賃貸経営でIoT設備を導入するケースが増えてきました。日々進化するIoT設備は、賃貸経営のあり方を変えていくともいわれています。今回は、賃貸経営にまつわるIoT設備の最新情報をわかりやすく解説します。
IoTが変える賃貸経営の未来
IoT(アイオーティー)はInternet of Thingsの略で、直訳すると「モノのインターネット」です。コンピュータ同士をインターネットがつなぐ従来のあり方ではなく、モノ同士をインターネットがつなぐことをIoTといいます。スマートフォンで家電を操作するというイメージが浸透してきていますが、今後は自動車などあらゆるモノがIoTによってつながっていく可能性が高いでしょう。
IoT家電だけでなく置き忘れると通知してくれるスマート財布や、眠くなるとアラームで起こしてくれるメガネなど、さまざまなIoTデバイスが開発されています。そんなIoT設備によって、賃貸経営の未来も大きく変わるといわれているのです。最近では、IoT設備の導入に踏み切る不動産オーナーも増えてきました。
なぜなら、IoT設備を導入することで他の物件と差別化することができ、入居者確保につながるケースがあるからです。IoT設備の中でも、防犯対策として効果的なスマートセキュリティは人気があります。都市部の単身世帯や、女性の入居者確保に特に効果的だといわれています。2019年時点では、まだIoT設備を備えた物件の方が少ないですが、今後は数字が逆転していくかもしれません。
IoTにまつわる情報にアンテナを張り、賃貸経営の未来を予測しながら不動産投資を成功させましょう。
IoT×スマホで広がるスマートセキュリティ
スマートセキュリティの代表的なサービスが、Secual(セキュアル)です。Secualは、センサー・ゲートウェイ・スマートフォンの連携によって実現する高い防犯性を備えたIoTサービスになります。Secualのセンサーをドアや窓に設置しておくと、不審者の侵入時の振動から危険をスマートフォンに通知してくれるのです。そのため、自宅にいない場合でも即座に警察に連絡するなど、しかるべき対処をすることができます。
また、センサーからゲートウェイに無線で不審者の侵入が伝達され、ゲートウェイから警戒アラームが鳴ります。大きな音が鳴るだけでも、発覚を恐れた不審者を追い払うことができるかもしれません。他にも、ドアの締め忘れを確認できるドアセンサーや、子どもやペットの見守りに効果的なモーションセンサーなど、さまざまなIoT設備があります。
賃貸経営のIoTの最新事情
IoT設備は、入居者の利便性を向上させるだけではありません。富士通が開発したIoT設備スマートメーターを導入すると、テナントやマンションの電気使用量を見える化することができます。賃貸経営では、管理会社や不動産オーナーが一括して入居者の電気契約をすることがありました。一括契約をすると電気料金が安くなるという点がメリットです。
しかし、電気料金の請求事務の負担が増えるというデメリットもありました。スマートメーターを導入すれば、管理会社や不動産オーナーの負担を減らすことが期待できます。バッファローは、広角ウェブカメラを開発しました。2つのレンズで画像を合成することで、視野角180度を実現し、音声も幅広い範囲から集められるため、大人数の会議などで活用することができます。
広角ウェブカメラは、医療看護での見守り、外出時の子どもやペットの見守りなど、幅広い活用が期待できるでしょう。一人暮らしの高齢者が増加するにともない、今後は広角ウェブカメラのニーズはますます高まります。広角ウェブカメラもまた、入居者獲得を目指すうえで差別化要因となるかもしれません。入居者の年齢層や物件の周辺環境などを加味して、柔軟に賃貸経営の戦略を練っていく必要があります。
場合によっては、広角ウェブカメラの導入を検討するのも効果的です。通信量の兼ね合いなどもあり一部導入にとどまっているIoT設備ですが、今後は5Gの普及によって、ますます広がっていく可能性を秘めています。情報にアンテナを張り、IoT設備がもたらす賃貸経営の未来を的確にとらえ、常に先手で投資をしていくことが大切です。
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