赤字経営,大戸屋,予兆
(画像=Hywit Dimyadi/Shutterstock.com)

定食屋チェーンの「大戸屋ごはん処」を運営する大戸屋ホールディングスが、赤字に転落しました。今回は、後継者問題やバイトテロ、消費者を無視した値上げなど、大戸屋が赤字にいたった要因について分析します。

大戸屋の業績悪化が止まらない!予想営業利益は1億9,000万円の赤字

「大戸屋ごはん処」の大戸屋ホールディングスが、2019年の中間期決算で赤字に転落しました。2019年11月に業績予想を大きく修正し、それによると営業利益がマイナス1億9,000万円になるとされています。

大戸屋は定食屋レストランチェーンで、国内353店舗、海外110店舗(2019年3月末時点)を展開しています。家庭料理のような栄養バランスのいいメニューを気軽に食べられることから、男女ともに人気がありました。

大戸屋が赤字に転落した要因は、どこにあるのでしょうか。

大戸屋が赤字転落した3つの原因とは?大戸屋の歴史も影響

後継者問題

大戸屋の創業者である三森久実氏は、尊敬する養父が遺した「大戸屋食堂」を守りたい一心で、若くして事業を引き継ぎます。その後チェーン展開に乗り出し、ジャスダック上場を果たしました。「どれだけ自分が現場にいることができるかが勝負」という言葉に、久実氏の経営方針が表れています。

その後、久実氏は社長を親戚の窪田氏に譲り、自分は会長として海外事業に専念します。しかし久実氏は肺がんを宣告され、2015年7月に57歳の若さで死去しました。ところが、現社長の窪田氏は線香をあげにくることもなく、久実氏が後継者として指名していた三森智仁氏に突然の香港赴任を命じます。

争いの末、結局は現社長の窪田氏が勝利を収めました。しかし智仁氏をはじめとした創業者一族は、「甘太郎」「かっぱ寿司」「牛角」などを運営するコロワイドに株式を売却。今後、コロワイドが大戸屋を買収する可能性もあります。

こういった経営上の混乱は、少なからず現場にも影響をもたらしたことでしょう。

バイトテロ

続いて2019年2月には、バイトテロが発生します。アルバイト店員がお盆で下半身を隠してふざける不適切動画がネット上にアップされ、大騒動となりました。大戸屋は店舗休業のうえ、再発防止の研修を実施。しかし、効果を疑問視する声もあがりました。

消費者を無視した値上げの実施

バイトテロの印象が拭い去れない中、大戸屋は2019年4月に12品目を10~70円値上げしました。970円から1040円になった定食があったり、人気の「大戸屋ランチ(720円)」が廃止されたりと、消費者の声を理解しているとは言い難い価格改定が行われました。

値上げにより客単価は上昇したものの、客数は減少の一途をたどり、結果的に売上高が減少することとなりました。

創業者の想いを大切に、大戸屋のこだわりを伝えなければ未来はない

大戸屋は、野菜をお店で仕込んだり、「手作り」を売りにしています。しかし、それが消費者に伝わっていないことも問題といえます。

創業者は、現場を何よりも大切にする人でした。現場の声を聞き、自分たちの強みを正しく打ち出すことができなければ、今後も客離れが続き、小手先の価格改定ではどうしようもないところまで業績が落ち込んでしまうでしょう。

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