家が売れない原因は「ブルーパー・ルーム」だった?4つのチェックポイント
(画像=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
アレン琴子
アレン琴子
国際コンサル企業などの翻訳業務を経て、ファイナンシャルライターに転身。現在は欧州を基盤に、複数の大手金融メディアで執筆活動中。国際経済から投資、資産運用、FinTech、ビジネス、行動経済学まで、広範囲に渡る「お金の情報」にアンテナを張っている。

家がなかなか売れない……それは「ブルーパー・ルーム」が原因かもしれません。隠れた売れない原因を特定し、対策を講じることで、「買い手にアピールする家」に生まれ変わらせましょう。

「手直しが必要な空間」ブルーパー・ルーム

価格やロケーション、時期、不動産業者の対応など家が売れない原因はさまざまです。しかし実は「リフォームや修繕など、手直し必要な空間」が原因で、潜在的な買い手を逃している可能性があります。こういった空間のことを米国の不動産業者間では、ブルーパー・ルーム(Blooper Room)と呼ばれています。少し古い物件を安価で購入し、自分の好みにリフォームしたい買い手にとっては、ブルーパー・ルームは買いポイントになるでしょう。

しかし「ガスや電気、配管系統で、大がかりな工事や修繕をしないと住めない」など、高額な費用がかかるブルーパー・ルームとなると話は別です。逆に「子どもが小さい」「仕事が忙しい」といった理由もあるかもしれません。この場合、入居後手直しなしですぐに暮らせるターンキー・ホーム(Turnkey Home)を探している買い手にとってブルーパー・ルームは絶対に避けたいポイントです。

第一印象が重要

新築マンションの販売とは違い、中古マンションは「豪華なパンフレットで、買い手に物件の魅力をアピールする」といった、広告戦略が使えません。買い手はインターネットや不動産業者などで、ありのままの物件写真を見た第一印象から、「物件の内見を予約するかしないか」を判断します。住みながらマンションを売却することも可能ですが、その場合、日常生活から生じるブルーパー・ルームがないかどうか、細心の注意を払う必要があります。

ブルーパー・ルーム、4つのチェックポイント

家の売却で悩んでいる方は、ブルーパー・ルームが存在しないか、チェックしてみましょう。当てはまるものがあれば、「可能な限りスピーディーに、最適な価格で売却するための投資」として、改善してみてはいかがでしょうか。

1 キッチンやバスルーム、洗面室が古い、汚れている

特に女性にとって、水回りは重要なチェックポイントです。「新築ではないから」といって、「生活に不快感を与えるほど古い」「掃除してもきれいにならないほど汚れている」という状態であれば、思い切って新しいものに取り換えましょう。キッチンやバスルーム、洗面室をグレードアップするだけでも、買い手に与える印象はずいぶん変わります。

2 ガスや電気、配管系統で、大がかりで高コストな工事や修繕が必要

「中古マンションを購入後に、ガス漏れが見つかった」「水道の給排水管が劣化していた」など、売却後にトラブルが起きては元も子もありません。当然ながら、これらの工事や修繕には、かなりのコストがかかります。例えば給排水管リフォームの度合いや住居形態(一戸建て・マンション)により相場は上下しますが、約10万~40万円は必要でしょう。

壁や床の取り外し・復旧が必要な場合、約70万円が日本の相場のようです。しかし売り出し前に必要な工事や修繕をすましておけば、買い手に余計な不安を与えることなく売却プロセスもスムースに進むのではないでしょうか。

3 使い勝手が悪い部屋がある

「3LDKといっても、そのうち1つの部屋が極端に狭い」というような物件は、買い手にとっても使い勝手の悪いものです。ウォークイン・クローゼットや収納スペースなど「有益に使えるもの」に改造することで、活きた空間に生まれ変わらせましょう。間取りによっては、壁を取り払って空間を広げるというのも一案です。

4 日当たりが悪い

こればかりは対処の仕方がないように思えますが、「照明の配置を工夫する」「壁の色を白系で統一する」など工夫をこらすことで、暗さを軽減できます。特定の部屋だけが日当たりが悪いのであれば、ウォークイン・クローゼットや収納スペースに改造しても良いでしょう。住みながらマンションを売却する場合は、壁だけではなくカーペットやフロアの色を薄めにし、鏡を効果的に使うなど、上手に視覚効果を利用します。

「投資」を惜しんで、「いつまでたっても家が売れない」といったことにならないよう、価格を下げる前に、試す価値はあるのではないでしょうか。

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