当記事では不動産クラウドファンディングを活用した資産運用の際に参考としていただけるよう、投資家のニーズ別に、それぞれに適したファンドの特性を解説します。
また、投資家の各ニーズごとに適したサービスを一覧で比較検討いただけます。
目次
- ■安定性の高さを重視する人におすすめのファンド
- ① GALA FUNDING:東証プライム上場企業が運営
- ② KORYO Funding:東証スタンダード上場企業運営/配当高め
- ③ Rimple:元東証プライム上場企業が運営/ポイント交換有
- ■配当利回りの高さを重視したい方にお勧めのファンド
- ① トモタク:インカム型でも高配当 / 先着式で投資可能
- ② SHIODOME Funding:驚異の5連続配当利回り10%
- ③ victory fund:配当利回り8~10%のファンド組成を継続中
- ④ VERFUND:首都圏マンションが対象で、劣後出資比率も高い
- ■抽選に外れ、投資できないことにお悩みの方におすすめのファンド
- ① ASSECLI:先着式 / 運営会社は不動産取引実績1,000件以上
- ② ちょこっと不動産:先着式 / 脅威の劣後出資比率50%も
- ③ 不動産BANK:先着式 / 一棟アパートリノベーション事業のプロに投資
- ■複数の事業者に分散投資したい方におすすめのファンド
- ① COZUCHI:累計調達額No.1 / 開発型からインカム型、中長期運用型まで多様な投資機会
- ② えんfunding:福岡市への分散投資が可能
- ③ DARWIN funding:一棟レジデンス開発への投資も可能
- まとめ/編集部コメント
■安定性の高さを重視する人におすすめのファンド
安定志向の投資家の他、株や投資信託、REIT等との分散投資先として不動産クラウドファンディングを検討されている方などにお勧めしたい、「安定性重視」のファンドを見極めるポイントをご紹介します。
不動産の特性として、災害などにより大規模修繕費用が必要になるなどのリスクはゼロではありませんが、以下のポイントを押さえれば、安定性の高いファンド選びにつながります。
ポイント1:対象不動産の特性 (インカム型 / 対象物件が好立地)
安定性重視の場合は、既に賃料収入を得ている不動産からのインカム収入を原資に配当を行う、インカム型ファンドがお勧めです。
これは、プロ投資家の世界では「コア型」ファンドと呼ばれ、開発等を伴うファンド(「バリューアッド型」や「オポチュニスティック型」)と比して、リスクが低い分、配当利回りも低いという特性があります。
例えば公的年金積立金の管理、運用を行っているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、投資対象を「コア型」に限定しており、安定性を重視する方には適したファンドタイプです。
安定的なインカム収入(賃料)が得られていることに加えて、更に、対象不動産の資産価値が安定している都心部や駅近の築浅物件の場合には、売却時の損失発生リスクが低くなります。
多くの不動産クラウドファンディングが、期限を定めて配当・償還を実施する形態をとっていますので、売却時に大きな損失が出ない(または利益が出る)物件であることも重要です。
参考:GPIFのオルタナティブ資産運用の考え方(外部リンク)
ポイント2:劣後出資比率の高さ (10%より高いほどよい)
個人投資家のリスクを抑制する「優先劣後構造」となっているファンドは多いですが、劣後出資比率は、事業者ごとにかなりばらつきがあります。
ファンド提供事業者の立場では、劣後出資比率を低く設定すれば、自身の出資額を抑制しながら、ファンドが生んだ余剰利益を自社で得ることができるため、事業者の損得だけで言えば、劣後出資比率を抑制する方が明らかにメリットがあります。
その中で、あえて劣後出資比率を高く設定している事業者は、「個人投資家のリスクを抑制する」ことにこだわった事業者だととらえてよいでしょう。
ポイント3:運営企業の経営、財務的安定性 (上場企業 / 社歴の長さ)
不動産特定共同事業法(不特法)に基づき提供されている不動産クラウドファンディングの多くは、いわゆる「倒産隔離」がされていない(※)ため、ファンド運営事業者が万一倒産した場合に配当や元本への影響を受けます。
そのため、特定の事業者に集中して投資せず複数の事業者のファンドに分散投資することが重要ですが、投資先事業者の経営や財務的な健全性をチェックすることで、倒産リスクを抑制することができます。
この点の見極めは、正直、不動産業界で働いていたり、不動産会社の株式投資をしているような方を除くと非常に難しいと思いますが、いくつかチェック方法をご紹介します。
・上場企業
上場審査を経ている他、決算についても公認会計士監査も義務付けられています。
上場企業の財務状況等が悪化すると、決算時に「継続企業の前提に関する注記」が付与されますので、チェックするとより安心でしょう。
・社歴の長い企業
不動産市況は、マクロ経済環境が悪化した場合に大きく変動します。
