近年、海外の不動産投資家が、日本の不動産に熱い視線を注いでいます。何といっても日本は治安が良く、政治・経済的に安定している傾向です。そのため投資先として安全であるというのが一般的な認識となっており、世界経済が不安定化すると日本円が買われて円高になることでもその認識が顕著に表れます。
不動産投資についても同様で海外の投資家にとって日本の不動産は安全な資産であり、投資対象として魅力的です。しかし海外の投資家が注目しているのは安全性だけではありません。日本の不動産にはそのほかにも数々の魅力があるのです。そこで今回はそれらの魅力を含めて海外から日本の不動産に投資をするメリットについて解説します。
投資は安全が命
国内外を問わず投資家にとって最も重要なのは安全性です。手持ちの資金がいったん手元から離れるのですから、投資家が極力リスクを避けようとするのは当然でしょう。安全という点において日本は世界から常に高い評価を受けています。その国にある特有の投資リスクのことをカントリーリスクといいます。
「OECDカントリーリスク政策会合」での評価によると、アジアで最上級のAランクに属するのは日本とシンガポールだけです。(2019年9月19日時点)政情不安や地政学的リスクをはじめ、経済や金融情勢などを考慮した評価で最上級の評価を得ているということは、それだけ投資したお金が危険にさらされる可能性が低いということでしょう。
世界で最も安全な都市で東京は堂々の1位
カントリーリスクの次に、日本の治安の良さが評価されているデータを紹介します。The Economist Intelligence Unitが調査、発表した「World’s Ten Safest Cities(世界で最も安全な10都市)」というランキングで、東京は1位(2019年)です。2017年に行われた前回調査でも1位で、今回も1位を維持しています。
東京は世界有数の大都市でありながら世界で最も安全な都市ともいえそうです。治安が良いというのは「そこに住みたい」という動機につながるため、治安の良さも東京の賃貸需要を下支えします。
日本で不動産投資をする3大メリット
カントリーリスクの低さや治安の良さという2つのメリットをご紹介しましたが、日本への不動産投資にはまだまだほかにもメリットがあります。日本への投資の中でも不動産投資に絞った3大メリットを、それぞれに解説します。
1.円安
米中貿易戦争などの影響で円高が進んでいますが、それでも1ドルが70円台のころと比べるとまだ円安水準と考える投資家も多い傾向です。世界経済の不安定化から今後さらに円高が進むのであれば、日本国内で資産を保有する相対的なメリットが高くなるため、これも日本の不動産への投資意欲につながります。
2.安全な投資環境
カントリーリスクや治安という点に加えて日本では自由主義経済が成熟しており、安全な投資環境が期待できます。国土交通省の「平成30年度 海外投資家アンケート調査業務」によると、海外投資家が優れていると評価したのは、日本の不動産市場の規模(76.3%)、安定性(54.1%)、流動性(48.6%)と高い評価が多い傾向です。外国人であっても不動産の所有に規制がなく所有権が恒久的に担保されることも投資の安全性を高めています。
3.実質利回りの高さ
日本の不動産市場だけを見ていると分かりにくいことですが、海外と比べると日本の不動産は実質利回りが総じて高い傾向です。特に海外の投資家から人気の高いオフィス物件では5%程度の利回りが期待できます。周辺国の中国や台湾において同様の物件での利回りが1%台というのが一般的であることを考えると、これらの国々の投資家が利回りの比較で日本での不動産投資に注目をしても不思議ではありません。
1の円安については今後の為替レートが投資家の思惑通りになる保証はありません。しかし2と3については日本での不動産投資に今後も期待できるメリットのため、日本への投資意欲は今後も堅調に推移することを示唆しているといるでしょう。
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