投資の概要
株式投資を始める人は、株式投資で利益が発生する仕組みや特有のリスクなどをしっかりと留意しておきましょう。
・利益が発生する仕組み
株では、株価変動によって得られる売却益(キャピタルゲイン)と配当収入や株主優待で得られる利益(インカムゲイン)の両方を狙うことが可能です。一般的には、値上がりが見込める銘柄を購入してキャピタルゲインを狙う人が多いのですが、長期で保有して配当や優待などのインカムゲイン狙いの人も増えてきています。
・流動性について
上場した株の売買は、証券取引所という売買できる市場があるため、自分で買い手を探す必要はありません。日本の株式市場では、小型株を除いて活発に取引が行われているため、株を売りたい場合すぐに売ることが期待できます。不動産投資に比べて流動性が高い点は、株式投資の魅力の一つです。
・投資の始め方
株を買うには、証券会社の口座が必要です。そのため最初に証券会社の口座開設を行います。口座開設して必要な資金を入金すれば株の購入が可能です。日本株を買う場合は、東証の取引時間平日9~15時までであれば売買ができます(ただし11時30分~12時30分までは休憩時間)。
※時間外に取引できる仕組みもあります
・特有のリスク
株式投資の主なリスクは2つあります。1つ目は、株価変動リスクです。現物取引の場合、購入時より株価が下落すると含み損となり、その時点で株を売却すると損失が確定します。2つ目は、保有銘柄の企業が経営破たんするリスクです。経営破たんすると企業価値が失われてしまうため、株券が紙切れ同然になってしまう可能性が高くなります。
もし破たんを免れた場合でも信用失墜となるため、株価の大幅下落は避けられないでしょう。株は、手軽に始められる点はメリットです。しかし、このようなリスクも内包しているため、十分に内容を理解し自己責任で行うことが大切です。
メリット&デメリットで株と不動産を比較
株と不動産には、それぞれにメリットとデメリットがあります。対極にある投資だけにメリットとデメリットも対照的なことが特徴です。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
株で得られる3つのメリット
株式投資で得られるメリットは、主に3つです。
・分散投資も手軽
投資におけるリスクをうまくコントロールするために推奨されているのが分散投資です。分散投資とは、特定の投資商品に資金を集中させるのではなく分散して投資をする手法のこと。株は、2022年5月30日時点で3,821(東証)もの銘柄があるためで、幅広い選択肢から投資先の銘柄を選ぶことができます。
業種や企業規模などが異なる銘柄に分散投資をすればリスクを抑えることが期待できるでしょう。株の場合は、分散投資によるリスクヘッジが手軽な点はメリットです。
・機動的な売買が可能
現代は多くの株式投資家がオンライン取引を利用しており、パソコンやスマホを使って簡単に売買が可能です。刻一刻と変動する株価を見ながら小刻みに利益を確定させることもできるため、投資家それぞれの戦略を反映しやすいメリットがあります。証券会社によっては、証券取引所の取引時間以外に夜間も取引ができるPTSというサービスの利用も可能です。
PTSを上手に活用すれば日中仕事が忙しい人でもより一層機動的な売買ができます。
・株主優待のお楽しみがある
株主優待も株式投資の楽しみの一つです。企業によっては、自社商品やサービス、商品券など独自の特典を株主優待として実施していることがあります。株主優待にフォーカスした投資で有名な桐谷広人さんのように株主優待に魅力を感じている人は多い傾向です。なかには、優待狙いで株を保有する投資家もいます。
株式投資のデメリット
株式投資の主なデメリットについても3つ紹介します。いずれも株にある特有のリスクやデメリットです。
・大きな損失につながるリスク
