ITの先進国といえば「中国」と答える方は多いのではないでしょうか。中国企業は、さまざまなシステムを駆使しユーザーの利便性向上を図っています。しかし無断で個人情報を収集していることに腹を立てている中国人が多くいるようです。本稿では、あらゆるものをスマート化している中国の実情に迫ります。
スマートシティに注力する中国
ここ数年のうちに中国を訪れた方は、近未来的な都市の姿に驚いたのではないでしょうか。中国では、2014年より「国家新型都市化計画(2014~2020)」のもと環境に配慮した新たな都市づくりを始めました。同計画では、スマートシティ化に関する方向性も示されており高度な技術を用いたインフラの整備・拡充を行うことも記されています。
スマートシティ事業では、アリババやテンセント、ファーウェイといった日本でもおなじみの大企業が舵を取りビッグデータを用いてサービスの向上に努めているのが特徴です。中国のスマートシティ事業への取り組みは、他国を凌駕する規模で進行しています。2019年の時点で中国が進めていたスマートシティプロジェクト数は500でした。
欧米の数倍規模のプロジェクトを同時に進行している中国。北京市の過密化を解決するために建設された新エリア「雄安新区」は、中国のイノベーションの最先端都市として世界中から注目を集めています。
スマート化とともに監視体制も強化されている
他国より一歩先を行く中国のスマートシティ事業ですが他国とは異なる発展を遂げています。その特徴を表しているのがスマート技術による監視体制の強化です。2018年2月以降、中国の警察官は不思議なサングラスをかけるようになりました。これは、単なるサングラスではなく顔認識システムを搭載したスマートグラスです。
さらに中国政府は、2020年末までに6億台を超える監視カメラを設置する計画を立てていました。どこを見ても監視カメラ、そして警察官の目元には顔認識システムのスマートグラスと他国なら国民からの不満が噴出してもおかしくないこの事態も中国国民はすんなりと受け入れているようです。
単なるカメラではなかった!個人情報まで抜き取られている?
「監視されること」に慣れている中国国民でも思わず憤慨してしまうような驚愕のニュースが2021年3月に報じられました。中国の国営テレビで放送された大手企業の店舗に「監視カメラのふりをした顔認証カメラ」を設置していたことを報じたのです。つまり顧客の同意を得ずにカメラで来店者情報を収集していたことになります。
中国政府からの監視に慣れている国民も顔を使った情報収集は怒りを隠せずにいます。このように便利で近未来的なスマートシティも一歩間違えれば国民の不利益のもとになる可能性があるのです。
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