社歴が長い企業は、そういった環境変化を乗り越えてきていますし、業界内に多様なネットワークを構築している分、課題への対応力に期待を持てるのではないでしょうか。
※いわゆる第三号事業者(特例事業者)、第四号事業者スキームで提供されるファンドでは、倒産隔離機能が働いています。
安定性重視で投資を検討される際には、これらのポイントを参考に各ファンドの情報をご確認いただければ幸いです。
① GALA FUNDING:東証プライム上場企業が運営
安定性の高さを見極める3つのポイントをご紹介しましたが、これら全てのポイントでの強みを持つ、安定性重視のファンドを提供しているのが、GALA FUNDINGです。
配当利回りは他の不動産クラウドファンディングと比べると高くはありませんが、リスクとのバランスを考慮すれば、安定性重視の投資先を求める場合に、非常に魅力的なファンドではないでしょうか。
今のところ、ファンド組成頻度が月1ファンド未満のペースと、投資タイミングが限られるものの、投資対象情報や収支シミュレーションも詳細に開示されていますので、今のうちにファンドを確認し、ファンド募集開始前に会員登録を検討してみてはいかがでしょうか。
主な配当利回り | 3%~4%弱程度 (5%の事例も有り) |
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主な配当原資 | インカム収入(賃料収入) |
主な投資対象不動産 | 都心部の駅近/築浅のマンション中心 |
劣後出資比率 | 30% |
運営事業者/属性 | 株式会社FJネクストホールディングス(東証プライム市場上場) |
募集方式 | 抽選式 |
関連記事:『【不動産クラファンサービス情報】GALA FUNDINGのご紹介』記事へ
② KORYO Funding:東証スタンダード上場企業運営/配当高め
こちらも同じく、安定性の高さを見極める3つのポイント全てのポイントでの強みを持つ、安定性重視のファンドを提供している、KORYO Fundingです。
築5年~20年まで程度のマンション・アパートが中心と、物件の築年数にばらつきはありますが、社歴40年を超える不動産会社が選定、運営した物件に投資可能できます。
劣後出資比率も30%から、高いものでは40%のファンドもあり、この安定性を踏まえれば、配当利回り4.5%は「高めの配当」と見てもよいのではないでしょうか。
主な配当利回り | 4.5%程度 |
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主な配当原資 | インカム収入(賃料収入) |
主な投資対象不動産 | 一棟マンション・アパート / 区分マンション |
劣後出資比率 | 30%-40% |
運営事業者/属性 | 香陵住販株式会社(東証スタンダード市場上場) |
募集方式 | 抽選式 |
③ Rimple:元東証プライム上場企業が運営/ポイント交換有
こちらも同じく、安定性の高さを見極める3つのポイント全てのポイントでの強みを持つ、安定性重視のファンドを提供している、Rimpleです。
配当利回りは他の不動産クラウドファンディングと比べると高くはありませんが、リスクとのバランスを考慮すれば、安定性重視の投資先を求める場合に、非常に魅力的なファンドではないでしょうか。
加えて、セゾンポイントなど、提携企業のポイントと交換できるという特徴がありますので、提携するポイントを持っている方には、さらにメリットの大きいファンドです。
なお、運営企業であるプロパティエージェント株式会社は、過去には東証プライム市場に上場していた企業ですが、2023年9月28日に、持ち株会社制への移行のため上場廃止となっています。
主な配当利回り | 2.6%~4%弱程度 (5%の事例も有り) |
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主な配当原資 | インカム収入(賃料収入) |
主な投資対象不動産 | 都心部の駅近/築浅のマンション中心 |
劣後出資比率 | 30% |
運営事業者/属性 | プロパティエージェント株式会社(2004年2月6日設立) |
募集方式 | 抽選式 |
関連記事:『【不動産クラファンサービス情報】Rimpleのご紹介』記事へ
■配当利回りの高さを重視したい方にお勧めのファンド
不動産特定共同事業法(不特法)に基づき提供されている不動産クラウドファンディングの魅力のひとつとして、「配当利回りが高いファンドが多い」ことがあげられるでしょう。
低金利環境が続く中ですから、配当利回り4%~10%を超えるようなファンドが提供されている不動産クラウドファンディングでは、抽選倍率が10倍を超えるような人気を集めるケースもあります。
ところで、プロが購入する不動産の純収益率は、首都圏のマンションで3%代程度となっています。それでは、それよりも高い配当利回りの不動産クラウドファンディングは、どのような仕組みで配当を実現しているのでしょうか?
