2021年7月1日、メルセデス・ベンツから新型モデル「メルセデス・マイバッハ」が発表されました。メルセデス・マイバッハは、ベンツ傘下の高級車メーカーです。1900年代に誕生し、後にベンツ社の傘下に入り高級車を作り続けてきた「マイバッハ」。かつての失敗を乗り越えて、新型モデルは富裕層の心をつかむことができるのでしょうか。
贅を尽くした「走る芸術品」マイバッハの歴史
「走る芸術品」ともいわれるドイツを代表する超高級車ブランドのマイバッハ。その歴史は、1900年代初頭にまで遡ります。20世紀はじめ富裕層の移動手段は、馬車から自動車へと切り替わりつつありました。創設者ヴィルヘルム・マイバッハは、ダイムラー社で主任技師として活躍した技術者で独立後に息子のカールとともに自動車に限らずさまざまなエンジンを作る「マイバッハエンジン制作会社」を設立。
第1次大戦後に高級車メーカーに転身したマイバッハ社は、豪華かつ高い性能を有するモデルを世に輩出し、注目を集めました。1961年創設者の息子カール・マイバッハの引退後にダイムラーベンツ社の傘下に入り2002年に高級車として復活。しかし振るわず2011年にはいったんブランドが廃止されています。
さらに2015年「メルセデスの最上級モデル」として再度復活していますが日本国内では年間数台しか売れていませんでした。
2021年7月に発表された新型モデルの価格は
2021年7月に新型モデルとして発表されたのは「メルセデス・マイバッハSクラス」「メルセデス・マイバッハGLS」の2つです。価格は、以下のようになっています。
- メルセデス・マイバッハSクラス:2,648万円(税込み)
- メルセデス・マイバッハGLS600 4MATIC:2,729万円(税込み)
これは、ベースとなるメルセデス・ベンツのSクラス(1,293万円)、GLS(1,277万円)の2倍以上の価格です。家1軒分に相当する価格のマイバッハにニーズはあるのでしょうか。
ロールスロイスは年間200台以上、フェラーリは1,000台以上売れている
「超高級車を購入できる富裕層はごくわずかしかいない」などと感じる人もいるかもしれません。しかし日本国内だけでも高級輸入車は、年間30万台以上のペースで売れているのです。日本自動車輸入組合の「2020年度輸入車新規登録台数(速報)」によると2020年に新規登録された輸入車は、33万5,924台でした。
車種別に見ると3,000万円以上の車がラインアップされているロールスロイスが240台、超高級スポーツカーで3,000万円台モデルも多くあるフェラーリが1,045台と同価格帯の車が多く売れています。そのため超高級車自体のニーズは、国内でも少なからずあることが分かるのではないでしょうか。しかし同調査における2020年度のマイバッハ販売台数は、わずか1台です。
新型発表、しかし成功への道は険しい?
新型メルセデス・マイバッハは「ベンツ超え」の印象で超高級車を求める富裕層の心をつかむことができるのでしょうか。これまでの動きを踏まえるとマイバッハが異例の大ヒットを実現するためには大きな壁を乗り越える必要があるといえそうです。
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