ありがとう
(画像=christianchan/stock.adobe.com)

お金持ちとそうではない人、そこにはどのような差があるのか気になったことはありませんか?お金持ちといわれる人は、日常の行動や言動にも一般と異なる部分があるのでしょうか。

「ありがとう」を言う人は年収も幸福度も高い?

チョコレートの輸入販売を手掛けるゴディバジャパンが行った調査によると、一日に平均して4回以上「ありがとう」を声に出して伝えている人は、そうでない人に比べて幸福が高く、年収も20万円以上高いことが分かりました。

ただ、これだけでは感謝を伝えるからお金持ちなのか、お金のゆとりが生む心のゆとりから感謝を伝えやすいのかまではわかりません。

「ありがとう」はwell-beingを高めてくれる

アメリカ心理学会の会長も務めたことがあるマーティン・セリグマンは、1990年代の後半から人間の幸福や優れた精神機能に関する研究を始めました。この分野はポジティブ心理学と呼ばれ、感謝がもたらす効果についても研究が行われました。

セリグマンの研究では、感謝の気持ちを伝えている人のほうが、そうでない人よりもwell-being(主観的幸福感)が高いことが分かりました。また、感謝の気持ちを手紙に書いたり、日記をつけたりするだけでも幸福感が高められるようです。

well-beingは幸福と訳すことができますが、「happiness」とは違う意味合いを持ちます。happinessが感情としての幸せを指すのに対し、well-beingは心身が健康で不安がないなど、すべてが良好で満たされている状態を指します。

感謝はストレスを低減する

ハンス・セリエが1963年に行った研究「現代社会とストレス」によれば、他者から感謝を伝えられたときだけでなく、自分が他者に感謝したときにもストレスが低減するとのことです。前述のセリグマンの研究でも、感謝を伝えた側は幸福感が高まり、うつ傾向も低くなりました。

感謝は利他的行動を促進してくれる

また、感謝は利他的行動を促進してくれるといいます。お世話になった方に直接感謝の気持ちを伝えることで、好意を返報してもらえるだけでなく、利他的行動、つまりは感謝の気持ちを伝えてくれた側に利益をもたらすように行動するようになるというのです。

お互いに感謝を伝えあう関係であれば、それぞれが相手のことを考えて行動するようになるようです。これは仏教の「自利利他」にも通じます。自利利他とは「相手のために尽くすことが自分の幸せにつながり、自分の幸せが相手の幸せにつながる」という意味の言葉です。

感謝とビジネス

これをビジネスに当てはめるとどうでしょうか。自利は自分の利益ですから、経営者なら会社の売上、会社員なら給与ととらえることができます。利他は、顧客満足や自社が提供するサービスと言い換えることができます。

顧客にサービスだけでなく感謝も伝えることで、顧客側もサービスを提供する会社に利がある行動をするようになるでしょう。

感謝の気持ちを多く伝える人の収入が高いのは、感謝を伝えることで、相手に「この人の利益につながる何かをしてあげたい」と思ってもらえるようになるからかもしれません。

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