本記事では、ほったらかし投資の魅力を解説しつつ、おすすめの投資先の一つとして不動産クラウドファンディングを紹介します。
目次
ほったらかし投資は長期視点が重要
株式投資を行っている人ならAppleやヤフー、ソニー、ファーストリテイリングなどの高成長株を「もっと早く買っておけば」と思ったことはあるのではないでしょうか。Apple株やヤフー株を上場直後に100万円分購入して現在までほったらかしていた人は、いずれも億単位の時価総額になっているという試算があります。
もちろん上場時に買った時点で現在の姿を想像できる投資家は少ないため、ほとんどの人はある程度値上がりした時点で売ってしまったことでしょう。
Apple 月足 1980年12月~2023年5月
株価が数倍となるためには、多くの場合相当な年数が必要になります。そのため自分が見込んだ企業の株を買ったら売らない“ほったらかし投資”が、実は資産が増える方法といえるのです。ただし、見込んだ企業だとしても倒産するリスクはゼロではないため、その点は十分に認識しておく必要があります。
世界的投資家もほったらかし投資を実践している
2023年4月に世界的投資家ウォーレン・バフェット氏が来日し、大きな話題になりました。日本の商社株へ投資したことで再び脚光を浴びている同氏も、基本的にはほったらかし投資で資産を増やしています。バフェット氏も初めての株式投資では、苦い経験をしています。値上がりした株を売却してわずかな利益を得たら、その後その会社の株価が5倍近くに成長する結果に。
その後長期投資の重要性に気が付き、同氏のその後の投資哲学を醸成する貴重な経験となったのです。
<コカ•コーラ 月足 1962年1月~2023年5月)>
バフェット氏が1988年から投資したコカ•コーラ株は、当時5米ドルにも満たなかった株価ですが、2021年時点では55米ドルを超えて10倍以上の株価に成長しています。これが普通に投資していたら10米ドルに上がった時点で売っていたかもしれません。ほったらかし投資のため、同氏は現在も同社株を保有しています。
マネックス証券の調べでは、1977年5月にコカ•コーラ株を100万円分購入していれば、単利運用なら2021年10月の時点で7,800万円、配当金で買い増す複利運用なら2億690万円まで増えていたとのこと。これらは、ほったらかし投資だからこそ得られる莫大な利益といえます。
参考:マネックス証券「バフェットが長期投資を行っているコカ・コーラ、1977年に100万相当円分を買っていれば…」
ほったらかし投資の実践方法
ほったらかし投資の実践方法としては、個別に成長株に投資して長期保有する方法と投資信託などを口座引き落としで毎月定期的に購入する方法があります。また株主優待を目的とした長期投資も有効な方法です。
個別株を買い付けたらそのまま保有して成長を待つ
シンプルなほったらかし投資は、将来成長すると見込んだ個別株に投資し、長期間保有することです。上述したApple株のように投資した企業が高成長を果たした場合は、買値をはるかに上回る大きなリターンを得ることができます。
一度購入すれば、会社の成長とともに株式分割で株数が増え、増配で配当金も増えるため、利回りはどんどん高くなります。
例えば、株式の業界では「連続増配株」が注目されますが、以下が連続増配している銘柄です。
・花王:33年連続増配
・SPK:25年連続増配
・三菱HCキャピタル:24年連続増配
・小林製薬:23年連続増配
毎月自動引き落としで積立投資をする
なかには「個別株を選ぶのは面倒」「銘柄選択の間違いもあるから投資信託で日本株や米国株などにまとめて投資したい」という人もいるでしょう。投資信託は、ほとんどの証券会社で口座自動引き落としを使って購入できます。投資信託のなかには、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、ニューヨークダウ30種平均、S&P500などの各種株価指数に連動して動く商品があります。
これら「インデックス投資」と呼ばれる商品を購入すれば、採用されている銘柄をすべて買ったのと同じ成果を得られます。指数全体を買うため、銘柄選びで失敗することはありません。毎月定額で購入できるように設定しておけば、株式市場の上昇時は少ない口数を購入し、下落時は多くの口数を購入できるため、長期で見れば買値が平準化されリスクが低減します(ドルコスト平均法)。