仕組みを理解することで、リスクとリターンの関係を把握し、より納得して投資を検討いただけるのでは、と思います。
全てのケースは網羅できませんが、代表的なパターンをご紹介します。
開発型 |
建物の建設や、既存物件のバリューアップ(リノベーション)等を行うことで、賃料アップや売却益の確保を狙う不動産開発事業に対する投資を行うタイプ。 入居者の退去調整や建築工事などが計画通り進まない、などの多様なリスクを投資家が分担することで、事業収益の分配を得るモデルです。 開発を行う事業者の開発実績や得意分野、案件個々の開発リスク等をよく確認の上で、投資を検討する必要があります。 |
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レバレッジ型 |
対象不動産に銀行等からの融資を受けることで、レバレッジを効かせることで投資家への配当を確保するタイプ。 例えば、全体の収益率が4%の案件において、資金全体の50%を銀行から年利2%で調達できれば、残り50%の資金を負担する出資者には、6%の配当が可能になります。 銀行は投資家より優先的に資金回収を行う他、長期間の案件では金利上昇により案件収支を悪化させる可能性もあります。 投資家が相応のリスクを負担する分、高い配当を得られる構造のため、融資の比率(いわゆるLTV)や、資金全体における劣後出資者の出資比率の確認が必要です。 |
上記以外にも、ファンド提供事業者が自社の広告効果を狙うケースや、不動産投資家会員との接点確保を狙うケースなどでは、投資家への配当を高めに設定するケースも存在するでしょう。
配当利回りの高いファンドが全て上記に該当するわけではありませんが、投資前に、各ファンドがどのように配当原資を確保しているのか、確認してみることをお勧めします。
① トモタク:インカム型でも高配当 / 先着式で投資可能
地方の中古マンションの賃料を配当原資としたインカム型ファンドから、別荘やマンション用地の開発など、多様なファンドを提供するトモタク。
トモタクの特徴としては、開発型と比して配当利回りが低いことが多いインカム型ファンドも含めて、概ね6%~8%の高配当を実現している点があげられます。
劣後出資比率も、「全て10%」とすることを公式サイト上に明記(2023.8時点)しています。
10%という劣後出資比率自体は、他事業者と比べて高い、という訳ではないですが、10%を切るファンドも存在する中で、ポリシーを社外に宣言していることは、誠実な企業姿勢の表れでは、と感じます。
配当利回りが高いファンドは「抽選式」で、なかなか投資できないファンドも多い中、「先着式」で投資できる上、月に1~2本など、かなりの頻度で新規ファンドが組成される点は、投資家にとっては非常に魅力的ではないでしょうか。
主な配当利回り | 6%-8%程度 |
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主な配当原資 | インカムゲイン / キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 |
区分マンションの運営管理 / リノベーション マンション用地開発、別荘建築等 |
劣後出資比率 | 全て10% |
運営事業者/属性 | 株式会社イーダブルジー(2009年8月設立) |
募集方式 | 先着式 |
関連記事:『【不動産クラファンサービス情報】トモタクのご紹介』記事へ
② SHIODOME Funding:驚異の5連続配当利回り10%
2023年3月募集の1号ファンドから5号ファンドまで、5連続で配当利回りが10%というファンドを提供したのが、SHIODME Fundingです。
6号ファンド(2023年8月21日募集開始)では配当利回り6%となっていますが、比較的高い配当のファンドを継続的に提供されていますので、配当利回りの高さを重視する投資家は、注目してみてください。
事業モデルとしては、中古の区分マンションや戸建住宅をバリューアップする他、マンション等の開発用地を開発する(退去調整や建物の取り壊しなどを通じて、開発ができる状態とする)ことで、キャピタルゲイン(売却益)を得るタイプが中心となっています。
これまでのファンドでは、劣後出資比率が11-20%と比較的高く、当該比率までは事業者が損失リスクを負担していることでリスクを抑制されていますが、対象物件やエリア、事業者の開発実績などを確認の上で、投資を検討してください。