株は価格変動リスクがあるため、常に大きな損失につながる可能性があります。例えば株価が1,000円のときに買った銘柄が1,500円に上昇すれば資産は1.5倍になりますが、株価が500円になってしまうと資産は半分です。変動幅が大きい銘柄へ投資する場合は、さまざまな要因で急落する可能性があることも押さえておきましょう。
・投資効率はそれほど高くない
株式投資で信用取引を行う場合の投資効率(レバレッジ)は、証拠金の最大約3.3倍とFXなどに比べると高くありません。レバレッジとは、証券会社などに預け入れる証拠金を担保として多額な資金を投資できる方法です。レバレッジをきかせると投資効率を高めることができます。株式投資の約3.3倍に対してFXでは、最大レバレッジが25倍(国内業者の場合)です。
また株価指数や商品などの取引ができるCFDでは、10倍程度のレバレッジをきかせることができます。このようにほかの投資に比べて株の投資効率はそれほど高くはありません。
・インカムゲインの機会がとても少ない
株は、キャピタルゲインを狙うのが基本なので配当などのインカムゲインを意識している人は少ないかもしれません。なぜなら国内株の配当は年2回の企業が多い傾向にあり、インカムゲインを得る機会が少ないからです(米国株などは年4回の配当もある)。後述しますが、不動産投資の場合はインカムゲインとなる家賃収入が毎月現金で入るため、株は不動産と比べて短期的な利益を狙うことに適しているといえます。
不動産投資のメリット
不動産投資は、株投資と比較してどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。まずは、不動産投資の主なメリットを3つ解説します。
・抜群の安定感
不動産価格は、長いスパンで見ると変動しています。しかし株価のように分単位、1日単位で小刻みに変動することはありません。購入した不動産が短期的に大きく価値を失う可能性はきわめて低いため、安定した環境で投資に取り組むことができます。家賃相場についても同様です。景気の変動があっても急激に家賃相場が変動する可能性は低いため、長期目線で安定した投資環境が期待できるでしょう。
・毎月の定期収入が魅力
不動産投資は、家賃収入が毎月入るため、特にインカムゲイン狙いの投資を希望する人にとってはメリットです。なかには「不動産投資は老後の自分年金になる」といった内容を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。これは、家賃収入が毎月現金で安定的に入る特性を活かすと年金の足しにできるからです。
・少額からでもレバレッジ効果が得られる
「融資を利用できる」ことは、不動産投資がほかの投資と大きく異なる点です。不動産投資は、事業となるため、事業に供するための資金調達ができます。金融機関によっては、不動産投資ローンとして専門のローンを取り扱っていることもあります。物件取得に必要な資金の一部だけを用意して残りをすべて融資でまかなうこともできます。例えば1割の自己資金で物件を購入した場合は、10倍のレバレッジが可能です。
レバレッジをきかせると投資効率が良くなる一方で投資リスクは高くなります。しかし不動産は、比較的安定した投資となるのが特徴です。そのため、レバレッジ効果を活かしながら安定感のある投資が実現できます。
不動産投資のリスク・デメリット
不動産投資のリスクやデメリットについても確認しましょう。不動産投資の主なデメリットは、以下の3つです。
・空室になると収入ゼロ
不動産投資の最大のデメリットは、空室リスクです。区分マンション(1戸単位のマンション)で投資している場合は、その部屋が空室になると家賃収入はゼロになります。融資を利用して物件を購入した場合は、たとえ空室で家賃収入がゼロでも金融機関がローンの返済を待ってくれるわけではありません。家賃は入らない状態で返済を継続するには、手持ち資金からの「持ち出し」が必要です。
・自然災害や火災が大敵
不動産は現物資産となるため、自然災害や火災などで所有物件がダメージを受ける災害リスクがあります。倒壊など致命的なダメージを免れたとしても修繕を要する場合、修繕期間の家賃収入は見込めません。災害リスクは、すべての不動産にあてはまります。しかし保険でリスクをコントロールすることも可能です。