<ドル・コスト平均法の例> 毎月1万円ずつ1年間、ある投資信託を購入し続ける場合
自動積立は、投資信託だけでなく個別株を毎月定額で買っていく「るいとう(株式累積投資)」や金(ゴールド)を毎月購入する「純金積立」などいくつかの選択肢があります。
株主優待銘柄を長期で持ち続ける
趣味に関する株主優待を目的に長期保有することも、ほったらかし投資として有効な方法です。映画好きな人が株主優待の招待券を目的に映画会社の株を保有するのは、典型的な例といえます。値上がり益が目的ではなく、映画を無料鑑賞すべく保有していることから、売ることは考えず自動的にほったらかし投資となるのです。
映画会社は、老舗企業が多いため、高成長株というわけではなく配当利回りもそれほど高くありません。しかし招待券を映画館の入場料に換算すれば、それなりに高いリターンを得られます。
例えば、東宝は「TOHOシネマズ」などで使える優待映画招待券が株主優待としてもらえます。100株購入で1枚もらえ、配当が年2回のため2枚もらえます。2023年6月1日現在のTOHOシネマズの映画鑑賞料金は一般で2,000円です。優待映画招待券を2枚もらえれば、年間4,000円の換算です。
短期的な売買は相場の急落で資産を減らすリスクがある
短期的な売買では、想定外に大きな利益を得ることも期待できるでしょう。しかし2020年に起きたコロナショックのように株式市場が大暴落して大きな損失が出る場合もあります。
その点、高成長が見込める優良株へのほったらかし投資であれば、相場の暴落で一時的に値下がりしても、会社が成長し続けることでいずれ上昇に転じ暴落前の株価を上回るのが一般的です。例えば、Appleの株価チャートを見てみましょう。
<Apple 週足 2018年11月26日~2023年5月30日>
上図の赤枠の部分がアメリカでコロナ感染が報告された2020年1月近辺のチャートです。3月末に向けて下落をしましたが、そこから浮き沈みはあるものの2023年5月末までに大きく上昇しているのがわかります。
しかし短期売買で下落時に売ってしまうと相場が回復したときに「コロナショックで慌てて売らなければよかった」と後悔することになります。ほったらかし投資は、精神的にも安定する投資方法といえるのです。
不動産クラウドファンディングは究極のほったらかし投資
個別株や投資信託は、ほったらかし投資にするつもりで買っても現金が必要になれば売却することができます。その場合、買値や元本を割っているケースもあるため、使う予定のない資金で行うことが大切です。個別株や投資信託をほったらかし投資にするには、ある程度の根気と余裕のある資金が必要といえるでしょう。
使う予定があり、減らせないお金を投資する場合は、不動産クラウドファンディングが最適です。不動産クラウドファンディングは、売買や中途解約ができないため、自動的に満期まで待つほったらかし投資になります。不動産が投資対象となるため、運用成績が安定しており元本割れのケースは極めて少ないのが魅力です。
そのため減らすことができない老後資金の運用などに向いています。例えば、運用期間12ヵ月のファンドを毎月購入していけば、1年後からは順番に毎月満期を迎えるため、年金以外に定期収入を得ることが可能です。また不動産クラウドファンディングは、相場がないため、毎日価格をチェックする必要もありません。
何もせずに償還を待てばよいだけとなるため、手間のかからない究極のほったらかし投資といえます。有利なほったらかし投資ですが、リスク低減のために分散投資は必要です。成長すると見込んだ個別株の長期投資や株価指数全体に投資するインデックス投資信託とともに、不動産クラウドファンディングへの分散投資を検討してはいかがでしょうか。
※本記事は2023年6月8日現在の情報を基に構成しています。記事中で紹介した銘柄は一例であり、当該銘柄への投資を推奨するものではありません。
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