資産運用
2019.11.17

投資に絶対はあるか?富裕層御用達のヘッジファンドとは

(写真=Tero Vesalainen/Shutterstock.com)
(写真=Tero Vesalainen/Shutterstock.com)
投資に興味がある人なら「ヘッジファンド」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。なかにはヘッジファンドに対して怪しげなイメージを抱いている人もいるかもしれません。しかし富裕層にとってヘッジファンドは魅力的な投資対象となることがあります。本記事では富裕層の御用達にもなりうるヘッジファンドの特徴や運用方法について解説します。

最大の特徴はいかなる環境下でも利益を追求すること

ヘッジファンドの明確な定義はありません。ヘッジファンドの特徴は「私募」「絶対利益の追求」「大口の投資」の3つに大別することができます。世界中で富裕層に向けて多く販売されており最低投資額の高さも特徴的です。1口1億円というヘッジファンドも少なくありません。ヘッジファンドのファンド(fund)は日本語で基金と訳され複数の人から資金を集め運用する団体や個人のことをいいます。

その典型的な例が投資信託です。他にも生命保険や年金基金なども広い意味ではファンドといえます。これらの多くは、不特定多数に対して資金の提供を募る「公募」です。最近はヘッジファンド型の運用を行う公募型の投資信託やホームページで投資家を募集しているヘッジファンドも増えています。1口100万円程度から投資できるものもあり「私募」と「大口投資」の特色は、以前と比べると薄まっているといえるでしょう。

ヘッジファンドの最大の特徴は、「絶対利益の追求」という運用方針です。一般的なファンドは、株価指数のようなベンチマークを基準としてパフォーマンスの良し悪しを測ります。ある投資信託の基準価額がマイナス10%となっていてもベンチマークとしているTOPIX(東証株価指数)が同時期に20%下落しているのであればファンドの成績としては優秀といえるでしょう。

しかしヘッジファンドのパフォーマンスに対する「絶対利益」という考え方は、このような相対評価とは一線を画しています。いかなる経済環境の下でも利益を上げることを目指しているのです。この点が富裕層に支持される理由となっています。

ヘッジファンドの運用手法

ヘッジファンドの運用手法にはさまざまなものがありますが、特に絶対利益を追求するうえで大きな役割を担っているのは「空売り」と「レバレッジ」です。空売りとは株式や債券などの金融商品を借りて売却し、その後に買い戻して返済することをいいます。通常は購入した商品の価格が上昇すると利益が生まれますが空売りの場合は価格が下落すると利益が出るという仕組みです。

典型的な運用手法は、株式のマーケット・ニュートラルです。業種が同じなど似たような値動きをする企業を2つ選び有望なほうを購入し価格が下がりそうなほうを空売りします。業界全体が不景気になると空売りした株式から大きな利益が生まれるため、市場全体がどのように動いても利益を上げやすい手法です。

アービトラージ(裁定取引)もよく使われています。価格がほとんど同じ、あるいは連動する2つの商品の市場による価格の差を利用した手法です。例えば日経平均先物と現物の日経平均は本来同じ値動きをするはずですが売買する人や目的が違うため、価格に微妙な差が生まれることがあります。先物のほうが高くなったら空売り、同時に現物を買い、その後両者が同じ価格に戻ったときに決済して利益を確保するという方法です。

このようにいくつもの購入・売却を組み合わせる運用手法には、多額の資金が必要です。そのため集めた資金だけでなく金融機関からの借り入れも活用する「レバレッジ運用」も行います。「買い」と「売り」を併用することで損失を抑えながら運用するのがヘッジファンドの特徴です。上記に挙げた以外にもマクロ経済の動きを予測して運用する方法などもありますが相場の下落時にも空売りで利益を確保しようとするところは変わりません。

絶対利益を追求するが絶対ではない

いかなる状況でも利益を生み出そうとするヘッジファンドは魅力的ですがデメリットもあります。1つは間口が狭いということです。前述の通り私募で大口投資のため、誰でも簡単に投資できるわけではありません。逆をいえばファンド関係者にパイプがあり資金が豊富であれば投資はできます。もう1つ注意が必要なのは、絶対リターンを追求するといっても利益が保証されるわけではないということです。

1994年にロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)というノーベル経済学賞受賞の学者を複数抱え「ドリームチーム」と呼ばれたヘッジファンドが設立されましたが1998年にわずか4年で破綻しました。利益を追求し高いレバレッジをかけるヘッジファンドは、破綻するリスクも伴っています。「投資は自己責任」という原則は、どこの世界でも同じです。

魅力はあるがリスクも高いヘッジファンド投資

ヘッジファンドは投資信託などと同様に投資家の資金を預かって運用するファンドで「私募」「大口投資」「絶対利益の追求」が特徴です。いかなる経済状況でも利益を上げることを目指しますが、なかにはハイリスクな運用をするタイプもあるので投資をする際は慎重な検討が必要になります。
 

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