外貨建て保険を改めて考える。そのリスクとは
(画像=BrAt82/Shutterstock.com)

ある程度まとまった資産を運用することができたり、相続対策になったり、高い利回りが期待できたりするのが外貨建て保険の特徴です。しかし、外貨建て保険にはいくつか押さえておきたいリスクもあります。これから外貨建て保険への加入を考えている人は、メリットとリスクの両方をよく理解しておきましょう。今回は、外貨建て保険のメリットとリスクについておさらいしていきます。

外貨建て保険のメリットは

まずは、外貨建て保険のメリットについて見ていきましょう。

利率が高い

外貨建て保険は、「円建ての保険よりも利率が高い」というメリットがあります。少しでも利回りのよい資産運用を考えているのであれば、円建て保険よりも外貨建て保険を選択することも可能です。

為替差益が受け取れる

保険金や解約返戻金を受け取る際、加入時よりも円安になっていると、為替差益が受け取れます。例えば、1米ドル100円のときに加入した保険を解約したとき、解約時点での為替相場が1米ドル100円を超えていれば、為替差益を受け取ることが可能です。

相続対策になる

生命保険の保険金は、相続時「500万円×法定相続人の数」まで非課税です。保険による相続対策は、外貨建て保険でも同様に行えます。

円の価値が下落した際のリスクヘッジとして

円の価値が急激に下落してしまった場合でも、外貨に資産を分散しておけば安心です。リスクヘッジとして、円以外の通貨で資産を保有しておくことができます。

外貨建て保険のリスクは

このように、円建ての保険では得られないメリットも多くある外貨建て保険ですが、一方で円建て保険にはないリスクもあります。外貨建て保険は、加入後すぐにクーリング・オフを行った場合でも、為替相場の変動や手数料によって、保険料が満額返還されないこともある点は注意が必要です。しっかりとリスクについて理解し、納得してから加入しましょう。

金利変動リスク

保険に加入した時点よりも市場金利が高くなると市場価格は下がり、解約返戻金の額が減少します。反対に、市場金利が下がると市場価格が上がり解約返戻金の額が増加します。中途解約を行う場合には、市場金利がどちらに傾いているのか、よく確認しましょう。

為替差損

外貨建て保険では、為替差益が受け取れる可能性があると同等に、為替差損となる可能性もあります。

為替手数料

円から外貨へ、外貨から円へ通貨を交換をする際には、為替手数料がかかります。利益よりも為替手数料のほうが多いこともあるかもしれません。

カントリーリスク

投資対象となっている国の政治・経済の状況が大きく変化することで、投資している国の情勢が混乱する可能性もあります。特に国内情勢が不安定な国の通貨には注意が必要です。

外貨建て保険の目的は

外貨建て保険にあるメリットとリスクが分かりました。「単に資産運用のため」というのであれば、外貨建て保険よりも他の金融商品のほうがよいこともあります。では、外貨建て保険に加入することでメリットを得られるのは、どのような人なのでしょうか。まずは、これらのリスクを理解したうえで、それでもメリットを感じられる人であれば、加入しても後悔することはないでしょう。

例えば、資産を多く保有していてできるだけ資産を分散しておきたい人や、相続対策として保険に加入しておきたいという人にも向いています。外貨建て保険は、保険会社または銀行窓口で加入できます。保険商品であるため、保険についての詳しい内容を知りたい場合は、保険会社で説明を受けるとよいでしょう。

一方で、資産運用という面での相談なら、銀行など金融機関から説明を受けたほうが分かりやすいこともあります。不安な人は、中立な立場でアドバイスを行うファイナンシャル・プランナーなどに相談してみてはいかがでしょうか。

資産運用ができる保険で相続も安心

外貨建て保険は、利回りがよいだけでなく相続対策にも有効であることが分かりました。ただし、為替差損が発生したり、為替手数料が発生したりというデメリットもあります。また、外貨建て保険について詳しく理解しないまま契約したことで、トラブルになるケースも少なくありません。外貨建て保険について、より詳しく知りたい場合にはファイナンシャル・プランナーに相談してみましょう。

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