不動産投資
2019.8.30

知る人ぞ知る不動産の評価方式「開発法」の使い方

(画像=beeboys/Shutterstock.com)
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不動産の価値を算出する評価方式にはさまざまなものがあり、一般的に投資用は「収益還元法」、居住用は「取引事例比較法」、ローンの担保価値を測る際には「原価法(積算)」が使われています。ここまではご存じの人もいるのではないでしょうか。しかしこれら3つを補完する「開発法」という評価方式はあまり知られていないようです。

開発法の考え方

開発法は、土地を取得してマンションを建てるデベロッパーの目線による評価方式です。主に広大な更地を評価する際に使います。簡単に述べると、「この土地にマンションを建てて販売したら、いくら儲かるか」を基準に評価するのが特徴です。おおまかな計算式のイメージは「マンションの販売価格-(建築費+経費)=開発法の評価額」。

このとき想定されるマンションは、「最有効使用」という考え方にもとづきます。つまり土地を最大限活用して最も収益を上げられる建物を建てるという仮定です。経費には管理費や広告宣伝費などがありますが、計算はこれで終わりではありません。一般的に土地の取得からマンションの建築・販売までは、年単位の長期にわたって行われます。

このような時間による差を価格に反映させるため、販売価格や建築費、経費などは、期間に応じて一定の利率で割り引くことが必要です。 この利率は投下資本収益率といい、デベロッパーの利益率やローン金利などで構成されます。一般的には年10%前後が多い傾向です。正確に計算したい場合は、不動産会社や不動産鑑定士事務所に依頼したほうがよいでしょう。

ほかの評価方法との違い

開発法の特徴を解説するために、ほかの評価方法をおさらいします。収益還元法は投資用不動産に使われる評価方法で算出方法は「純家賃÷還元利回り=収益還元法価格」です。純家賃は家賃収入から経費を差し引くことによって求めます。還元利回りは、周辺地域の平均的な利回りに物件の特性などを考慮して調整を加えて算出します。

開発法は売却益(キャピタルゲイン)を価格の指標にしますが、収益還元法は継続的収入(インカムゲイン)に着目しているわけです。取引事例比較法は、地域や立地条件などが似たような物件の過去における成約価格を調べ、相場の傾向や個別要因を加減して評価します。特に近隣地域で多くの取引事例があるような、需要が活発なエリアで有効です。

原価法は積算法とも呼ばれます。土地を相続税路線価などの公的な評価額から求め、建物の価格は平均的な建築単価を、建築面積に掛け合わせて計算します。両者を合算したものが積算価格です。基本的に投資用物件の場合、収益還元法をメインにほかの2つの手法で求めた価格で調整して評価します。

こんなときに使う

開発法はマンション開発に適した広大な土地を評価する際に有効です。それだけでなくほかの3つの方法で評価した価格を検証するためにも用いられます。例えば所有しているマンションを1棟まるごと売却するときの売り出し価格を考えたり、相続した土地の活用方法を検討したりするときに収益還元法の価格を裏付けるものとして利用します。

もし両者の間がかけ離れていたら、調整が必要になるでしょう。こうして最適な価格を求めていきます。開発法は収益性に着目している点は収益還元法に似ており、建築価額の求め方は積算法に近いものがあります。販売価格には取引事例比較法の要素も入っています。3つの方法を駆使した考え方なので、ほかの方法で導き出した回答の「答え合わせ」となるのです。

開発法は土地活用に有効な評価方法

開発法はマンションデベロッパーの採算性に注目した評価方法です。ほかの3つの手法を取り入れており、検証手段として使うこともできます。土地活用を考える際に有効活用できるでしょう。計算の前提となる投下資本収益率や建築費には複雑な計算が伴うので、正確に計算したい場合は不動産会社などに依頼してください。

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