・流動性が低い
不動産投資の流動性が低い点は、デメリットです。例えば株なら流動性が比較的高いため、証券取引所に注文を出せば簡単に売買ができます。一方で不動産の場合、売却するには買い手を探して価格などの条件を交渉し、それが合意に至らなければ売却は成立しません。そのため今すぐ売りたいと思っても簡単には売れない可能性があります。
また「今すぐ現金が必要」といった事情で売却活動をすると、買主から足元を見られて安く買いたたかれる可能性も少なくありません。そのため不動産投資では、自己資金に余裕を持たせておくなど入念な資金計画が必要です。
株と不動産を徹底比較七番勝負
不動産投資 | 株式投資 | |
一番勝負 手軽さ、始めやすさ | × | ○ |
二番勝負 利益の大きさ | ○ | × |
三番勝負 リスク度 | △ | △ |
四番勝負 資産形成力 | ○ | × |
五番勝負 将来、老後への備え | ○ | × |
六番勝負 流動性(やめやすさ) | × | ○ |
七番勝負 どちらが楽か | ○ | × |
一番勝負 手軽さ、始めやすさ
株と不動産、今すぐ始めるならどちらが手軽かと言えば、やはり株になるでしょう。証券会社に口座がない人でも数日から1週間程度で口座を開設でき、数万円程度の少額からでも投資ができるので、手軽さや始めやすさについては株に軍配が上がります。
ただし、不動産投資についても以前と比べるとハードルは格段に低くなっているため、これまでの「難しそう」「大きな資金が必要になりそう」といったイメージを持っている人でも、始めやすくなっています。
二番勝負 利益の大きさ
投資である以上、利益の大きさは重要です。株は買ってその日のうちに売却するといった短期トレードができるので、短時間で大きな利益を狙うこともできますが、それはトレードが成功したときの話であり、逆に損をしてしまう可能性も大いにあります。
不動産投資では主に賃料収入を狙うため時間はかかるものの、トータルの利益は大きくなりやすいと言えます。また金融機関の融資を利用できるため、自己資金だけで投資をする場合よりも投資効果を高めることもできます。
三番勝負 リスク度
株と不動産のどちらにも、リスクは存在します。株であれば分散投資や損切りといった手法がありますし、不動産の場合は物件選びや資金計画などによってリスクを適切に管理することができます。リスクの種類は異なりますが、リスク度は引き分けです。
四番勝負 資産形成力
資産形成に大きく関わるのは、投資効率です。同じ時間が与えられている場合は、投資効率が高いほど多くの資産を築くことができるからです。株には、信用取引といって自己資金の約3.3倍まで投資することができ、効率を高められる仕組みがありますが、不動産投資では金融機関の融資が利用できるため、融資額によっては圧倒的な投資効率を実現できます。
例えば、自己資金1,000万円で5,000万円の収益物件を購入するとレバレッジは5倍なので、株の信用取引の約3.3倍を上回ります。さらに不動産投資では賃料収入をローン返済に充て、それを完済すれば収益物件という現物資産が手元に残ります。このように他人資本を活用できる分だけ不動産投資は資産形成力が高く、このメリットを味方につければ不動産投資に軍配が上がります。
五番勝負 将来、老後への備え
将来や老後への備えに必要なのは、長期的な資産形成と収入源の確保です。株でも企業の成長や配当収入を前提とした長期投資はできますが、融資を活用したレバレッジ効果を考慮すると、資産形成力の高い不動産投資のほうが有利と言えます。
六番勝負 流動性(やめやすさ)
所有している資産を現金化しやすいかどうかを示すのが、流動性です。不動産は買主を探す活動が必要で、数ヵ月程度の時間を要するのが一般的ですが、株は証券取引所ですぐに売却することができるので、流動性においては株に軍配が上がります。
七番勝負 どちらが楽か