主な配当利回り | 6%-10%程度 |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 |
区分マンション、戸建住宅のリノベーション売却 マンション用地開発 |
劣後出資比率 | 11-20%程度 |
運営事業者/属性 | 汐留プロパティ株式会社(2017年4月24日設立) |
募集方式 | 抽選式 |
関連記事:『【不動産クラファンサービス情報】汐留fundingのご紹介』記事へ
③ victory fund:配当利回り8~10%のファンド組成を継続中
不動産クラウドファンディングでは、各事業者が個々に投資家を会員として募集する形態が多いため、多くのファンドでは、初期のファンドでは高配当のファンドを組成するものの、会員数が増加すると、じょじょに配当利回りを低下させていく傾向があります。
victory fundは、ファンド募集開始から2年以上を経過した今も、配当利回り8%~10%のファンドを提供していますので、配当利回りを重視する投資家にとっては、魅力的ではないでしょうか。
なお、配当利回りが高い分、比較的難易度の高い開発案件を扱うものや、劣後出資比率が低いファンドもありますので、投資前に、ファンドの収支構造や劣後出資比率、リスクを確認の上で、投資判断をお願いします。
主な配当利回り | 8%-10% |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 | 多様な不動産開発案件を手掛ける |
劣後出資比率 | 3.3%-10%程度 |
運営事業者/属性 | カチデベロップメント株式会社(1997年7月7日) |
募集方式 | 先着式 |
④ VERFUND:首都圏マンションが対象で、劣後出資比率も高い
タレントの松岡 昌宏さんが出演するTVCMでも注目を集めた、株式会社ベルテックスが運営する不動産クラウドファンディングが、VERFUNDです。
提供されているファンドも、安定性の高さと配当利回りのバランスの良さが魅力的なファンドです。
対象不動産は首都圏マンション、劣後出資比率も高めの30%として投資家のリスクを抑制しながら、配当利回りが5.5%-7%程度と高めの設定となっています。
築浅・居住中の賃貸物件から投資家にこの配当利回りを配分して、事業者側の利益が残るのか、と少し心配になりますが、投資家にとっては好条件のファンドではないでしょうか。
主な配当利回り | 5.5%-7%程度 |
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主な配当原資 | インカムゲイン |
主な投資対象不動産 | 首都圏区分マンション |
劣後出資比率 | 30%程度 |
運営事業者/属性 | 株式会社ベルテックス(2010年12月7日設立) |
募集方式 | 抽選式 |
■抽選に外れ、投資できないことにお悩みの方におすすめのファンド
不動産クラウドファンディングは、株や投資信託、REIT等のように値動きリスクがなく、比較的高い配当利回りが期待できる魅力があるため、抽選式のファンドでは、当選倍率が高く、なかなか投資ができないという課題があります。
特に、配当利回りが高いファンドには投資希望が集中しますので、配当利回りの特に高いファンドだけに固執せず、各ファンドの特徴を理解し、投資機会を探るとよいのではないでしょうか。
ここでは、先着順=早いもの勝ちで投資が可能なファンドをご紹介します。
① ASSECLI:先着式 / 運営会社は不動産取引実績1,000件以上
一棟マンションやアパートを中心に、1,000件以上の取引実績を持つ不動産事業者が運営するASSECLI。
豊富な不動産開発や取引実績を活かし、例えば、一棟マンションのうち、社員寮となっていた約半数の部屋をリニューアルすることで、賃料や収益力をアップし売却益を得ることで、6%程度の配当利回りを実現するようなファンドを提供しています。
劣後出資比率が5%程度と、他事業者に比べて低いファンドが提供されている点には注意が必要ですが、収益マンションでは重要となる駅からの距離や周辺エリアのマーケット情報を丁寧に発信されています。
投資対象物件の詳細情報を確認し、納得した上で投資しやすいことは、ASSECLIの魅力です。
