資産運用方法としての不動産投資のメリット・デメリットとは?
(画像=takasu/Shutterstock.com)
檜垣嘉孝
檜垣嘉孝
不動産賃貸仲介業、マンション管理業を経て、不動産専門ライターとして独立。コンサルティング会社を経営する傍ら自らも不動産投資を行う中で、投資家の目線に立った記事制作を心がけています。

不動産投資はミドルリスク・ロングリターンの資産運用方法ですが、「投資」である以上はリスクがあると同時に、メリット・デメリットが存在します。資産運用方法として見たときの不動産投資のメリット・デメリットを把握した上で、投資に踏み切るべきか否かの判断をする必要があります。

不動産投資のメリットとは?

ミドルリスク・ロングリターンの不動産投資のメリットはどのような点にあるか考えてみましょう。

安定収入を確保することができる

不動産投資は、入居者から支払われる毎月の家賃収入をキャッシュポイントとしている性質上、長期的に安定した収入源を確保することができます。

家賃は、入居者と賃貸借契約を結べば、短期的に大きな変動が起こりにくいため、収入の見込みを立てやすい投資モデルということができます。

不労所得を得ることができる

投資家の不動産投資への取り組み方や、どのように仕組みづくりをしていくのか、と言った部分に大きく左右されますが、不動産投資では不労所得を得ることも十二分に可能です。

投資物件を所有するオーナーとしては、毎月の家賃の出納や督促、日々の物件の清掃・メンテナンス、入居者からの問い合わせ対応など、行うべき業務は多岐にわたりますが、こうした業務を代行してくれる賃貸管理会社と委託契約を締結することにより、投資家自らあらゆる業務を行わずとも、安定的な収入を得ることも可能です。

ただし、賃貸管理会社に諸業務を依頼するには管理委託費用を支払う必要があるため、物件の利回りを下げてしまう可能性もあります。物件の収益性と委託契約の内容等を見比べて、利益の出る形で管理をアウトソーシングする必要があります。

生命保険の代わりになる

投資物件の購入に金融機関からの融資を利用するケースがほとんどですが、この場合、団体信用生命保険への加入が義務付けられています。

この保険では、ローンを返済中にオーナーが死亡した場合などに、ローンの残債を保険金で賄うことが可能になります。したがって、ローンの残っていない、収益が上がり続けている投資物件を家族に遺すことが可能になるのです。

現物資産を持つことができる

投資物件は投資家自身の所有物になります。入居者からの家賃収入を得ることもできますし、将来的に自ら住むための家として活用することもできます。

不動産投資のデメリットは?

メリットに対して、不動産投資においてはデメリットも複数考えられます。

空室リスクがある

入居者は、永続的に物件に住んでくれるとは限りません。進学や転職、転勤などで物件を退去するときが必ずやってきます。

物件に空室が発生すると、その分の家賃収入は途絶えてしまいますし、入居者を募集しても、直ちに入居希望者が決まるとは限りません。

建物の経年劣化

建物は新築された瞬間から劣化が始まります。新築の時は魅力的な物件でも、年月の経過とともにその魅力は減少していきます。

また、機器・設備の老朽化により、修繕やメンテナンス費用が増大していくことにも注意しなければなりません。

不動産は流動性が低い

不動産は必要に応じて現金化することが可能ですが、買い主を募集して契約を締結し、引き渡しを完了した後に売買代金を手にすることができるという点を考えると、急な資金需要には対応が難しいと言わざるを得ません。

資産運用を検討している方が押さえるべき事項

資産運用方法としての不動産投資を考えると、安定的な不労所得を挙げることができる他、生命保険の代わりになる等といったメリットがありますが、その反面、デメリットもあるのが事実です。

資産運用を検討している方にとっては、特に「不動産は流動性が低い」という点に注意を払い、あくまで余裕資金がある中で取り組むべきだと言えます。余裕資金を全額不動産投資に投入してしまうと、突発的な資金需要が発生した時に、柔軟な対応ができない可能性があり、生活設計を狂わせるリスクも潜在しているのです。