アート,投資,購入
(画像=SeventyFour/Shutterstock.com)
丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

アートは人の心を豊かにしてくれます。それとともに最近ではアートを投資の対象にする人も増加傾向です。アートは投資として成り立つのでしょうか。本記事ではアートに投資する方法と注意点について解説します。

アートは投資の対象になるのか

「アート投資」は一般的には絵画を対象とする投資を指し、いわゆる「アンティーク投資」とは区別されます。そのため陶磁器やおもちゃ、工芸品などは含まれません。したがってアート投資を始めるには絵画に対する知識を十分に深めておく必要があるといえるでしょう。

アート投資への注目が高まったきっかけは、ファッション通販大手ZOZO前社長の前澤友作氏が2017年にジャン=ミシェル・バスキアの「Untitled」を1億1,048万7,500米ドル(当時のレートで約123億円)で落札したことです。これは事前に予想された落札価格6,000万米ドルの約84%高い水準で落札されたことになります。

油彩画であれば1点ものであるため、欲しい人が複数いれば価格は競り上がっていくのが一般的です。このような出来事を見るとアート投資は当たれば大きいと考える人もいるでしょう。

ただしオークションに出品できるほどの有名画家・人気画家の作品を買えるのは資産家や富裕層に限定されるのが実情です。もしくは、将来オークションで人気になるような画家を、まだ無名に近いうちに発掘するしかありません。

絵画はどこで買ったらよいか

将来性ある画家の発掘を目指して投資に踏み切った場合、次は絵画を買う場所を決めなければなりません。絵画を購入できるのは以下のような場所があります。

・百貨店
絵画を購入する場所として最も利用者が多いのが百貨店の画廊(ギャラリー)です。買い物ついでに鑑賞できるのが人気の要因ですが企画展では有料の場合があるので注意しましょう。

・一般画廊
新進気鋭の画家の作品でも販売しているのが一般画廊です。さまざまな絵を鑑賞する方法と企画展で1人の画家に絞って鑑賞する方法があります。

・骨董店
骨董店は絵画だけを扱っているわけではないので専門性がないのがデメリットです。

・通販
大手通販ではあらゆる種類の絵画を販売していますが、実物を見ることができないのがデメリットでアート投資には向いていないかもしれません。

・オークション
サザビーズジャパンなどを通して参加することができます。絵画への造詣の深さと資金力が必要なため、初めて購入する場合は控えたほうが無難でしょう。

絵画の種類と価格

絵画には以下のような種類があります。

・油彩画(油絵)
1点ものですので価格が高騰しやすいジャンルです。アート館では1号(ハガキ大)を基準に大きさによって作家ごとに値段を割り出しています。例えば1号3万円の画家の場合、8倍の大きさなら24万円が目安です。

・版画
アート投資で人気が高い平版画は、別名リトグラフと呼ばれます。版面に凹凸を形成せず水と油の反発する性質を利用して印刷する技法です。価格は何枚も刷れる分、油彩画よりは安い価格で購入できます。

・イラスト
小説の挿絵や表紙画、似顔絵、ポスターなど幅広い用途で使われるのが特徴です。日本のカルチャー文化として海外の人気も高い漫画の原画もイラストの一種になります。手塚治虫など超一流漫画家の原画は数十万円するのが一般的です。

絵画を買う場合の注意点

・目利きが必要
絵画を買う場合、一番悲惨な結果を招くのは贋作(ニセモノ)をつかんでしまうことです。テレビ番組『なんでも鑑定団』でも本物と信じて買った絵画や掛け軸が贋作だったというのが日常茶飯事のように紹介されています。

そのリスクを避けるには、画廊や百貨店など信用のおける場所で買うことです。

・価格基準がない
絵画は明確な価格の基準がありません。株式であればどこの証券会社で買っても現在付いている株価で購入することができますが、絵画は購入する場所によって同じ画家でも価格水準が異なる場合があります。

またオークションでは競りの雰囲気につられて本来の相場よりも高く落札してしまうリスクにも注意しなければなりません。

・流動性が低い
絵画は流動性の問題で売りたい場合は相応の価格で買ってくれる人を探すのに時間がかかりがちです。画廊の買い取りでは買値より安くなるケースが多くオークションに出すのにも手間がかかります。

趣味としての知識を活かした投資が理想

趣味と実益を兼ね備え、楽しみながらできるのもアート投資の魅力です。基本的には自分の目で気に入った絵を購入し、何年かしたら価値が上がっていたというケースが理想といえるのではないでしょうか。

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