賃貸経営に活用しよう!保険申請における保険代理店の重要性
(画像=Joyseulay/Shutterstock.com)
中林準
中林準
サラリーマンとして経理・財務の仕事をこなしがら、社会人2年目(2011年の時に区分マンション購入から不動産投資を始め、2018年に1棟マンションを購入する。現在は都内に4区分マンション、1棟マンションを所有し、年間グロス家賃収入は約2000万円。過去に中国駐在経験もあり。所有資格は、米国公認会計士、日商簿記1級、CFP、1級FP、宅地建物取引士、管理業務主任者。若手のサラリーマン・OLを中心にした不動産コンサルティングも行っている。

保険は物件購入時に検討して決める人が多い傾向です。また、その際に検討するのは保険代理店ではなく保険の補償内容と費用という人が多いのではないでしょうか。なかには特定の保険代理店がすでに決まっているという人もいるかもしれません。

しかし保険金請求の手続きをしてみたり、保険代理店の切り替えをしたりすると「どこの保険代理店で保険を入会するか」が保険の補償内容や費用と同じぐらい重要なことがわかります。特に1棟を所有している人は保険金請求の機会が比較的多い傾向のため、なおさら重要です。そこで今回は不動産投資における保険代理店の選定の重要性について解説します。

保険金請求に協力的な代理店は少ない

保険金はなかなかもらえないものというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、補償内容に含まれる被害に遭って必要な請求を行えば保険金は下ります。しかし保険金請求に協力的な保険代理店は少ない傾向という一面もあります。なぜなら保険代理店として保険加入者に支払っている保険金の金額が大きくなればなるほど、損害率の数値が上がり保険会社から保険代理店への手数料が減少するからです。

保険代理店は自分たちがもらえる手数料が少なくなるのを避けたいため、「保険金請求を積極的に行いたくない」という実情もあります。その結果、保険金請求に協力的でない保険代理店も出てきてしまうといえるでしょう。ただし台風15号のような甚大な被害を及ぼした災害によって起こった被害の保険金請求は損害率の計算に含まれないなど、保険代理店としての手数料が少なくならないように保険金申請をすることも可能です。

こういった隙間を理解して自分たちの手数料は下げずに、保険金請求に協力的に動いてくれる保険代理店も存在します。もちろん、手数料に関係なく保険金請求に協力的な保険代理店がいることも事実です。そのため保険代理店を選ぶ際に不動産投資家は、このような保険代理店と付き合っていくことが望ましいでしょう。

請求のやり方により保険金認可の判断が変わる

保険金の請求自体はそこまで難しくありません。保険会社の事故受付センターに連絡を行うと自分の住所に保険金請求書が郵送されます。保険金請求書が届いたら請求書に振込先口座情報など必要事項を記載し、被害箇所の写真および被害箇所を修復するための工事見積書を同封して保険会社に送付するだけです。

流れは簡単なのですが「添付する写真」「見積書の記載方法」などは一工夫したほうがよりスムーズに保険金が支払われます。ある保険請求コンサルタントによると、あまり詳細に伝えないほうが良いというのが一般的見解です。保険会社は、被害とは関係ない経年劣化による被害に対しては保険金を支払いません。そのため見積書の内容を詳細にすることによって、本当に災害により被害にあったにもかかわらず、経年劣化として判断され、その部分だけ保険が下りないという可能性もありえるのです。

保険会社が「どのような考えを基にどのような判断をしてくるのか」については、保険金請求をする機会が少ない不動産投資家より、日常的に保険金請求をしている保険代理店のほうが熟知しています。したがって請求書の記載方法や添付写真の選択を間違えるだけで保険が下りない結果になる可能性があるのであれば、保険金請求は保険代理店に相談したり任せたりすることも方法の一つです。

保険会社より保険代理店で選ぶべき

実際に保険請求をしたことがないと保険は保険会社や補償内容が重要だと思い込んでいる人も少なくありません。しかし実務上は保険代理店のサービスの良し悪しやノウハウを十分に調べ、活用することが重要です。もちろん、万事の際、保険金を出し渋るような保険会社は論外ですし補償内容も大切な項目になります。しかしどんなに保険会社や補償内容が充実していても、保険金請求をするとき効果的かつスムーズに保険でカバーできないのであれば結果的に損する可能性も否めません。

契約時に保険金請求について協力的に行う姿勢を見せる保険代理店も多いですが、本当に協力的かどうかは実際に保険金請求をしてみないことには判断が難しくなります。そのため口コミや不動産投資家の仲間がいれば人づてに良い保険代理店を探していく方法がおすすめです。物件購入時に1から探している時間はないと思うので、購入前に信頼できる保険代理店と関係を構築しておくよう心がけましょう。

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