広がるブロックチェーンビジネス。投資すべき企業はあるのか
(画像=NicoElNino/Shutterstock.com)

暗号資産(仮想通貨)の技術として一躍注目を集めたブロックチェーンですが、フィンテック領域だけでなく、さまざまなビジネスに応用できるエコシステムとして、多くの企業が関心を寄せています。ブロックチェーン技術は、今後どのようにして活用されていくのでしょうか。

いち早くブロックチェーン技術に着目し、新システムの開発を行う企業も少なくありません。ここでは、今後の成長が見込まれるブロックチェーンビジネスを展開する企業をご紹介します。

ブロックチェーン技術の基本をおさらい

そもそもブロックチェーンとは、どのような技術なのでしょうか。ブロックチェーン技術は分散型台帳技術とも呼ばれています。これは、P2Pネットワークに参加するユーザー(ノード)それぞれが、取引データであるブロックチェーンの情報を各々で保存していることが由来です。一度ブロックチェーンに書き込まれたデータは改ざんがほぼ不可能であるため信頼性が高く、なおかつ管理人がいなくてもハッキングや不正を防げる、低コストのシステムとされています。

ブロックチェーンのブロックには、取引データが保存されており、それらはチェーンのようにつながっているため、原則として過去にさかのぼって取引を訂正することはできません。ブロックチェーン技術が持つこれらの特徴は、さまざまな分野に応用できます。

ブロックチェーン技術といえば、仮想通貨の一種であるビットコインを思い浮かべる人も多いでしょう。ビットコインのブロックチェーン技術は決済システムとして利用でき、クレジットカードや電子マネーのように、ビットコインで商品が購入できます。

ビットコインに次いで有名なイーサリアムのブロックチェーンには、契約を自動化できる「スマートコントラクト」という機能があります。スマートコントラクトによって、不動産の売買契約までできてしまうのです。

現在、暗号資産の種類は2,000を超えており、その中には、上記の2つとも異なる機能を有するものも数多くありますから、ブロックチェーン技術を活用するシステムは今後も増えていくでしょう。

ブロックチェーン技術を活用できる分野は

このような特徴を持つブロックチェーン技術を活用することで、これまで当たり前に行われていたものが消える可能性があるともいわれています。

スマートコントラクトによって、契約における押印や、書類へのサインを行うことが減っていくかもしれません。一方、データを蓄積できるブロックチェーン技術を利用することで、生産履歴や病院での受診歴などもブロックチェーン上に保存されていくようになるでしょう。

また、ビットコインのように全体に公開されるパブリック型のブロックチェーンだけでなく、特定の複数企業が参加するコンソーシアム型、管理者がおり許可制でネットワークに参加できるプライベート型のブロックチェーンの活用も進むと考えられます。

これらによって、より秘匿性の高いブロックチェーン運用が可能となります。顧客情報を守りたい企業などは、こういった技術の導入も視野に入れているのではないでしょうか。

ブロックチェーンの最前線!実用化に取り組む2つの企業

最後に、ブロックチェーン技術を活用する企業をご紹介します。

MaaS分野でデンソーがブロックチェーン技術を導入

MaaS (Mobility as a Service)とは、マイカー以外のすべての交通手段を一つのサービスとして捉える概念です。この分野において、デンソーが、ブロックチェーン技術を取り入れたプロダクトをラスベガスで開催された「CES 2019」にて展示し話題になりました。

これは車両のソフトウェアやデータの改ざん防止を目的としたものです。ブロックチェーンを活用して、近い将来に当たり前になるであろう、自動運転自動車のセキュリティの確保に取り組んでいます。

IBMは食品のサプライチェーンに応用

IBMは、食品の生産から販売、小売、消費者の手に届くまでのプロセスを可視化するために、ブロックチェーン技術を活用しています。日本では生産履歴として主に消費者向けにデータを公表していますが、サプライチェーンとして一括でデータを収集・管理することにより、安全性を高めるだけでなく、食品の廃棄量を低減することも可能です。

食への安全性に気を配る消費者と、生産性を上げつつロスを減らしたい生産者、廃棄のない仕入れを行いたい小売業者と、それぞれにメリットのあるシステムといえるでしょう。

新しい技術で他社の一歩前へ

投資を行う企業を選定する際には、過去から現在までの利益はもちろん、現在どのようなプロジェクトを進めているのか、将来的にはどのような分野で活躍しそうなのかまでよく見極めることが必要です。ブロックチェーン技術を利活用しようとしている企業は多くあります。どの企業が頭一つ抜きんでたビジネスを展開していくのか、さまざまな情報をもとに予想してみましょう。

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