歴史上最大の資産家といわれる人物をご存じでしょうか。その人は、かつてアフリカにあったマリ帝国のマンサ・ムーサ王だといわれています。歴史上最大の資産家の名にふさわしく、豪快な生活ぶりは後世に語り継がれており、推定総資産は約4,000億米ドル、日本円にして約58兆円(1米ドル145円換算)を超える大富豪ぶりです。
マンサ・ムーサは、これだけ莫大な資産を一代にして築いた人物だけに、考え方やエピソードなどから学べる投資エッセンスがあるかもしれません。本記事では、マンサ・ムーサがどのように資産を築き、そこから何を学べるかについて解説します。
マンサ・ムーサってどんな人?
マンサ・ムーサは、マリ帝国第9代目の王で在位は1312~1337年とされています。当時、マリ帝国では金(ゴールド)が豊富に産出されており、盛んな交易によってマンサ・ムーサは莫大な富を築きました。
アメリカの経済誌「フォーブス」が発表した「世界長者番付(2023年版)」によると、第1位はLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の会長兼CEOであるベルナール・アルノー氏で、資産規模は2,110億米ドル、日本円にして約30兆円(1米ドル145円換算)です。それでもマンサ・ムーサの約半分であり、資産規模の違いが良くわかります。
マンサ・ムーサは、敬虔なイスラム教徒でした。そのためメッカ巡礼では、各地に謝礼や報酬として大量の金をばらまき、そのせいで金価格が暴落したというエピソードもあります。マンサ・ムーサがばらまいた金の量がいかに膨大であったかがうかがえるでしょう。
マンサ・ムーサは、莫大な富を活かしてマリ帝国にモスクを建立し多くの書物を持ち帰りました。マリ帝国の首都であったトンブクトゥには知の財産がもたらされ、マンサ・ムーサが遺した功績ともなりました。
マンサ・ムーサはなぜ世界一の大富豪になったのか
マンサ・ムーサの莫大な富は、豊富に産出される金とその交易によってもたらされました。その量は、なんと当時の世界における金産出量の半分を占めていたという説もあります。
またマリ帝国は、近隣のガーナ王国との塩金交易を推進し、その交易を安全に行うために交易ルートとなる場所を軍事的に支配しました。この戦略によって交易の安全性が高まり、よりマリ帝国の経済は成長したといわれています。
交易しやすい環境を整備した対価としてマンサ・ムーサは高率の税金を徴収し、それも資産形成を後押ししました。
マンサ・ムーサのからの学び
まさに伝説ともいえるマンサ・ムーサから学べることは、2つあります。
自国の強みを最大限に活かし他国とWIN-WINの関係を構築した
軍事的な支援も含めて交易しやすい環境を整備したことはとても戦略的な国家運営といえます。これを投資家に置き換えると、注目したいのは得意な分野、強みがある分野で勝負をすることの大切さです。よく分からないものに投資をするのはリスクが高く、失敗をしてもその理由を検証しにくいので、マンサ・ムーサのように自国(自分)の強みをしっかり理解して投資に臨むべきでしょう。
反面教師ともいえる行動
マンサ・ムーサは、メッカ巡礼の際に善意も含めて金をばらまきすぎたためにインフレを起こしてしまいました。現代に置き換えると金融緩和に伴う貨幣の大量供給によるインフレです。
2023年は、世界的にインフレが進行していることが大きなトピックとなっています。しかしインフレ進行時は、貨幣ではなく現物資産の価値が相対的に高くなる傾向です。そのため資産防衛の観点からも現物資産への資金シフトを検討する必要があります。
マンサ・ムーサの教え?インフレ対策には不動産クラウドファンディング
マンサ・ムーサの反面教師的な教えであるインフレは、現代にも「再来」していることをご存じでしょうか。現金を持っているだけだと価値が目減りしてしまうリスクがあるため、インフレ対策として現物資産への投資を行うことも選択肢の一つといえます。そのなかでも注目なのが不動産クラウドファンディングです。
不動産クラウドファンディングとは、不特定多数の投資家から集めたお金でクラウドファンディング事業者が不動産を運用し、そこから得られた利益を分配する商品を指します。現物不動産の裏付けがあるため、インフレ対策になる点がメリットです。また比較的低リスクでありながら5%を超えるような案件も多数あるため、有望な運用先といえるでしょう。
マンサ・ムーサほどの大富豪でなくても資産防衛は重要です。資産防衛をしながら高い利回りを期待できる不動産クラウドファンディングを資産運用先の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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