不動産購入時,会計処理
(画像=Syda Productions/Shutterstock.com)

不動産投資をはじめて最初に悩むのが「不動産購入時の会計処理」です。取得原価と必要経費の区分処理を間違えてしまうと後々の不動産所得の計算や税金にも影響しかねません。そこで今回は、最初だからこそしっかり押さえておきたい取得原価に含めるべき費用と含めなくてよい費用について解説します。

不動産取得時の支出は2パターンに分かれる

賃貸業をはじめるべく不動産を購入すると、不動産そのもの以外にもさまざまな支出が発生します。支出内容は「不動産の取得原価」「必要経費」のいずれかです。本来、不動産の取得原価には不動産そのものの購入金額だけでなく事業用にするための費用も含まれます。しかし支出の性質によっては取得原価にしないことを税務当局が認めているのです。

不動産の取得原価にするとどうなるか

「土地や建物の取得原価になる」ということは、貸借対照表上に記載され損益計算上には記載されないということです。つまり不動産所得の計算上の必要経費にはならず節税にはなりません。ただ同じ取得原価でも土地と建物では内容が違います。土地は減価償却資産ではありませんが建物は減価償却資産です。そのため土地の取得原価に含めた支出は全額、売却時まで費用にはなりません。

一方、建物の取得原価は少しずつ不動産所得の計算上の「減価償却費」という必要経費になっていき、売却時に減価償却しきれなかった残額が売却時の費用となります。

必要経費にするとどうなるか

必要経費が増えると不動産所得を小さくする効果があります。不動産所得は「総収入金額(家賃収入など)-必要経費(管理費や水道光熱費など)」で算出します。必要経費が大きければ大きいほど不動産所得は小さくなり結果税金も低くなります。

取得原価にする支出

不動産購入時に支出した金額のうち取得原価に含めるものは以下の通りです。

仲介手数料

不動産の仲介業者に対して支払う仲介手数料は不動産の取得費用なので取得価額に含めます。建物と土地を一括して取得したのならば、仲介手数料を建物分と土地分に分けなくてはなりません。内訳が区分されていないなら建物と土地の価格で仲介手数料を按分します。

固定資産税精算金

固定資産税精算金は固定資産税の一部にあたる金額を買主が売主に対して支払うものです。「税」とつくので誤解しやすいのですが、固定資産税そのものではありません。固定資産税は毎年1月1日、土地や建物を所有する人に課される税金です。しかし年の途中で手放しても税金そのものは還付されない仕組みになっています。

そのため一般的に不動産取引では、不動産を売買した日からその年の12月31日までの固定資産税に相当する金額を買主が売主に支払うのが慣習です。税法では、固定資産税精算金はあくまで当事者間の取引に過ぎず対価の一部を構成するものとしています。買主側においても不動産所得計算上の必要経費とするのではなく取得原価に算入します。

なお仲介手数料と同様、建物分と土地分に按分しそれぞれの取得原価に含める作業が必要です。この他、地ならしや土盛り、切土といった土地の整地費用、土地の取得・価値向上のための測量費用も取得原価になります。

必要経費にできる支出

購入時の支出で不動産の取得原価に含めなくてよいものは以下の通りです。

不動産取得税

売買や贈与で不動産を取得したときや新築・増築したときにかかる都道府県税です。不動産を取得してから半年〜1年くらいの間に通知書が届きます。これは事後的な費用として必要経費にすることが可能です。

登記に必要な費用

司法書士への報酬や登録免許税の収入印紙がこれにあたります。これらも賃貸事業を開始した年の必要経費にすることが可能です。この他、土地の取得に関係なく行われる測量の費用や売買契約書に貼る印紙代も必要経費にすることができます。

取得原価に含めなければ、これらは取得した年において不動産所得を計算する際の必要経費になります。

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