伝説の投資家といえば、最近の日本の株価にも影響を与えたウォーレン・バフェットなどを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
実は、日本にも一代で巨万の富を築いた本多静六(1866〜1952年)という伝説の投資家がいました。彼の投資術は、現代にも通用する内容だと再評価されています。本多が実践していたのはどんな手法だったのかをチェックしてみましょう。
本多静六とウォーレン・バフェットの3つの共通点とは?
本多静六は、「日本のウォーレン・バフェット」とも呼ばれています。バフェットの名前が本多に冠せられる理由は、2人に次の共通点があるからでしょう。
・バリュー投資が基本スタイル
・一代で巨万の富を築いた
・お金持ちになっても倹約家
補足すると、バリュー投資とは株価が割安な銘柄を買い付ける手法です。さまざまな指標に基づいて分析し、「本来の価値よりも評価が低いこと」を見抜く眼力が必要とされます。
現代でも通用する!本多静六のシンプルな資産運用術・投資術
本多静六は、最終的に投資で巨万の富を築いていますが、その土台となったのは徹底した倹約と貯金です。
本多静六の資産運用術
投資をするにも、元手がなければ始められません。具体的に本多が説いた資産運用術で有名なのは、次の考え方です。
・収入の4分の1を貯金に回すこと
・臨時収入はすべて貯金に回すこと
上記を現代のサラリーマンにあてはめると、仮に月収が40万円であれば月10万円、さらにボーナスの全額を貯金に回すといったことが可能です。その結果、1年で240万円の元手が生まれます(ボーナスは月収の3ヵ月分で計算)。
本多静六の投資術
倹約と貯金で元手が作れたら、次は投資を行うフェーズですが、本多静六が軸としたのは次の2つの考え方です。ケース・バイ・ケースで使い分けましょう。
・2割もうかったら売却する(2割上げ利食い)
買い付けた投資対象が2割値上がりしたとき、「もっと値上がりするかも」と欲を出さずに一定の金額を売却して、元金と共に再び貯金に回します。そして辛抱強く、次の好機の到来を待ちます。
・倍になったら半分売却する(10割益半分手放し)
買い付けた投資対象の価値が2倍になったとき、その半分(=元手分)を売却します。元手分を売却したということは、この時点で損をする可能性がゼロということです。その後、値上がりすればさらにもうかりますし、値下がりしても0円にならない限りはもうけを確保できます。
本多静六は分散投資を重要視していた
もう一つの本多の特徴は、分散投資を行っていたことです。投資対象は10以上にも及びました。性格の異なる複数の投資先を組み合わせれば、そのうち一部が値下がりしても資産全体への影響を抑えられます。
数多くの投資対象の中でも、本多が力を入れていたのが株式投資と不動産投資です。本多の投資術を参考に、現代で手堅く株式投資と不動産投資をするなら以下のような選択肢があります。参考にしてみてください。
【株式投資】
・連続増配株
景気に左右されず、継続的に配当金を増やしてきた株。安定的に業績を伸ばしてきた企業の株式は、大崩れのリスクが少ないと考えられます。
・日経225ETF
ETFとは指数に連動する上場投資信託のこと。日経平均株価(日経225)との連動を目指すETFなら分散投資効果があります。
【不動産投資】
・東証REIT-ETF
REITとは、投資家から集めた資金で不動産投資を行い、その収益を原資に投資家に分配する仕組みで、東証REIT-ETFは国内のREIT市場の値動きを表す「東証REIT指数」と連動する銘柄です。
・不動産クラウドファンディング
仕組み自体はREITとは似ていますが、REITが複数の不動産を組み合わせているのに対し、不動産クラウドファンディングは単一の不動産への投資です。不動産クラウドファンディングは1口1万円など手軽な金額で投資できるのが特徴で、ファンド(案件)の募集直後に満口に達するケースも多く今、注目を集めています。
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