若い世代の賃貸住宅探しはこんなに変化している!IT対応が投資用物件供給会社選択の条件に
(画像=lassedesignen/Shutterstock.com)

かつての賃貸住宅探しといえば、情報誌などを片手に希望エリアの不動産会社を回って希望にマッチングした住まいを探す……というのが一般的でした。

最近では賃貸住宅探しの方法も随分と様変わりし、あらかじめネット上で情報の絞り込みを行う人が増えているため、不動産会社の訪問数や物件見学数が極端に少なくなっているようです。

そうした変化に対応して入居者を集めている不動産会社でないと空室率が高まり、賃料の低下などで利回りが悪化する可能性があります。不動産投資家にとっても、インターネットをフルに活用して積極的に情報発信している不動産会社の投資用物件を探すのが成功への近道かもしれません。

不動産会社の訪問件数は平均すると1.5店舗

株式会社リクルート住まいカンパニーでは、毎年1回、賃貸物件を契約した人たちの行動を把握するため『賃貸契約者動向調査』を実施しています。その2018年度版の調査によると、賃貸住宅を探すために実施した不動産会社の訪問件数は2018年の平均で1.5店舗という結果でした。10年前の2008年度には平均2.7店舗ですので、半数近くにまで減少していることになります。

なかでも、一人暮らしの人たちの訪問件数が少ないのが目立っています。学生は2.1店舗と平均を上回っていますが、社会人は平均1.4店舗で、男性社会人に至っては1.2店舗という少なさです。忙しいシングルのビジネスパーソンは、いくつもの不動産会社を回っているわけにはいかないということでしょうか。

物件見学数は10年前の4.8物件から2.8物件に

実際に見学する物件数にも変化が見られます。2018年度の平均は一人あたり2.8物件で、10年前の2008年度の4.8物件に比べ2物件も少なくなっています。不動産会社の訪問件数と同じように、一人暮らしの男性社会人の見学件数の少なさが目立ち、一人あたりの平均は2.3件にとどまっています。

賃貸住宅探しは若い世代を中心に大きく変化しているのは間違いなさそうです。多くの人はスマホやPCなどを通してネット上で十分な情報収集を行い、事前にある程度希望の物件の絞り込みを行ったうえでようやく不動産会社へ訪問し、効率的に物件を探すようになっているのです。

今後はネット上だけで契約を交わせるようになる可能も

従来は賃貸住宅の重要事項説明と契約は対面で行う必要がありましたが、2017年10月から「重要事項説明」のみネット上で行うことが可能になりました。いわゆる“IT重説”と呼ばれる仕組みで、重要事項説明を受けるためにわざわざ不動産会社を訪問する必要がなくなったのです。

今後は、最終的な契約までインターネット上で行えるようになる可能性もあるでしょう。もし実現すれば物件探しから契約までの一連の流れを全てインターネットのみで完結できるようになり、不動産会社のIT対応がより一層重要になってきます。

また物件を実際に見る内見もVRなどの技術で現地に行かなくても成立することにシフトしていくかもしれません。

投資家の不動産会社選びもIT対応力が基準に

IT重説の本格始動や不動産会社の訪問件数、物件見学数ともに大幅に減少しているこれらのデータを踏まえると、不動産会社にとって「インターネットをいかに上手に活用して入居者を集めるか」が非常に重要だと言えます。

不動産会社の集客力は投資家にとっても重要な要素です。今後、不動産投資用物件選びにおいても分譲している不動産会社、管理会社のIT対応力をチェックし、時代に合わせた集客方法をきちんと取り入れているかが一つの基準になるかもしれません。

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