30坪以下の土地では、土地活用が難しい。そう思いこんで、空き家や空き地をそのままにしている人も多いのではないでしょうか。
たしかに、広い土地に比べて土地活用の選択肢は少ないです。しかし、30坪以下の土地であっても工夫次第で十分土地活用は可能です。
30坪でもできるおすすめの土地活用と、賃貸経営の具体的な例について紹介します。
目次
30坪で行う土地活用の特徴とは
30坪で土地活用を行うことは、広い土地を活用するよりも選択肢が限られます。
しかし、狭い土地の活用はデメリットばかりではありません。ここでは、30坪で土地活用を行う際の特徴を解説します。
固定資産税が安い
200㎡以下の住宅用地は小規模住宅用地として扱われ、課税標準額は評価額の1/6となります。200㎡を超える分には減額率が1/3になりますが、30坪程度の土地であれば約100㎡なので問題ありません。
200㎡以下の部分 | 固定資産税評価額×1/6 |
---|---|
200㎡超えの部分 | 固定資産税評価額×1/3 |
しかし、住宅が空き家になっていて管理が不十分だと「特定空き家」に指定されてしまい、この軽減措置の特例が受けられません。更地や特定空き家にならないために、土地の有効活用が必要です。
初期費用を抑えられる
建ぺい率や容積率の関係から、30坪の土地ではそれほど大きい建物を建てることができません。一方で、延べ床面積が小さいと建築費用は抑えられます。
また初期費用には、建築費用のほかに別途工事費や諸費用がかかりますが、こちらも土地が狭いことによって安く抑えることができます。
選択肢が限られてしまう
30坪という土地は、費用が安く抑えられる半面、大きいマンションや商業施設などは建築できないので、土地活用の選択肢が限られてしまいます。
しかし、土地の広さに関わらずにできる活用法もあるので、諦めずに活用法を検討することをおすすめします。
30坪でできるおすすめの土地活用とは
30坪以下の狭い土地でもさまざまな土地活用方法があります。30坪でもできるおすすめの土地活用を紹介します。
駐車場・駐輪場経営
駐車場は精算機などを設置しても15坪あれば可能といわれています。駐輪場や月極駐車場であれば、もっと狭くても大丈夫です。
収益性が高くはないですが、初期費用は比較的少ない分、簡単に始められ、固定資産税を上回ることも十分可能ですので、土地の維持費軽減になります。
管理・運営を専門会社に任せることもできます。
自動販売機置き場
人が集まる場所であれば、自動販売機を設置できる可能性があります。自動販売機をメーカーに貸すだけであれば、自己資金はそれほど必要ありません。
コンテナハウス・トランクルーム経営
都会では収納スペースが足りずに困っている人が多いです。
コンテナはさまざまなサイズや種類があるので、所有している土地に合わせたものを選ぶことができます。荷物を搬入するため、近くに駐車場があることが望ましいです。
コインランドリー経営
コインランドリーは10坪程度から営業できるといわれています。コインランドリーは近年利用者が増えている業種です。
ひとり暮らしで洗濯機を持っていない人はもちろんのこと、マンションなどに住んでいて大きな布団が干せないなどの理由で需要は高いです。
貸し農園
家庭菜園をやりたい人に向けて、畑を貸し出す方法です。
土地を貸し出すだけなので、初期費用はほとんどかかりません。初心者に栽培のアドバイスができたり、農機具を貸し出せたりすると差別化できます。
自分では管理が難しい場合、運営会社に任せることも可能です。
賃貸経営
賃貸経営には大きく分けて、アパート経営とマンション経営のふたつがあります。
アパート
30坪の土地に木造や鉄骨造りのアパートを建築し、賃貸経営を行うことが可能です。30坪程度だと比較的小規模なアパートになります。
代表的な開発会社としては全国で賃貸住宅管理戸数が一番多い大東建託グループが挙げられます。
マンション
30坪でも、アパート経営だけでなくマンション経営も検討できます。しかし30坪でマンションを建築するとなると、建築会社に豊富な経験や高いノウハウが必要です。
デザイン性に優れた、RCコンパクトマンションを得意とする開発会社としてはLeTechが挙げられます。
コンパクトタイプのマンションなら、メンテナンスや管理コストを少なく抑えることができます。
マンション経営は、節税効果が期待できるほか、軌道に乗れば安定的な家賃収入を確保できるので、土地活用の中でも特におすすめの方法です。
【もっと詳しく知る】
30坪で行う土地活用。建築できるマンションの規模とは
30坪でもマンション経営が可能だと紹介しました。
では、30坪の土地で賃貸物件を建築する場合、どのくらいの規模になるのでしょうか。
アパート経営とマンション経営は何が違う?
アパート経営とマンション経営では、初期費用と収益に大きな違いが生まれます。
一般的にアパートはマンションに比べて建築費用が安いです。アパートは木造や軽量鉄骨造といった比較的コストがかからない方法で建築するからです。初期費用を安く抑えたい場合は、アパート経営が向いています。
一方のマンションは、アパートに比べて収益が上がりやすいといわれています。マンションの方がアパートに比べ、家賃も高く設定することができ、空室になるリスクも低いためです。
初期費用の大きさよりも、収益性の高さを優先したい場合は、マンション経営が向いています。
建築費用の相場は?
マンション建築に必要な建築費用の相場は、マンションの構造によって変化します。国土交通省が発表する「建築着工統計調査報告」によると、坪単価の平均値は下表のとおりです。
構造 | 坪単価 万円/坪 |
---|---|
鉄筋鉄骨コンクリート造 | 98 |
鉄筋コンクリート造 | 92 |
鉄骨造 | 76 |
30坪で容積率200%の場合、延べ床面積は60坪になるので、鉄筋コンクリート造の場合は下記のように建築費のシミュレーションができます。
92万円×60=5,520万円
マンション経営の初期費用は、建築費のほかに、建築費の20%から25%かかりますので、上記の場合、約7,000万円の初期費用になります。
この金額は平均的な金額ですので、建築条件によって変わりますし、内装や設備などにこだわれば費用は大きくなります。
部屋数はどのくらい?
30坪で建ぺい率が60%の土地の場合、1階あたりの面積は最大18坪(約60m2)です。階段や廊下などの共用部を除くと、居住スペースは50m2程になります。
各階の部屋数は、1K程度であれば2部屋、それ以上であれば1部屋が限界といえます。
また、容積率が200%の場合、各階が18坪であれば3階建てにできるので、全部で3部屋から6部屋が確保できます。
経験豊富な会社に問い合わせする
土地活用する際には、所有している土地の用途が決まっていたり、建ぺい率や容積率の確認が必要だったり、接道義務をクリアするなど専門的な知識を多く必要とします。
保有している土地の状況は人それぞれ違い、自己判断するのは難しいものです。
また、狭い土地でマンションやアパートを建築するには、一般的な規格品とは違い、狭い土地を有効に活用できる知識と経験が必要です。
土地活用を検討するなら早めに経験豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。
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