株で失敗する人の特徴と原因を解説。安定運用のポイントも紹介
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株式投資で失敗する人には、いくつかの特徴と原因がありますが、逆にいえば投資する前に知っておけば損失を防ぐことができます。本記事では、株で失敗する人の特徴と原因について解説します。

目次

  1. 株で失敗してしまう原因
  2. 株式投資のよくある失敗事例
  3. 株で失敗しやすい人の特徴とは?
  4. 資産運用で失敗しないためにはポートフォリオマネジメントが重要
  5. 不動産をポートフォリオに組み込む際に有効な不動産クラウドファンディング
  6. 株で失敗する原因を知り、安定運用を心がけよう

株で失敗してしまう原因

株式投資で失敗ばかりしてしまう場合、原因を特定して一つ一つ解消していくことで投資成績の向上が期待できます。ここではよくある失敗のパターンを紹介します。

不安になって投げ売りしてしまう

株は、どんなに値下がりしても売却しない限り現実的な損失は発生しません。業績が良いにもかかわらず、需給関係で下落しているような場合は、いずれ買値まで回復する可能性が高いです。逆に業績悪化で下落している場合は、持ち続けると評価損が拡大しかねないため、見切り売りしたほうが良い場合もあります。

信用取引で保有資産以上の取引をして損失が拡大する

信用取引は、保証金として預け入れている資産の約3.3倍の金額まで取引ができるレバレッジをかけた投資手法です。借金して株式投資をすることと変わらないため、目論見がはずれた場合は損失が拡大します。特に株価の値下がりを狙って行う「空売り」は、予想に反して株価が上昇を続けた場合、際限なく損失が拡大するため、注意が必要です。

株式を保有している企業が倒産する

投資した株式の発行企業が倒産することは、決して珍しいことではありません。合併やTOBなどによる上場廃止とは異なり、倒産の場合は株式の価値がほとんどなくなります。上場廃止になった株は、整理銘柄となり、最終的には株価が1円になる場合が多い傾向です。再生を狙って1円で大量に購入したとしても100%減資となり資産価値がゼロになるケースが多いため、手を出さないようにしましょう。

株式投資のよくある失敗事例

続いて、株式投資の失敗でよくある事例について紹介します。

失敗事例1. 上昇している株を買って高値づかみに

投資家Aさんは、V社の株価が上昇を続けていることに注目し、調べてみるとスポンサーになっているプロ野球の球団が優勝目前であることがわかりました。優勝セールでさらに株価が上がると見込んだAさんは、同社の株を購入しましたが、実際に優勝が決まると株価は材料出尽くしで反落。買ったところが高値だったという典型的な「高値づかみ」の事例です。

失敗の事例2. 業績悪化で下落した株をナンピン買いして損失が膨らむ

投資家Bさんは、W社の株価が下落を続けていることに注目し、割安と思って1,000株を購入しました。反発してすぐに上がると期待しましたが、意に反して下落を続けたため1,000株を追加購入して単価を下げるナンピン買いを行いました。しかしこの会社は、来期の業績が悪化する見込みのため、投資家の見切り売りが広がったのが下落の理由でした。

損失が膨らむ結果となったBさんは、きちんと背景を確認せずに買ったことを後悔したといいます。

失敗の事例3. 見た目の高配当利回りや株主優待に釣られて失敗

値上がり益ではなく、配当金や株主優待を得ることを目的に投資する人もいます。投資家Cさんは、ネットで配当利回りランキングを調べたところ利回り5%で株主優待も実施しているX社に注目し、株を購入しました。ところがこの銘柄は、業績悪化で株価が下がったため利回りが高くなっていたにすぎなかったのです。

結局株主優待も買ったあとに廃止となり、ダブルパンチで株価が大きく下落。Cさんは、最悪の投資をする結果となりました。

株で失敗しやすい人の特徴とは?

株式投資で失敗する人の特徴として、以下の5つが挙げられます。自分に当てはまる場合は、今から改めましょう。

取引ルールを決めずに投資する

株式投資を行う場合、自分なりの取引ルールを作って行う必要があります。ルールを持たずに、行き当たりばったりの投資をする人は失敗する可能性大です。代表的なルールに「買値から10%以上下がったら売る」という損切りのルールがあります。見込みがはずれた場合、損失を拡大させないために有効な方法です。

1つの銘柄に集中投資する

一極集中投資も避けなければならない投資方法の一つです。1つの銘柄や業種、テーマに絞って集中的に資金を投じると、当たったときは大きいですが、逆方向に向かうと損失が膨らむ結果となります。例えばインバウンド関連株だけを買った場合、為替が円高に変わったときに外国人観光客の減少が予想されるため、持ち株が一斉に下落する可能性があります。

