2016年2月、日本銀行がマイナス金利政策を導入して以降、わが国では長期金利が大幅に低下し各種のローン金利も過去最低水準まで下がりました。2017~2018年は一時的に少し上昇したものの、2019年には再び低下、一時の過去最低水準に近いレベルまで下がっています。ローンを利用して不動産投資を行うには、これ以上の環境はないといっていい状態です。
レバレッジ効果で手元資金の何倍もの投資が可能に
不動産投資においては、多くの人が不動産投資用ローンを利用しています。なぜならレバレッジ効果が期待できるからです。レバレッジを日本語に直訳すると「てこ」の意味で「てこの原理のように小さな力で大きなものを動かせるようになる」という意味になります。
その際には、利用するローンの金利の動向が大きく影響してきます。不動産投資は金額が大きくなるだけに、金利の影響は一般の住宅ローンなどに比べて負担が大きくなりがちです。その点、2019年現在、不動産投資を行う格好の機会に恵まれています。
超低金利によってローン負担が大幅に軽減される
いかに金利が影響してくるのか、具体的な数字で確認してみましょう。例えば年利3.0%で5,000万円を借り入れると、返済期間30年の毎月返済額は21万円台です。しかし年利2.5%に下がると19万円台に下がり、金利2.0%なら18万円台まで減少します。金利1%の差が、月額2万6,000円ほどの差になるため、1億円の借入額だとその2倍で、月額5万円以上の差ということです。
ワンルームマンションの1棟買いなら1部屋分の賃料収入ほどの違いになる可能性もあります。不動産投資の収支計算、実質利回りに大きく影響してくることが理解できるのではないでしょうか。
低い金利を利用して返済期間を短縮する方法も
超低金利をうまく活用すれば返済期間を短くすることも期待できるでしょう。例えば5,000万円を金利3.0%で30年返済とした場合の毎月の返済額は約21万円です。しかし金利2.0%になれば負担が軽減される分、25年返済にしても約21万円と金利3.0%の30年返済とほぼ変わらない負担になります。
返済期間を5年短縮できれば総返済額を大幅にカットできますし、早く完済できるという精神的な安心感もメリットです。もともと60歳までかかると思っていたのが、55歳で完済できるとなれば老後の見通しが格段に明るくなるのではないでしょうか。
図表 金利によって返済負担はこんなに違ってくる
設定条件:借入額5,000万円、元利均等返済
金利 | 20年返済 | 25年返済 | 30年返済 |
---|---|---|---|
1.0% | 22万9,947円 | 18万8,436円 | 16万819円 |
1.5% | 24万1,272円 | 19万9,968円 | 17万2,560円 |
2.0% | 25万2,941円 | 21万1,927円 | 18万4,809円 |
2.5% | 26万4,951円 | 22万4,308円 | 19万7,560円 |
3.0% | 27万7,298円 | 23万7,105円 | 21万802円 |
金融機関は優良な物件に融資したがっている
このように超低金利の魅力を享受できる環境といっても「不動産投資への融資環境は厳しくなっているのではないか」と考える人もいるのではないでしょうか。主にアパート経営などを巡って、家賃保証に関するオーナーと工務店・不動産会社などとのトラブルが増加しているため、金融庁では本当に収益性を確保できる物件がどうか慎重に判断して融資するように指導を強化しています。
逆にいえば安定した収益を挙げられる物件であれば融資しても問題はないということです。しかも頻発しているトラブルの多くは大都市部の郊外や地方でのことであり、大都市部の中心部の賃貸マンションなどは入居率が高くトラブルはあまり発生していないといわれています。アパートでも大都市部の人気エリアに特化した大手住宅メーカーの管理物件では入居率97%台(2018年度)を確保しているようです。
マンションでも都心部やその周辺では高い入居率を確保しており、そうした物件には金融機関も積極的に融資を行っているのです。投資用マンションの開発や仲介実績の豊富な会社、また安定した収益を確保できる物件を見つけて超低金利をうまく活用した効果的な不動産投資を行うチャンスが到来しているといえます。
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