【要注意】富裕層が不動産投資で失敗するときのよくある5パターン
(画像=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)
本間貴志
本間貴志
ビジネス書に特化した編集会社のサラリーマン・ライターを経て、資産運用や税務の分野を専門とするライターとして活動。自主管理で賃貸経営をする不動産投資家の顔も持つ。

不動産投資において富裕層は豊富な資産を持っているからこそ足をすくわれることもあります。ここでは富裕層ならではの失敗パターンを紹介します。

富裕層の失敗パターン1:所有する土地にこだわりすぎる

これは先祖代々の土地を受け継いだ地主さんでありえる失敗パターンです。通常の不動産投資は、好立地の収益物件を探すところからはじまります。地主さんの場合は、土地を所有しているがゆえに自身の土地を何とか活かせないか……という発想からスタートしがちです。所有している土地が好立地であればよいですが、「駅から少々遠い」「賃貸ニーズがない」など賃貸には不向きなケースもあるでしょう。

自身の土地を活用すれば土地の購入費は浮きますが、空室で大赤字になったら元も子もありません。たとえば所有地を処分して駅近の収益物件に差し替えるなど「好立地ファースト」を徹底しましょう。

富裕層の失敗パターン2:節税ばかりを考える

「不動産投資をすると所得税の節税になる」「マンションやアパートを建てれば相続税対策になる」不動産会社の営業トークにこんな常套句がよくあります。これらは事実ですが、不動産投資のメリットの一つでしかありません。いくら節税になるからといっても、それを上回るキャッシュアウトが発生すれば、結果的に損失になります。

そうならないよう節税額とリターンを慎重に比較しながら不動産投資を検討していくことが必要です。

富裕層の失敗パターン3:リターンのとれない投資をする

これはすでに賃貸経営をしている大家さんの失敗パターンです。「築古になってきたのでリフォーム(リノベーション)をして物件の価値を上げましょう」など、管理会社からリフォーム提案を受けて中身を精査せずにのってしまうようなケースです。こういった管理会社の提案は正しい考え方のようですが、物件の状態や賃貸ニーズによってはあえて投資をせずに、家賃を引き下げて空室対策をするという選択肢もあります。

たとえば100万円をかけてリフォームをした場合、賃料を1万円上げてもコストを相殺できる期間は約8年4ヵ月です。その間に空室期間が発生すれば、コストを回収できる期間がさらに延びます。ただし長期空室が発生しているにもかかわらず、「家賃は下げたくない」「リフォームもしたくない」では、どうにもなりません。どちらかを選択する必要はあります。

富裕層の失敗パターン4:管理会社任せにする

これは賃貸経営の経験が長いオーナーで考えられるパターンです。以前の日本は人口が増加し、賃貸マーケットの需要は圧倒的に貸し主が有利でした。このような恵まれた環境では、管理会社にほとんどの業務を丸投げしていても賃貸経営が成り立つ面もありました。しかし現在の日本は人口減少社会を迎え、賃貸マーケットは激変しています。

安定経営を実現するには、オーナー自身が入居者満足度を本気で考えていくことが必要です。その実行部隊が管理会社という構図になります。現在取引している管理会社の能力が低いと感じるのであれば、新しい管理会社と契約する選択も一案です。

富裕層の失敗パターン5:過去の成功体験におぼれる

勉強熱心で豊富な賃貸経験のあるプロ大家さんでありえるパターンです。入居者ニーズや不動産投資の経営環境は、短いスパンで大きく変わり続けています。今日通用するノウハウが明日通用するとは限りません。特に最近では国内外の不動産テック企業が台頭し、不動産ビジネスのあり方を根底から変えようとしています。

このような環境下では、今日の成功体験をリセットし入居者ニーズに常にアンテナを張って迅速に応えていくスタンスが重要といえるでしょう。本来、資産を持っている富裕層は不動産投資で圧倒的に有利です。必要に応じて頭金を入れられたり、現金決済ができたりします。またリフォームなどの追加融資も容易です。

この富裕層のベネフィットを活かせるよう、リターンと節税のバランスのよい枠組みをつくりましょう。

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