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2019.8.14

ウォーカブルアーバニズム(walkable urbanism)、 ウォーカブルシティ(walkable city)とは?意味や考え方を徹底解説

(画像=IR Stone/Shutterstock.com)
(画像=IR Stone/Shutterstock.com)
アメリカの都市開発で、今や主流の考え方「ウォーカブルアーバニズム」「ウォーカブルシティ」という言葉をご存じでしょうか。まだ日本ではあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、今後、徐々に浸透してくるかもしれません。ウォーカブルアーバニズム、ウォーカブルシティの意味や、考え方について、解説していきます。

ウォーカブルアーバニズム、ウォーカブルシティとは何を意味するか?

まず「ウォーカブルアーバニズム」「ウォーカブルシティ」とは、そもそもどういった意味の言葉なのでしょうか。ウォーカブル(walkable:歩くことができる)アーバニズム(urbanism:都市)という言葉通り、ウォーカブルアーバニズム、ウォーカブルシティは、歩行者を中心とする都市設計の考え方、およびそのコンセプトに従って設計された都市という意味になります。

これまでアメリカにおいて都市計画というのは、自動車での移動をベースとして設計されてきました。そのため「中心地区を中心に、そこから放射状に郊外が開発され住民は郊外から中心部へ通う」ということが一般的だったのです。しかし現代では「中心部の歩ける範囲で都市を完結させよう」という考え方になります。

なぜウォーカブルシティが注目されているの?メリットは?

なぜウォーカブルシティが注目されているのでしょうか。一番は投資効率の良さにあります。アメリカでの調査によると、都市の中で、Walkupと呼ばれる、歩きやすい場所として分類されている土地は、地下鉄エリアの平均値より、約75%高い賃料になっていることが分かっています。2010年にはその差が19%だったことから、Walkupエリアの土地の価値というのは、上がっているといえるでしょう。

また、空室率も低く抑えられており、都市として、投資効率が非常に高くなっているといえるでしょう。自動車社会に比べて、二酸化炭素の排出も少なくなるなど、環境的なメリットもあります。確かに賃料は高いものの、住む人は近くで働くことができるため、ある程度賃料の高さは相殺できる、といわれています。

ウォーカブルシティは日本でも流行る?

日本においても、今後ウォーカブルシティが注目を浴びる可能性は高そうです。その理由の一つとして人口問題があります。日本の人口は2014年12月をピークに減少に転じており、今後現在の規模では存在できなくなる自治体が多く生まれるといわれているのです。そのため、今後都市を持続させていくために中心部に機能を集中させる「コンパクトシティの形成」が求められており、また国もそれを後押ししています。

コンパクトシティとウォーカブルシティは、共通している部分も多い傾向です。そのため日本でもウォーカブルアーバニズムという考え方が出てくる可能性はおおいにあるといえるでしょう。

ウォーカブルシティの成功例、ポートランド

アメリカにおいてウォーカブルシティの成功例といえば、ポートランドでしょう。ポートランドもかつては渋滞や大気汚染に悩まされていました。しかしこの問題を解決するため、都市区域をあえて制限し、区域内に機能を集中させることで、職住近接が実現され、住民の満足度も高くなり、今では、最も住んでみたい街、サステイブルな街と形容されるまでになりました。

今後は、このポートランドを事例としながら同じようにウォーカブルな街が増えてくるかもしれません。

ウォーカブルアーバニズム、ウォーカブルシティに関するまとめ

「ウォーカブルアーバニズム」「ウォーカブルシティ」は、自動車中心から歩行者中心へと都市の設計方法が変わることを意味しています。人が中心になることで都市の効率が良くなり、人が集まりやすくなることが研究で明らかになっているのです。人口が減少し高齢者が増えていく日本でもウォーカブルシティという考え方は、新しい都市を考えるうえで重要なキーワードになってくるでしょう。

不動産を持ったり借りたりする際は、こういった都市構造の変化にも注目してみてはいかがでしょうか。
 

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