先着順での投資募集となるため、事前にファンドや物件情報を確認しておけば、投資機会を得やすいのではないでしょうか。
主な配当利回り | 6%代が中心 |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン / インカムゲイン |
主な投資対象不動産 | 一棟マンション、アパート等のリノベーション(バリューアップ売却) |
劣後出資比率 | 5%程度 |
運営事業者/属性 | 株式会社エボルゾーン(2011年6月設立) |
募集方式 | 先着式 |
関連記事:『【不動産クラファンサービス情報】ASSECLIの紹介記事』へ
② ちょこっと不動産:先着式 / 脅威の劣後出資比率50%も
戸建住宅の開発を行う、「キャピタル型ファンド」を中心に展開する、ちょこっと不動産。
ここ最近の配当利回りは3.9%程度と不動産クラウドファンディングの中で特に高いわけではないですが、劣後出資比率が40%-50%と非常に高くなっており、損失が生じた場合のリスクを不動産事業者が大きく負担する仕組みとなっていることです。
戸建住宅ということで、多くの個人投資家にとっても身近でわかりやすいと思いますが、劣後出資比率が50%のファンドであれば、予定売却価格から50%の値引き販売を強いられるような状態になったとしても、個人投資家の元本が守られるファンド構造となります。
販売価格低下や売却が遅れるリスクの他、建築コストが増加するなどのリスクは想定する必要があるものの、戸建住宅のため、一般の投資家にも資産価値や販売リスクがわかりやすく、リスクにも納得して投資しやすいファンドではないでしょうか。
納得できる案件が見つかれば、4%程度の配当利回りが得られる点に魅力を感じる方も多いのではないでしょうか?
主な配当利回り | 3.9%-4%程度 |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 | 戸建住宅の分譲 |
劣後出資比率 | 40%-50%程度 |
運営事業者/属性 | 株式会社良栄(1991年2月18日設立) |
募集方式 | 先着式 |
③ 不動産BANK:先着式 / 一棟アパートリノベーション事業のプロに投資
不動産BANKは、一棟アパートをリノベーションすることで、賃料や不動産売却価格を向上させることで、投資家に配当を分配します。
配当利回りは、各ファンドごとに異なることが一般的ですが、不動産BANKでは、配当利回り6%以上とすることを公式サイト上に明記していることが特長です。
継続的に、安定した利回りを期待できる点は、他のサービスにはない魅力です。
劣後出資比率は7-10%程度となっており、10%を割り込む案件については、キャピタルゲイン型のファンドとしては若干低い印象です。
運営事業者はアパートリノベーション実績が豊富な事業者ですので、劣後出資比率に加えて、対象不動産情報や、運営事業者の実績等も確認の上で、投資判断をお願いします。
主な配当利回り | 6% |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 | 一棟アパートのリノベーション(バリューアップ) |
主な劣後出資比率 | 7-10% |
ファンド運営事業者/属性 | 株式会社ファミリーコーポレーション(2011年4月) |
募集方式 | 先着式 |
■複数の事業者に分散投資したい方におすすめのファンド
不動産特定共同事業法(不特法)に基づき提供されている不動産クラウドファンディングの多くでは、「倒産隔離」がされない仕組みとなっています。
特定の事業者のファンド1社にだけ集中投資すると、万が一その事業者が倒産した場合に、全ての投資資金が棄損する危険性があります。
これは不動産に限らないことですが、投資リスクを抑制する上では、分散投資が重要ですので、多様な事業者に会員登録を実施し、投資機会を探ってはいかがでしょうか。
分散投資の観点では、せっかく投資先事業者を分散するのですから、「投資対象エリアの分散」や、「物件タイプの分散」なども意味があります。
同じ住居系でも、都心部の駅近マンションと、地方部の戸建てではマーケットが異なりますし、住居系とオフィス系や商業系でも当然異なります。
なお、リスク分散という観点では、投資先不動産事業者を分散する他、株や投資信託、REIT、債券などへの分散投資ももちろん非常に重要です。(当然ですが)
