読売新聞グループ本社は2020年11月、年間入園者数150万人を超える人気のテーマパーク等を経営する株式会社よみうりランドに対して、TOB(株式公開買い付け)を行うことを発表しました。よみうりランド側もTOBに賛同しており、読売新聞はよみうりランドの完全子会社化を目指す方針です。
買収総額は389億円。コロナ禍で業績悪化のレジャー事業を強化
読売新聞グループ本社は、グループ傘下の「株式会社よみうりランド」にTOBを実施して完全子会社化すると11月6日に発表しました。買い付けの期間は11月9日から12月21日まで、1株6,050円で買収総額は最大389億円となります。
TOBが成立した後、よみうりランドは東京証券取引所1部上場が廃止される見通しです。経営体制や社名の変更は予定しておらず、社員の雇用を維持して事業を継続するとのことです。
TOB後は株主優待を廃止
TOB成立後は株主優待制度が廃止され、遊園地等の施設を利用すると、利用に応じてポイントを獲得できる「よみうりランド共通会員制度(仮称)」が新たに創設されます。
レジャー事業を強化
よみうりランドは、新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響で業績を大きく落としています。読売新聞グループ本社は、よみうりランドをTOBにより完全子会社化して経営基盤の安定を狙うほか、グループ全体のレジャー事業を強化したい考えです。
「スーパー遊園地構想」にコロナが直撃
2019年、創業70周年を迎えたよみうりランドは、新たな成長戦略「飛躍」を策定しました。この戦略にて、よみうりランドは遊園地の枠を超えるスーパー遊園地に変貌を遂げること、10年後には売上高を1.5倍に、レジャー事業全体の利用者数を2倍に拡大することを目標に掲げています。
新成長戦略にはエンタメ植物園やアート水族館、その他宿泊施設や商業施設の開発など新規事業への着手についても明記されており、エンタメ植物園「HANA BIYORI(はなびより)」を2020年3月14日にオープンするなど、すでに多額の資金が投じられている状況でした。
ジャイアンツタウンのボールパークでよみうりランドも盛り上げられるか
よみうりランドの完全子会社化で、読売巨人軍の2軍施設に商業施設を併設する予定の新たなボールパークと、よみうりランドの両方を盛り上げたい狙いがあると考えられます。ボールパークの建設予定地はよみうりランドから10分ほどの場所にあります。よみうりランドとボールパークの連携によって、「スーパー遊園地構想」の実現が加速するかもしれません。
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