各種ローンは金利が高いほど総返済額の負担が重くなります。そのため不動産投資用ローンなどを借り入れた後、自分が利用しているローンより金利の低いローンが見つかればそのローンに借り換えることによって返済負担を軽くすることができます。
居住用の住宅ローンであれば金融機関による金利差はさほど大きくありませんが、不動産投資用ローンは金融機関によって違いが大きい傾向です。また金利動向によって金利水準が高くなったり低くなったりと変動することもあります。
賢く不動産投資を続けるなら、金利変動に合わせてローンの借り換えをうまく活用し負担を大幅に軽減したいところです。
金利1.0%の違いが年間10万円以上の差になる
「金利の影響がいかに大きいのか」については以下の図表で確認してみましょう。事例は2,000万円を借り入れた場合の金利や返済期間別の毎回返済額を一覧表にまとめたものです。
例えば年利2.0%で30年返済を利用すると毎回の返済額は7万3,923円ですが、年利2.5%になると7万9,024円、3.0%になると8万4,320円に増加します。
30年返済の場合は金利1.0%の違いが毎月にすると1万397円の差になり、年間では12万4,764円も違ってくる計算です。逆にいえば借り換えによって金利を1.0%低くできれば毎回の返済額を1万円以上少なくできることになります。
図表 金利別・返済期間別の毎回返済額
設定条件:借入額2,000万円、元利均等返済
年利 | 20年返済 | 25年返済 | 30年返済 |
---|---|---|---|
1.0% | 9万1,978円 | 7万5,374円 | 6万4,327円 |
1.5% | 9万6,509円 | 7万9,987円 | 6万9,024円 |
2.0% | 10万1,176円 | 8万4,770円 | 7万3,923円 |
2.5% | 10万5,980円 | 8万9,723円 | 7万9,024円 |
3.0% | 11万919円 | 9万4,842円 | 8万4,320円 |
金融機関によって適用金利が違ってくることもある
各種ローンの金利は、市場の金利動向に対応して変化します。市場の金利が下がれば適用金利も下がり市場の金利が上がれば適用金利も上がる傾向です。
2019年11月現在、各種の金利は過去最低水準に近いレベルで推移していて大きな変化はありませんが不動産投資用ローンは20年、30年と返済が続きます。その間には、金利の変化も十分に想定されますから金利動向をきめ細かくチェックして臨機応変に対応できるようにしておきたいところです。
同時に自分が利用している金融機関だけではなく不動産投資用ローンを実施しているほかの金融機関の動向にも敏感に対応できるようにしておきましょう。
また金融機関によってローンの審査基準も異なるため、利用者の条件次第で適用金利が異なることもあるでしょう。自分の条件なら「どの程度の金利で借りることができるのか」について検討物件を持ち込み試してみる価値はあります。
金利差を利用して返済期間の短縮も可能に
より低い金利のローンに借り換えることができれば金利差を利用して残りの返済期間を短縮することも可能です。先の金利別・返済期間別の返済額一覧表をみると金利3.0%の30年返済の返済額は8万4,320円ですが、金利2.0%に借り換えることができれば返済額は7万3,923円にダウンします。
しかし金利2.0%の25年返済の返済額は8万4,770円ですから、返済額は現在の8万円台のままで問題ないという場合は、返済期間を5年も短くすることができるわけです。早く返済を終えることができるため、精神的な安心感も出てくるのではないでしょうか。
ただし通常は同じ金融機関内での借り換えは難しいので他の金融機関での借り換えが必要です。その場合、新たにローンの事務手数料や保証料のほか、抵当設定手続き費用などがかかるので「それらを負担しても得できるのかどうか」をしっかりと確認したうえで検討することが賢明といえます。
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