先行きの不透明感や投資に対する不安などから資産を現金のまま保有している人は多いのではないでしょうか。そのなかでもタンス預金は、相続時に税務署から遺産として見つかりにくい「説」があります。そのため相続対策としてタンス預金をしている人もいるかもしれません。しかしこのタンス預金には、意外に多くのリスクがあります。
本記事では、タンス預金のリスクやリスクを克服する方法について解説します。
タンス預金の総額は100兆円を突破
日本銀行によると、2022年末時点でのタンス預金総額は約106兆円でした。2023年第1四半期(速報)のデータでは日本の個人金融資産が約2,043兆円のため、その約5.2%がタンス預金ということです。高齢者を中心に現金を自宅で保管する人の多さが理由と推測できますが、実はこれは危険な資産の保管方法です。なぜ危険なのかについては、次項で解説します。
意外に多いタンス預金のリスク4選
タンス預金のリスクを4つの項目で解説します。特に相続対策としてタンス預金を検討している場合は、発覚したときのペナルティも含めてリスクを十分理解することが大切です。
①タンス預金は意外に発覚しやすい
「タンス預金はバレないので相続税の申告をしなくても大丈夫」という「説」があります。一見するともっともらしく聞こえますが、税務署の目は節穴ではありません。場合によっては亡くなった人(被相続人)の銀行口座からの出金記録をはじめ、さまざまな状況証拠からタンス預金の存在が発覚することがあります。
税務署から申告もれを指摘されると過少申告加算税などのペナルティが発生するため、「タンス預金はバレない」と決めず、もれなく申告するようにしましょう。
②物理的な消失リスクがある
タンス預金は、現金となるため、盗難や紛失といった物理的な消失リスクがあります。またタンス預金を万札などの紙幣で保管している場合は、火災による焼失の可能性も否めません。銀行預金などとは異なり、タンス預金をしていて消失してしまった場合は何の救済も得られないため、多額の現金を自宅で保管することは大きなリスクがあります。
③インフレが進行すると価値が目減りする
貨幣価値が物価に対して相対的に低くなることをインフレといいます。インフレになると物価高という形で生活に影響を及ぼすため、同じ額面のお金を持っていても物価が高くなることで購買力が低くなりかねません。
2023年は、世界的にインフレが進行しており、日本にもその波が押し寄せている状態です。タンス預金をしている状態でインフレが進行すると、何もしていなくてもお金の価値が低下していく恐れがあります。
④タンス預金は利子なし、かつ機会損失
タンス預金は、保管しているだけで運用をしているわけではないため、いつまで経っても利子がつくことはありません。金融機関へ預金しても利息はほとんどつかないことは、多くの人がご存じでしょう。しかしタンス預金と違って完全なゼロではありません。
有望な投資先でお金を運用すれば増やすことも可能です。これらを踏まえるとタンス預金のままで「運用しない」ことは、重大な機会損失にもなりかねません。
資産を運用することで資産防衛になる
物理的に現金を失うリスクは、セキュリティ強化で防げるかもしれません。しかしインフレなどの外的要因によって価値が目減りするリスクは、持ち主が努力しても防ぎようがありません。そこでおすすめしたいのが資産運用です。資産運用は、お金を増やすことばかりが注目されがちですが、実はインフレに対する資産防衛の役割もあります。
例えばインドでは、過去に高額紙幣が流通停止となり、もしタンス預金をしていたとしたらそれが無価値になってしまったことがありました。さすがに日本で同じことが起きるとは考えにくいですが、タンス預金には思わぬリスクがあることを実感させられる一つのエピソードです。
タンス預金を活用するなら不動産クラウドファンディングがおすすめ
タンス預金よりも資産運用の重要性が理解できても、なかには「何で運用すればよいのか分からない」という人もいるでしょう。そこでおすすめしたいのが、不動産クラウドファンディングです。不動産クラウドファンディングとは、クラウドファンディング事業者が不特定多数の投資家から集めた資金で不動産を購入・運用し、そこで得られた利益を分配する商品のことを指します。
なかには、5%以上の利回りが得られるものもあるため、ゼロ金利時代の現代にとっては非常に魅力的ではないでしょうか。もちろん投資であることから元本保証ではありませんが、不動産クラウドファンディングは現物不動産という裏付けのある商品となるため、比較的リスクが低いのが特徴です。また市場流通しているわけではないため、日々の値動きに一喜一憂することもありません。
ネット経由で簡単に利回りを比較したり投資したりすることができるため、タンス預金の運用先として検討してみてはいかがでしょうか。
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