税金
2019.4.26

次世代に資産を遺すためのアパート・マンション経営

(写真=GP Studio/Shutterstock.com)
(写真=GP Studio/Shutterstock.com)
有効な土地活用や税金対策等、様々な理由やきっかけでアパート・マンション経営を始めるケースがありますが、いずれ相続が発生した場合には、次の世代が経営を引き継ぐことになります。そこで今回は、アパート・マンション経営を有益な資産として次世代に残すために、今からどのようなことを考えておけば良いかをお伝えします。

収益を生む資産を次世代に

今後の日本は少子高齢化による社会保障費の更なる増加が想定され、それに伴い税金・社会保険料の負担増も懸念されています。またインフレ、原材料費や人件費の高騰等による物価上昇のリスクも想定されます。

このような事が考えられる日本において、次世代に残す優良な資産として考えられるのは、現金や有価証券等はもちろん、「収益を生む資産」ではないでしょうか。

アパート・マンションはまさに収益を生む資産となります。この資産は現在、今後はもちろん、次世代に引き継がれた後も長期間にわたって定期的な収入をもたらしてくれます。

ただし、この優良な資産を引き継いだとしても、その後も継続的に収益を得るためには、賃貸経営のノウハウをある程度身につけておく必要があります。誰に残すかを決めた後は、できるだけ早い段階から賃貸経営の収益構造や今後かかるコスト、様々なリスクや管理の方法等、ノウハウについても次世代に引き継いでおく必要があります。

遺産分割の際の注意点

いくら優良な資産を次世代に残したとしても、それが原因で親族間が揉めてしまっては本末転倒ですので、生前に遺産分割についても対策を立てておく必要があります。

特に相続人となる人が複数いて、収益物件以外にも分割しづらい財産がある、あるいは分割できる財産が少ない等、相続人間で不公平となる遺産分割が考えられる場合には、生前に「遺留分」の対策をしておく必要があります。不動産、特に土地については財産としての評価額が高くなる場合があり、その分、遺留分の額も大きくなりますので、事前に相続財産全体の評価額を試算した上で、対策を考える必要があります。

また、相続人が複数いる場合には、不動産の共有はできるだけ避けた方が賢明です。生活環境等の違いによって不動産収入を継続して得たいと考える相続人もいれば、土地・建物を売却して現金を手にしたいと考える相続人もいる場合があります。このような場合には相続人間で揉め事が起きる可能性もあり、さらにその次の相続では相続人も増え相続人間の関係が希薄となることも考えられますので、不動産を巡って争いが起きてしまうことが懸念されます。このような点から不動産の共有はせずに、一人の相続人に一物件を相続させることが、次世代にとっても良い方策となります。

生前贈与の活用の検討も

相続によって財産を残す他に、贈与によって生前に財産を次世代に引き継ぐことも可能です。贈与には毎年行える「暦年贈与」と、2,500万円までは一時的に無税で贈与が行える「相続時精算課税」の2種類があります。暦年贈与の場合、毎年不動産の持ち分を少しずつ贈与し所有権を移転させ、数年かけて次世代に引き継ぐイメージです。贈与時には登録免許税・不動産取得税・登記費用等がかかりますので、これらの費用負担をしても有効な方法なのかどうかを検討する必要があります。

相続時精算課税の場合は、2,500万円を超える部分に20%の贈与税がかかり、相続時には贈与した財産を含めて相続税の計算が行われますが、相続財産としての評価額は贈与時の価額となりますので、不動産の値上がりによる相続財産の増加を防ぐことができます。

贈与が完了すればその後の賃料収入は次世代の財産となり、賃貸経営や管理を早めに始められるメリットもあります。なおいずれの贈与の場合も他の財産を含めて、生前に贈与を行った場合と相続時に財産を引き継いだ場合の税負担を試算・比較をして、より有利な方法で進めていくことが大切となります。

このようにアパート・マンション経営は、現在の収益を生むだけでなく次の世代へ優良な資産を遺すことができます。今後の経営と合わせて次世代へ引き継ぐための方策も考えてみてはいかがでしょうか。
 

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