北朝鮮,ミサイル
(画像=TebNad/stock.adobe.com)

年に数発~数十発のミサイルを発射し、たびたびニュースで報道される北朝鮮のミサイル問題。北朝鮮の弾道ミサイル開発は、1970年代に始まったといわれています。1980年代には短・中距離ミサイルを保有するようになり、現在では日本を射程距離に収める弾道ミサイルも多数保有しています。日本にとって対岸の火事では済まされない、北朝鮮のミサイル事情について解説します。

北朝鮮 これまでの弾道ミサイル開発

1940年代後半から1980年頃にかけて、旧ソ連のスカッドミサイルをエジプト経由で入手したのが、北朝鮮の弾道ミサイル開発の始まりといわれています。1980年代の終わり頃には射程距離約1,000キロ、大きさがスカッドミサイルの1.5倍の「ノドン」の開発を始めました。

ノドンの発射実験は2006年頃から複数回にわたって実施され、その後もさまざまな弾道ミサイルを開発し、現在では射程距離1万キロ以上の「テポドン2派生型」も所有しています。

北朝鮮の弾道ミサイル発射回数は2016年以降急増し、2017年の8~9月にはミサイルが発射されたことで全国瞬時警報システム「Jアラート」が一部地域で鳴る事態となりました。

北朝鮮が所有するミサイルの種類

日本国民が思う以上に、北朝鮮は次々と新たな弾道ミサイルを開発しています。かの有名なノドンをはじめとする準中距離ミサイルから大陸間弾道ミサイルまで、これまで北朝鮮が開発した主なミサイルを見てみましょう。

名称 射程距離
トクサ120キロ
新型SRBM(A・B・C)400キロ~600キロ
スカッドB・C・ER・スカッド改良型300キロ以上
ノドン・ノドン改良型1,300キロ~1,500キロ
SLBM1,000キロ以上
ムスダン2,500キロ~4,000キロ
IRBM級5,000キロ
ICBM級5,500キロ~1万キロ以上
テポドン2派生型1万キロ以上

ICBM級とテポドン2派生型は、アメリカ本土を射程に収める大陸間弾道ミサイルです。近年開発された北朝鮮の弾道ミサイルは、今や世界中の脅威となっています。

1,000発以上保有という報道も

2017年3月時点で北朝鮮が保有するミサイルは、1,000発以上ともいわれています。北朝鮮のミサイル開発については不明瞭な点が多く、すべてが明らかになっているわけではありません。

2020年10月、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルを軍事パレードで公開し、その際「先進国のみが保有する最新鋭の兵器システムを開発中」と発表しました。

新たなアメリカ大統領バイデン氏との微妙な関係の中で、強力な軍事兵器を所有する北朝鮮が今後どのような行動に出るのか、世界各国が警戒を強めています。

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