資産運用では投資元本を毀損させない堅実さが求められます。しかし、世の中には「投資」ではなく「投機」に近いような金融商品もあります。私たちはどのような点に注意して資産運用をすればよいのでしょうか。買ってはいけない投資商品と併せて、堅実な資産運用に最適といえる不動産クラウドファンディングについて紹介します。
資産運用は堅実性が必要
資産運用は増やすことも大切ですが、同じくらいに減らさないことも大切です。つまり、増やすことと減らさないことのバランスが取れた運用が必要になります。
例えば、債券投資はローリスク・ローリターンの投資です。損する可能性は低いですが、その分低金利でわずかな利息しか望めません。
一方で、次に紹介するハイリスク・ハイリターンの投資は、1年で買値の倍以上になる可能性がある半面、短期間で半値以下に値下がりするリスクもあります。
投資の理想は低いリスクでそこそこ高い利回りを得られるローリスク・ミドルリターンです。ここに挙げた2つの投資スタイルの欠点を補い、堅実な資産運用を可能にする投資スタイルといえます。
買ってはいけない投資商品
買ってはいけない投資商品とは、資産を大きく減らすリスクが高い運用スタイルの金融商品です。代表的な商品として以下の3つが挙げられます。
FXなどのレバレッジ型金融商品
レバレッジ型の金融商品は一定の証拠金を入れることによって、自己資金の何倍もの金額を取引できるため、通常の取引よりもリスクが高くなります。
「買い」だけでなく、値下がりによって利益を狙う「売り」から入る取引もありますが、「買い」または「売り」で入った取引が逆方向に動いて大きな評価損が発生した場合、最初に入れた証拠金だけでは足りなくなります。「追い証」と呼ばれる追加証拠金の入金を求められる事態となり、期限までに入金できなければ、強制的に取引終了となり損失が確定します。
なかでもFX(外国為替証拠金取引)は代表的なレバレッジ型金融商品です。25倍までレバレッジをかけることができます。100万円の証拠金で2,500万円の取引ができるので、かなりリスクが高い取引になることがイメージできるでしょう。堅実な資産運用には向かない商品です。
仮想通貨
仮想通貨(暗号資産)は最も値動きの激しい投資商品といってよいでしょう。主力銘柄のビットコインでは1日で価格が数万円~数十万円動くことも珍しくありません。
仮想通貨は24時間365日取引が可能です。しかも1日のうちでも値動きが激しいため、儲けようと思えばパソコンの前に張り付いていなければなりません。そのため、海外では仮想通貨取引依存症に陥る例も見られ、深刻な状況を生んでいます。お金だけでなく、健康上の問題も引き起こしかねない投資であることに注意が必要です。
株式信用取引
株式投資は堅実な運用を行う分には有効な資産運用です。しかし、株式信用取引に手を出すと大きな損失を被るリスクがあります。信用取引は委託証拠金を入れることによって自己資金の約3.3倍の株式を「買う」または「売る」ことができますが、反対方向に株価が動いた場合は、委託証拠金だけでは評価損を補えず、FXのケースと同じく追加の証拠金(追い証)を求められることになります。
著名な株主優待投資家が一時期、信用取引を中心に運用を行っていましたが、リーマン・ショック時の株価下落で多額の追い証が発生し、株を売って資金を調達したため、資産の多くを失ったというエピソードは投資家の間でよく知られています。それほど信用取引はリスクが高い投資方法なのです。
安全高利回りの不動産クラウドファンディングに注目
運用資産を減らさないための堅実な投資先としておすすめなのが不動産クラウドファンディングです。文字どおり運用先が不動産であるため、運用成績が極めて安定しています。株式のように企業業績の変化などで運用成績が大きく左右されることはありません。
安定した運用成績が特長の不動産クラウドファンディングですが、実際の結果は運用事業者の公式サイトのファンド一覧で確認することができます。「運用終了」や「募集終了」のファンドを見るとほとんどの場合、募集金額を上回り完売しているのがわかります。投資家が安全性を熟知している結果と考えることができるでしょう。
また、他の投資に比べて安全性が高いにもかかわらず、予定利回りが4〜8%程度と高いのも魅力です。高配当株投資の場合は、株価が高いときに買って「高値掴み」になるリスクがありますが、不動産投資クラウドファンディングは投資額が1口1万円、10万円などと一定です。誰が買っても同じ利回りになるので、投資するタイミングによる損得はありません。
ハイリスク・ハイリターンの投資は派手な値動きが魅力ですが、裏目に出た場合は資産を大きく減らす危険が潜んでいます。ローリスク・ミドルリターンの不動産クラウドファンディングをポートフォリオに組み入れ、堅実な資産運用を目指してみてはいかがでしょうか。
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