株と不動産のどちらが楽かは、株の投資スタイルによって変わります。短期売買を繰り返すようなスタイルだと、相場が動いている時間は売買画面に張り付いている必要があるため、決して楽とは言えないでしょう。
不動産投資は、業務の大半を専門業者にアウトソーシングすることができます。物件管理や家賃の回収・督促なども委託できるので、投資家が楽をしやすい投資と言えます。
株と不動産の典型的な失敗パターン
投資をする以上、「なんとしても失敗は避けたい」と思うのがごく自然でしょう。ここでは、株と不動産の投資におけるそれぞれの失敗事例を紹介します。
不動産投資によくある失敗パターン
不動産投資でよくある失敗には、以下の5つのようなものがあります。
①他人任せにしたことによって思い通りにならなかった
②収支シミュレーションが楽観的すぎた
③予想外の出費で資金ショートしてしまった
④問題のある入居者によって余計なコストが発生した
⑤節税目的で購入したが赤字のほうが大きかった
①~③は、不動産投資のよくある失敗例です。収支の見通しが甘かったことや不動産会社の担当者の言いなりになってしまい自分で物件の精査をせずに購入してしまったケースなどによく見られます。③の予想外の出費についても物件を購入する時点での見通しの甘さが原因となることが多いでしょう。つまり、考えられるリスクや出費をいかに正確にシミュレーションできるかが成否を分けるのです。
不動産投資は人が相手のビジネスとなるため、入居者が期待通りの人ばかりとは限りません。なかには、滞納したりオーナーや周辺の住民とトラブルを起こしたりするような人もいます。そうなると④のような余計なコストが発生する可能性も出てくるでしょう。
国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、マンションでのトラブル第1位は「居住者間のマナー」でした。そのため入居者トラブルを未然に防ぐための対策(管理会社の選定、入居時審査の厳格化)などが重要です。
また⑤のように節税目的で購入したにも関わらず、赤字が多くなってしまう失敗事例もあります。不動産は償却資産となるため、多くのマンションの法定耐用年数は47年間です。例えば新築でマンションを購入した場合は、47年間にわたって減価償却費を経費計上できるため、節税効果があります。
賃貸経営が赤字であれば給与所得などと損益通算することで節税効果が大きくなりますが、基本的に節税目的でのマンション購入はおすすめできません。なぜなら節税メリット以上に赤字が出てしまう事例も少なくないからです。
株式投資によくある失敗パターン
株式投資で失敗してしまう典型的なパターンには、以下の4つのようなものがあります。
①コラムニストなど「専門家」の情報を鵜呑みにしてしまう
②明確な根拠がないのに感覚的な売買をする
③高値掴み
④冷静な判断を欠いたナンピン
株に限らず「何にいつどれだけの投資をするのか」を最終判断するのは、自分自身です。そのため専門家の情報やネットの掲示板情報を鵜呑みにして他人任せにすることは、非常に危険といえます。また明確な根拠がないにも関わらず感覚的な売買をすることもNGです。投資をする際は、自分の考えや自分のルールを整理したうえで投資スタンスを明確にしてから始める必要があります。
明確な根拠がなく雰囲気や気分で株を買うと③のように高値掴みをしてしまう恐れがあります。「上昇相場でまだまだ上がりそうだ」と思って買ったものの「すでにそれが天井だった」というパターンです。また天井をつけると株価は下落し始めるため、そこから慌ててナンピン買いをすることも典型的な失敗パターンといえるでしょう。
なおナンピン(難平)とは、株価が下落しているときに安い株価で買い増しをして平均購入価格を下げ損益分岐点を引き下げようとする戦術のことです。ナンピン買いにも明確な根拠があればよいでしょう。しかし「下手なナンピン、すかんぴん」という相場格言があるように、冷静な判断を欠いたナンピンはさらに損失を拡大するリスクを高めるだけです。
株と不動産、それぞれおすすめなのはどのような人?
