今後の市場金利と不動産融資
(画像=studiopure/Shutterstock.com)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減少している入居者から、「家賃の支払いを猶予してほしい」と言われたら、オーナーはどう対応しますか? まずは、公的な支援策の利用について、お伝えしてみてはどうでしょうか。

家賃を支援する公的制度はいろいろある

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済的に困窮し、大家さんに対して家賃の猶予をお願いする入居者が増えているようです。

すぐに猶予に応じる大家さんもいるかもしれませんが、余裕のある大家さんばかりではありません。ローンを組んで物件を買っていれば、毎月の返済は必ず発生しますし、修繕費などの経費もかかります。家賃収入が途絶えてしまえば、大家さん自体が経済的ピンチに陥ることになります。

家賃支払いの猶予を受け入れる前に、まずは公的支援制度の利用を入居者さんに提案してみてはいかがでしょうか。さまざまな公的制度を駆使すれば、しばらくは家賃の支払い負担が軽減されるはずです。具体的に利用できる制度を、以下に挙げてみました。

職を失った人に家賃相当額が支援される「住居確保給付金」

「住居確保給付金」とは、離職などによってお金に困り、住む場所を失うことになりそうな人に対して、賃貸住宅の家賃を支援する制度です。

支給額の上限は、自治体によって異なります。厚生労働省の「住居確保給付金について」によると、東京都1級地の場合、単身世帯は5万3,700円、2人世帯は6万4,000円です。支給期間は原則3ヵ月ですが、就職活動を行っていれば最長9ヵ月まで延長されます。支給を受けるための主な要件は、以下のとおりです。

・「離職・廃業した人」または「休業等に伴う収入減少により、離職・廃業と同等の状況の人」
・ハローワークに求職の申し込みをしていること
・世帯収入合計額が基準以下であること
・申請時の資産の合計額が基準を超えないこと
・ハローワークでの月2回以上の職業相談、自治体での月4回以上の面接支援を受けること など

家賃の心配をすることなく、仕事探しができる制度です。申し込みは、市区町村の相談窓口で行います。
※支給を受けるための要件、支給額など詳しいことは、市区町村にお問い合わせください。

低所得者、高齢者、障害者の生活を支える「緊急小口資金・総合支援資金」

新型コロナウイルス感染症の影響で休業・失業し、経済的に困窮している世帯を対象にした貸付制度です。主に休業している人に対する「緊急小口資金」と、主に失業した人に対する「総合支援資金」があります。いずれも利子・保証人は不要で、場合によっては両方の資金を借りることもできます。

緊急小口資金20万円に加え、総合支援資金で月20万円を3ヵ月分、合計80万円を無利子・無保証人で借りることができます。返済する必要がありますが、1年の据え置き期間があります。当面の生活を立て直すにあたっては、大いに役立つはずです。申し込みは、各市区町村の社会福祉協議会で行います。

緊急小口資金

主に、休業により生活の維持が困難になった場合の「緊急小口資金」については、以下のとおりです。

・対象者:新型コロナウイルスの影響で収入の減少があり、緊急の資金を要する世帯
・貸付上限額:20万円以内
・返済期間:2年(据え置き期間1年)
・利子:0%
・保証人:不要

総合支援資金

主に、失業した方が生活を再建する場合の「総合支援資金」については、以下のとおりです。

・対象者:新型コロナウイルスの影響で収入の減少があった世帯
・貸付上限額:2人以上世帯は月20万円以内、単身世帯は月15万円以内(それぞれ×3ヵ月が上限)
・返済期間:10年(据え置き期間1年)
・利子:0%
・保証人:不要

公共料金や税金の支払い延長

支払いを待ってもらえる制度もあります。緊急時は、これらの制度も積極的に利用するべきでしょう。

・所得税、消費税など→1年間の納税猶予
・国民健康保険料→6ヵ月~1年の猶予
・国民年金保険料→4分の1~全額免除
・電気、ガス、電話、上下水道料金など→各社・自治体による

いざとなったら「生活保護」

さまざまな制度を活用しても経済的に苦しい場合は、生活保護の申請も検討するべきでしょう。生活保護で支給される保護費のなかには「住宅扶助」があり、上限額はありますが家賃の支払いに充てることができます。

家賃保証会社にも相談を

このほかにも支援制度が用意されている可能性があるので、まずは自治体の窓口に相談することをおすすめしてください。

また、入居者から家賃の支払いに困っているとの相談を受けたら、家賃保証会社への連絡も忘れないようにしましょう。実際に支払いが滞った家賃を保証してもらうためには、家賃保証会社に早めに連絡する必要があるからです。家賃保証会社側で、入居者に対して就職相談や公的支援制度の案内などを行っていることもあります。

管理会社、家賃保証会社、オーナーが協力して入居者をサポートし、この難局を乗り切りましょう。

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