長期×短期最強の組み合わせ投資
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(本記事は、山下 勁氏・福井 元明氏の著書『長期×短期最強の組み合わせ投資』の中から一部を抜粋・編集しています)

赤字続きの会社でも利益が出せれば「いい会社」

テクニカルとファンダメンタルズを比べると、投資のターゲットを選ぶポイントが異なることを理解してもらえたと思います。

「ボク=テクニカル」の銘柄選択のポイントは──

●東証一部上場銘柄で、時価総額3000億円から5000億円以上の中・大型株
●日々の出来高が200万株以上の企業
●インターネットやニュースで話題になっている銘柄はトレードの対象にはしない

そして、「福井さん=ファンダメンタルズ」の銘柄選択のポイントは──

●トレンド、人口動態、ニュースなどの情報に敏感になり世の中の先を読む
●経営者の考え方を知って投資を判断する

ということです。

この章の冒頭で「いい会社」の定義と言いましたが、今挙げた銘柄選択のポイントを満たす企業が、「投資するのに“いい会社”」と言えます。

もう少し、テクニカルとファンダメンタルズのトレードに対する考え方の違いを話しておきましょう。

ファンダメンタルズ分析で、将来的に伸びていく「いい会社」があったとします。当然、トレードでは買いでエントリーします。

しかし、株価は上げ下げを繰り返します。

下がったときでも、ファンダメンタルズでは「いい会社」の条件が崩れていなければ買い増しをするか、保有を続けます。

ところが、テクニカルでは、ここでトレンドが下落に転換したと予測したら、手じまいをするか、売りを入れていきます。

また、ファンダメンタルズ投資では、「いい会社」と判断できるポイントがひとつか2つしかない銘柄では買う対象にはなりにくく、買いエントリーすることはほとんどないでしょう。

〇赤字続きでも、テクニカルでは「いい会社」

ところが、成長性がなく、赤字が続く会社でも、上場廃止にでもならなければ、株価が下がり続けてもゼロになることはなく、どこかで上昇に転じる動きを見せるはずです。

その動きをとらえて売買するのが、テクニカル投資です。

ファンダメンタルズでは買えない銘柄でも、テクニカルでは買って利益を出すことができます。するとファンダメンタルズでは「いい会社」ではなくても、テクニカルでは「いい会社」になるのです。

たとえ赤字続きの会社でも、ボクの考え方ではトレードで利益を出せれば、それは「いい会社」です。

第3章からは、ボクの投資メソッドを紹介していきますが、エントリーだけでなく手じまいのタイミングも重視して解説します。

どこで「売買を発注=エントリー」すればいいか、そのタイミングを判断するのも難しいと思いますが、それより、どこで「利益を確定して決済=手じまい」するかのほうが悩ましいと感じている人が多いのではないでしょうか?

第3章では根拠のあるエントリーと同様、根拠のある利益確定について理解を深めてほしいと思います。

長期×短期最強の組み合わせ投資
●山下 勁(やました・けい)
◎株式トレーダー
◎1986年神奈川県生まれ。大学在学中の20歳のときに、株式投資を始める。初めての株式投資で、原資の50万円を600万円に増やすビギナーズラックを経験。ちょうどその頃、20歳からの2年間、束縛の強い彼女に軟禁されながら、「再現性のある儲かる株式投資」を追究。23歳で1200万円の原資を3200万円に増やし、25歳のときには、独自のテクニカル投資を完成させる。2019年の株式投資による利益は1億円超。
◎現在は「副業アカデミー」で株式投資の講師を務めるかたわら、主夫として家事・育児に尽力中。趣味は「ポケモンGO」。
◎著者に『中華屋アルバイトのけいくんが年収1億円を稼ぐ1日1分投資』『見習いカメラマンのけいくんが年収1億円を稼ぐ 月3分投資』(小社刊)などがある。
●福井 元明(ふくい・もとあき)
◎株式会社Wells Partners(ウェルズ・パートナーズ) 代表取締役CEO、独立系プライベートバンカー
◎1985年鳥取県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、みずほ銀行に入行。在籍期間中に、数々の社内表彰を受賞するとともに、税理士法人やプライベート・バンキング業務を行うスイス現地法人への出向を経験し、国内外の幅広い金融商品や金融知識に精通。富裕層および国内外のファミリーオフィス、事業法人向けの資産運用、助言、融資業務などを行う。
◎2019年、真に顧客志向の金融サービスを提供するために独立起業し、現職に就く。総資産数百億から数千億円規模の顧客(上場企業の創業家、芸能人、スポーツ選手、政治家など)の資産運用・資産保全に従事する。

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