ここまで株と不動産をさまざまな視点で比較してきました。ここからは、株と不動産でそれぞれにどのような人に向いているのかを明確に分類していきましょう。
このような人には不動産投資がおすすめ
不動産投資が向いている人物像を以下の3つの視点でまとめました。これらのうち該当する項目が多い人ほど不動産投資に向いているといえます。
・長期目線で堅実さを重視する人
不動産投資は、長期的な視野でトータル収支をプラスにしていく安定性重視の投資です。物件選びを間違えなければ長期間にわたって手堅い運用が期待できます。そのため短期的な利益よりも老後資金など将来的な利益を目指すスタンスの人に最適です。
・投資効率を高めたい人
不動産投資は、数ある「投資」のなかでも融資を活用できる数少ないビジネスモデルです。融資を利用して物件を買ったとしても家賃収入が得られるため、投資効率が高い運用ができます。そのためレバレッジをきかせた投資を好む人向きです。
・投資にあまり手間をかけたくない人
多くの業務を外注化できることも不動産投資の特徴です。例えば物件の管理や家賃の回収を管理会社へ委託できたり不動産投資に強い不動産会社をパートナーにして効率良く物件を選んだりすることもできます。そのため「投資にあまり手間をかけたくない」「忙しくて投資に手が回らない」という人におすすめです。
このような人には株がおすすめ
株に向いている人物像についても不動産と同様に3つの項目で整理しました。以下の項目に多くあてはまる人は、株式投資向きです。
・できることから始めてみたい人
不動産は、融資を含めても数千万円~億単位の投資になります。しかし株は、数百円からなど少額からでも手軽に始めることが可能です。そのため「資金は少ないがまずはできることから始めてみたい」「投資家デビューを果たしたい」という人に向いています。
・ネット操作だけで完結したい人
ネット証券会社が台頭してくる前の株式投資は、証券会社の担当者と電話や面談でやり取りをしていました。しかし現代は、ネット操作だけで売買をすべて完結できます。不動産投資の場合は、どうしても現地調査や金融機関や不動産会社などの担当者と交渉するなどネット以外のアクションが必要です。そのためネット操作だけで投資を完結させたい人には、株投資が向いています。
・すぐに現金化できるようにしたい人
株は、証券取引所の取引時間であれば売却して数日で現金化できます。不動産投資に比べて現金化しやすいと言えるでしょう。株の流動性の高さは「すぐに現金が必要」という事態になる可能性がある人にとって安心感があるでしょう。
長期投資を成功させるのに必要なこと
投資は、かけられる時間が長いほど成功する可能性を高めることが期待できます。短期目線で目先の利益ばかりを追い求めると失敗しやすくなるため、個人投資家は長期目線での投資がおすすめです。長期投資を成功させるには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。そこで提案したいのが、以下の5つです。
①目的の明確化
②今だけでなく将来の価値も検討する
③短期的に動くのではなくじっくりと腰を据えて取り組む
④「長期・積立・分散」を実践する
⑤目先の価格変動で一喜一憂しない
①については、投資を始める前に意識することです。まずは、これから始めようとしている投資の目的が何なのかを明確にしましょう。明確にすることで、目的達成のためにどれくらいの資金や時間が必要で、どのような知識を得る必要があるのかが見えてきます。②~⑤は、いずれも投資を始めてからのスタンスに関わるものです。
④のように、長期目線で投資対象を分散しながらコツコツと積み立てていくと理論的には多くの人が成功できるはずです。目先の価格変動で一喜一憂したり考えがブレてしまったりすると、目的を見失って狼狽売りにつながりかねません。一度決めた目標や行動を安易に変えることなく長期的に取り組むのが成功の秘訣です。
まとめ
これから投資を始めたいと考えている人に向けて、株と不動産を「七番勝負」を含むさまざまな視点で比較してみました。それぞれにメリットとデメリットがあるので、ご自身の目的や投資に期待するものによって判断するといいでしょう。長期的な視野でメリットを得ながら将来や老後に備えるという目的の場合は、リスクを抑えやすく資産形成力の高い不動産投資がおすすめです。
株式投資と不動産投資に関するよくある質問
Q.リスクが大きいのはどちらの投資方法?
どちらにも、リスクは存在します。株であれば分散投資や損切りといった手法がありますし、不動産の場合は物件選びや資金計画などによってリスクを適切に管理することができます。
Q. 老後の備えにはどちらが向いている?
融資を活用したレバレッジ効果を考慮すると、資産形成力の高い不動産投資のほうが有利と言えます。
Q. 流動性があるのは?
株は証券取引所ですぐに売却することができるので、流動性においては株に軍配が上がります。
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