資産管理をおろそかにする

資産管理ができない人も投資で失敗する可能性が高いです。投資は、余剰資金で行うのが基本となるため、生活費まで投入するのは望ましくありません。現在どのくらいの資産があって、そのうちいくらまで投資に回せるかを考えずに投資すると急に資金が必要になり、慌てて売って損失を出す恐れがあります。もちろん借金して株を買うのは論外です。

情報収集や勉強をせず投資先を選ぶ

株式投資で成果を上げるには、情報収集や勉強をすることも大切です。ほとんどの情報は、ネットで得られますが、特に来期の業績見通しを確認することは重要になります。なぜなら株価は、先を読んで動くからです。ただし、ネットで情報を収集する場合に「必ず儲かる5銘柄」というような予想サイトの記事を鵜呑みにする投資は避ける必要があります。

初心者なのにデイトレードに手を出す

1日のうちに取引を終えるデイトレードに初心者が手を出すのは危険です。デイトレードは、多額の資金を持つプロの投資家が行っているため、個人投資家の買いを誘うことを目的に株価をいったん上げたあと一気に下げて空売りで儲ける手法を行う場合があります。デイトレードは、中級以上の投資家が行う手法です。初心者は、長期投資でじっくりと取り組んだほうがよいでしょう。

資産運用で失敗しないためにはポートフォリオマネジメントが重要

資産運用で失敗しないためには、ポートフォリオマネジメントを採用して分散投資を心がけることが重要です。

ポートフォリオマネジメントとは

資産運用におけるポートフォリオマネジメントとは、投資の目的やリスク許容度に応じて適切な資産運用を行うためにポートフォリオを管理することです。分散投資を基本として金融商品を組み合わせ、ポートフォリオを構築およびメンテナンスします。ポートフォリオマネジメントでは、運用商品の選択に合理的な理由と優先順位が必要です。

ポートフォリオに入れる運用資産の代表例

ポートフォリオに入れる運用資産としては、以下のような商品が挙げられます。

・株式(国内株、外国株など)
・債券(個人向け国債、社債、地方債、外国債券など)
・コモディティ(金、プラチナなど)
・投資信託(株式投資信託、公社債投資信託、REITなど)
・不動産
・不動産クラウドファンディング など

不動産をポートフォリオに組み込む際に有効な不動産クラウドファンディング

上記した運用資産のうち現物不動産をポートフォリオに組み入れるには、数千万円単位の資金が必要です。そのため単純に組み入れてしまうと「ポートフォリオ内で比率が大きくなりすぎてアンバランスな資産構成になる」という問題があります。少額で不動産を組み入れたい場合は、不動産クラウドファンディングが最適です。

不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングのメリットは、1口1万円や10万円など少額で不動産に投資できることです。現物不動産の場合、100万円の物件はほとんど見かけませんが、不動産クラウドファンディングなら10万円のファンドを10口購入などと細かく調整して組み入れることができます。そのためポートフォリオの最適化に適した投資先といえるでしょう。

また現物不動産では、空室が大きなリスクになりますが、多くの不動産クラウドファンディングでは空室保証で一定の家賃が保証される「マスターリース契約」を結ぶため、空室リスクがありません。

デメリットについては、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:不動産クラウドファンディングのリスクやデメリットは?成功するためのポイントも解説

不動産クラウドファンディングの利回り相場

不動産クラウドファンディングの利回り相場は、3~8%程度と高利回りです。ただしこれは、業界の一般的な利回りの水準であり、高いファンドは10~20%の利回りで募集しているものもあります。

そのため、1つの事業者の公式サイトだけ見て選ぶと好条件のファンドを見落とすことになりかねません。選択する際は、不動産クラウドファンディング比較サイトを閲覧して比較するのがおすすめです。

不動産クラウドファンディングの比較サイトはこちら

株で失敗する原因を知り、安定運用を心がけよう

本記事では、投資する前に知っておきたい株で失敗する人の特徴を見てきました。運用成績を少しでも向上させるには、ハイリスクな取引を極力やらないことが大事です。リスクを低くする方法の一つとしてポートフォリオを作成して分散投資し、運用状況を見ながらメンテナンスするポートフォリオマネジメントの考え方も必要です。

不動産クラウドファンディングは、運用資産のなかでも1万円単位で投資できる商品のため、ポートフォリオの細かい調整に役立ちます。株で失敗する原因になる投資の仕方を避け、不動産クラウドファンディングをポートフォリオに組み入れながら安定運用を目指してはいかがでしょうか。

丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

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