不動産投資のフラット35不正利用問題と今後の影響を解説
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2019年5月に報道された「フラット35の不正利用問題」が、不動産投資業界で大きな波紋を呼んでいます。フラット35は、自己居住目的で住宅を購入する人のみが利用できる住宅ローンですが、それを不動産投資向けに不正利用をしている事実が発覚しました。

国は全容解明に向けた調査を指示しており、今後この問題は拡大する可能性があります。フラット35不正利用問題について、問題の本質や今後の展開などについて解説します。

不動産投資のフラット35不正利用問題とは?

フラット35は多くの金融機関が取り扱っている住宅ローンで、マイホームを購入する人にとっては定番とも言える住宅ローンです。2017年の実績で約68万件、融資残高は15兆円に上ることからも分かるように、マイホーム購入者に広く浸透しています。

今回発覚した問題は、このフラット35を自己居住用ではない不動産投資向けに利用していたことです。東京都内の不動産会社が100人を超える顧客に対して投資向け中古マンション物件を販売し、その資金調達手段としてフラット35の利用を指南していたことが分かりました。

なぜ不動産投資に住宅ローンは使えないのか

「なぜ不動産投資にフラット35を利用してはいけないのか?」という疑問を持った人もいるかもしれません。「返済する意思と能力があるなら問題ないだろう」ということでしょう。

フラット35は、公的資金を使って低金利融資を実現しています。これによって、国民のマイホーム取得を支援することが、フラット35の本来の目的です。

これを自己居住用ではなく利益を追求するための不動産投資に利用すると、フラット35の規約違反になり、詐欺に近い不正行為と見なされてしまうわけです。

不正利用が発覚するとどうなる?

国土交通大臣の指示によって、住宅金融支援機構はフラット35の不正利用の実態調査に乗り出しています。すでにフラット35で資金調達をした人が不正利用と見なされた場合、住宅金融支援機構は一括返還を求める方針です。

住宅ローンの大半は数千万円規模の融資なので、不正利用が明らかになれば、ローン残高によっては数千万円を一括で返還しなければならない可能性があります。

考えられる今後の展開と不動産投資業界への影響

不動産投資業界におけるスキャンダルとして広く知られているのが、融資書類の改ざんによるアパートやシェアハウス向けローンの不正融資です。これらのスキャンダルの当事者となった銀行や不動産会社は大幅な赤字を計上し、経営危機が囁かれましたが、それよりも大きな影響を及ぼしたのが融資の厳格化でした。

これらの不正融資が発覚した影響で審査が厳格化し、年収や自己資金などの属性が高い人でないと融資審査に通りにくくなりました。その結果、サラリーマン大家と呼ばれる人たちが融資を受けにくくなったのです。

この流れを踏まえると、次に起こる可能性が高いのがフラット35の融資審査厳格化でしょう。不正利用を撲滅するための措置としては妥当と言えますが、問題はフラット35が不動産投資家ではなく、一般のマイホーム購入希望者向けの融資であることです。

一部の不動産会社と投資家によるルール違反が、自分たちで住むための家を買いたい人たちの融資のハードルを上げてしまったとなると、その責任は重大と言わざるを得ません。

フラット35で投資向け物件を購入した投資家が一括返済を求められても、支払えない人がほとんどでしょう。そうなると、物件を売却して清算するほかありません。

フラット35の不正利用を指南した不動産業者の罪は重いですが、それを不正と知らずに受け入れた不動産投資家たちにも問題があります。不動産投資家は、法令を遵守して投資活動を行わなければなりません。