① COZUCHI:累計調達額No.1 / 開発型からインカム型、中長期運用型まで多様な投資機会
COZUCHIは不動産クラウドファンディング業界において、「累計調達額No.1」をうたっています(2023.8時点)が、無事に運用を終えて投資家への配当を実施したファンド数についても、業界有数の実績を持っています
COZUCHIのファンドでは、「インカムゲインによる配当●%」、「キャピタルゲインによる配当●%」と、配当原資の内訳を明記されており、個々のファンドを見るとわかるのですが、インカム型、キャピタル型(開発型)など、多様なタイプのファンドが提供されています。
サービスの立ち上げ時期に比べると、高い配当利回りのファンドは少なくなりましたが、ファンドの組成頻度や募集金額も大きく、投資チャンスが多く得られますので、抽選式ではあるものの、有力な投資先のひとつとなるのではないでしょうか。
なお、COZUCHIというサービス自体は株式会社LAETOLIが運営していますが、株式会社LAETOLIは、事業者と一般投資家間の契約の媒介・代理を行う形態となっており、ファンドの運営を行う事業者(実際の出資先)は、株式会社TRIADとなっています。(2023.8時点のファンド調査結果)
主な配当利回り | 4%代~9%程度 |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン / インカムゲイン |
主な投資対象不動産 | 多様な不動産開発案件を手掛ける |
主な劣後出資比率 | 5%~10%程度 |
ファンド運営事業者/属性 |
株式会社TRIAD(2011年9月15日設立) ※COZUCHIの運営自体はLAETOLI株式会社 |
募集方式 | 抽選式 |
② えんfunding:福岡市への分散投資が可能
不動産における「分散投資」に際して、エリア分散も推奨される考え方のひとつです。
住居系不動産では、将来の人口減少が見込まれるエリアでは相場下落リスクを考慮する必要があり、安定性の高い首都圏の物件を対象としたファンドの人気が高いのですが、特定エリアに投資先を集中すると、万が一の災害時等の損失リスクが高まります。
福岡市は九州地方の中核都市として、周辺エリアからの人口流入が多く、注目を集めるエリアのひとつです。
福岡市の不動産を対象としたファンドを提供するえんfundingは、分散投資先の候補として、魅力的なのではないでしょうか。
主な配当利回り | 3.1%~4%代 |
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主な配当原資 | インカムゲイン |
主な投資対象不動産 | 福岡市を中心とした区分マンション |
主な劣後出資比率 | 20% |
ファンド運営事業者/属性 | 株式会社えんホールディングス(1989年11月) |
募集方式 | 抽選式 |
関連記事:『【不動産クラファンサービス情報】えんfundingのご紹介』記事へ
③ DARWIN funding:一棟レジデンス開発への投資も可能
DARWIN fundingでは、過去には区分マンションを対象としたファンドも提供していますが、特長的なものは、「新築の一棟レジデンス(マンションやアパート)開発」への投資でしょう。
開発型で配当利回りが5.5%程度と、不動産クラウドファンディングの中では配当利回りが決して高いとは言えませんが、劣後出資比率を比較的高く設定し安定性を高めています。その上で、自身が不動産開発事業に出資することで、新築マンションが完成するという体験が得られるのは、このファンドの魅力のひとつではないでしょうか。
主な配当利回り | 4.4%~5.5% |
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主な配当原資 | キャピタルゲイン |
主な投資対象不動産 | 一棟レジデンスの開発 |
主な劣後出資比率 | 20% |
ファンド運営事業者/属性 | ダーウィンアセットパートナーズ株式会社(2009年9月18日) |
募集方式 | 抽選式 |
まとめ/編集部コメント
本記事では、投資ニーズ別に、おすすめしたい不動産クラウドファンディングサービスの特徴やデメリット、最新動向などを徹底解説していきます。
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