安定高利回りが魅力のミドルリスク・ミドルリターン投資とは?
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ミドルリスク・ミドルリターン投資は、超低金利の時代に適した投資方法といえます。ローリターンの投資では資産運用の効果が小さく、ハイリターンを狙えば資産を減らす恐れがあります。この記事では、両者の間をとったミドルリスク・ミドルリターン投資の魅力を紹介します。

目次

  1. 投資におけるリスク許容度3つのパターン
  2. 安定高利回りを狙えるミドルリスク・ミドルリターン投資3選
  3. 近年注目度が高まっている不動産クラウドファンディング
  4. ポートフォリオを組み分散投資でリスクを下げよう

投資におけるリスク許容度3つのパターン

投資を始める前にまず決めておきたいのが、投資に対するリスク許容度です。投資方法には主に以下の3つのパターンがあります。

ローリスク・ローリターンの投資

元本が減る可能性が極めて低い投資方法です。大学の入学資金など使う時期がはっきりしている資金を運用するのに向いています。

ローリスク・ローリターンの代表的な商品に個人向け国債があります。また、デフォルト(債務不履行)の心配が少ない大手優良企業の社債を購入すれば、販売時に設定された利率で満期時に利息を受け取ることができます。ローリターン投資の利回りの目安は0.5〜1.5%程度です。

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ミドルリスク・ミドルリターンの投資

多少リスクがあっても、ある程度多くのリターンを狙う投資方法です。使う時期は決まっていないものの、住宅を購入するための頭金を増やしたいケースなどに向いています。代表的な商品に不動産投資、株式投資信託、金投資、J-REIT(上場不動産投資信託)があります。ミドルリターン投資の利回りの目安は3〜5%程度です。

ハイリスク・ハイリターンの投資

高いリスクを負っても多くのリターンを狙う投資方法です。ボーナスのように生活費と切り離して使える余剰資金での投資に向いています。代表的な商品に暗号資産、FX(外国為替証拠金取引)、エマージング債券(新興国債券)などがあります。ハイリターン投資の利回りの目安は5〜10%程度ですが、急騰した場合はそれ以上の利回りもあり得ます。半面、短期間で大きく値下がりすることもあるので、初心者は避けたほうが無難でしょう。

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安定高利回りを狙えるミドルリスク・ミドルリターン投資3選

ここでは、リスクがそれほど高くない割に比較的高利回りを狙えるミドルリスク・ミドルリターンの投資を3つピックアップして、それぞれの特徴を紹介します。

不動産投資

不動産投資は賃貸した物件から得られる家賃収入でローンを返済するため、比較的安全な投資として知られています。ローン返済中は手取り収入が少ないですが、ローン完済後は純資産となり、売却すれば数千万円単位の現金を手に入れることも可能です。

不動産投資の利回りは、一般社団法人日本不動産研究所が行った「第48回不動産投資家調査(2023年4月現在)」によると、東京都区部の賃貸住宅の期待利回りでワンルームが3.8〜4.0%、ファミリー向けが3.9~4.1%となっており、まさにミドルリターンが期待できます。

ミドルリスクである理由は空室リスクがあるからです。区分マンションの1室のみ所有の場合は、空室が出たとき一時的に給与などから補填しなければならないケースもあります。

高配当株投資

株式投資も値上がり益を狙わず、配当金のみを定期的に受け取る高配当株投資ならリスクは限定的です。MINKABUの調査による配当利回りランキングでは261社(2023年9月20日現在)が4%以上で、値上がり益がなくてもミドルリターンを得られる点が大きなメリットです。

もちろん高配当株でも値下がりリスクはあるので、ミドルリスクである点は心得て投資する必要があります。

J-REIT

現物不動産を分散保有して運用するJ-REITもミドルリスク・ミドルリターンの典型的な投資先といってよいでしょう。証券取引所に上場しているものも多く、株式と同じように売買できます。運用益の中から原則として年2回分配金を受け取ることができます。

上場している全銘柄の平均分配金利回りは2023年9月15日時点で4.12%です。

近年注目度が高まっている不動産クラウドファンディング

最近投資商品として人気が上昇しているのが不動産クラウドファンディングです。

不動産クラウドファンディングは、事業者がインターネット上で募集している不動産運用の案件に不特定多数の投資家が出資します。投資家から集めた資金を事業者が現物不動産で運用し、売却益や家賃収入の中から投資家に分配金を支払う仕組みです。予定利回りはおおむね3~7%と高利回りです。

不動産クラウドファンディングは以下のようなメリットがあり、資産形成を設計しやすい投資対象といえます。

・不動産クラウドファンディングは売買市場がなく、株式のような値下がりリスクがない

・多くのファンドで「優先劣後方式」を採用しており、物件の売却で損失が出た場合でも、あらかじめ定められた範囲で事業者が優先して損失を負担するので、投資家の元本が毀損しづらい

・「マスターリース契約」により、資産運用会社が物件を一括借り上げすることが一般的で、空室が出てもあらかじめ決められた家賃が保証される

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ポートフォリオを組み分散投資でリスクを下げよう

資産運用の設計図にあたるポートフォリオがないと上がりそうな銘柄へ場当たり的に投資することになり、資金バランスが特定の銘柄やカテゴリーに偏ってしまう可能性があります。資産運用は分散投資でリスクを下げることが大事です。

機関投資家もポートフォリオのバランスを重視しています。例えば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオは、国内債券25%(±7%)、外国債券25%(±6%)、国内株式25%(±8%)、外国株式25%(±7%)となっており、それぞれプラスマイナスの許容幅が決められています。

これを参考に、個人がポートフォリオを組む場合も投資カテゴリーごとに保有比率と増減幅を決めておき、許容範囲を超えそうなときは売却または買い増しによってリバランスするとよいでしょう。

この機会にポートフォリオを見直し、不動産クラウドファンディングをはじめとするミドルリターンを得られる商品の組み入れを検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事は2023年9月20日現在の情報を基に構成しています。記事中で紹介した商品は一例ですので、参考程度にお考えください。

丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

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