アマゾン,改革
(画像=oleksandr/stock.adobe.com)

新規事業を次々と成功させ拡大を続けるアマゾンは、ITを用いてこれまでいくつかの業界にインパクトを与えてきました。今もその手を緩めることなく新たな業界に進出しており、既存企業を脅かす存在となりそうです。これからアマゾンが破壊的イノベーションを起こす9つの業界(生鮮食品、医薬品、ブランド品、物流、園芸、スマートホーム、決済、保険、融資)に迫ります。

スーパーも薬局も、ブランド店もいらない世界になるかもしれない

ECにて書籍から玩具、スポーツ用品、音楽まで販売しているアマゾンは、玩具店やスポーツ用品店、大手書籍チェーン店に大きな影響を与えました。

アマゾンが次に目を付けたのが、生鮮食品と処方薬、ブランド品の販売です。

生鮮食品を販売する「アマゾンフレッシュ」では、一般的な生鮮食品からオーガニック食品、こだわりの逸品まで幅広いラインアップで消費者の心をつかんでいます。アマゾンから生鮮食品を注文すると、2時間以内で配達してくれるこのサービスは、コロナ禍で新たなユーザーの取り込みに成功したことでしょう。

新規企業が参入しづらい医薬品業界にも切り込み、2020年11月には処方薬をオンライン購入できる「Amazon Pharmacy」をアメリカにてスタートさせました。また、高級ブランド品や高級コスメを販売する「Luxury Stores」を一部ユーザーに向け2020年に公開しており、この3つのサービスが浸透すれば、街にあるスーパー、薬局、もしかするとブランドショップの数も減少するかもしれません。

受注配送と物流、園芸、スマートホームもアマゾンで

以前は物流面を外部委託していたアマゾンですが、自社で配送を行えるように投資を続けています。個人と直接契約して配送を委託する制度「Amazon Flex」は、日本の一部地域でも展開されています。

その他にも配送マッチングプラットフォームの運営や無人配達サービスの提供も行っており、自社配送事業が軌道に乗りリソースが余るようになれば、他社の物流を支援するようになる可能性があります。

ECではプランツも購入できるようになり、園芸業界にも多な影響を与えるかもしれません。

近年人気のスマートホームでは、スマートスピーカーのアレクサを筆頭に、アレクサを搭載した電子レンジや時計などを自社ブランドとして販売しています。スマートホームシステムが広く一般に使用されるようになったとき、手軽に買え、すぐ手元に届くアマゾンの機器は重宝されるでしょう。

決済、保険、融資まで

アマゾンは金融関連事業にも進出しています。アマゾンを利用するユーザーが購買しやすいよう、クレジットカードやペイサービスを提供しています。

保険事業では、社員向け医療保険サービス「Amazon care」をスタートしたほか、インドで保険事業を手掛けるスタートアップに出資するなどアメリカ国外でも積極的に保険事業に参入したい意思が見えています。

融資に関しては、中小企業向けの融資サービス「Amazon Lending」があります。アマゾンで商品を販売したい中小企業に対し運転資金を貸し付けるものです。商品を販売したいけれど資金が足りない事業者に対し、オンライン上で資金を貸し付けるサービスによって、事業者はアマゾンにて商品を販売できるようになります。

これら金融関連事業が拡大していけば、「ほとんどのことがアマゾンで完結する」ようになるでしょう。

莫大なデータと資金を用いて我が道を行くアマゾン

これまでに蓄積した膨大な顧客データと、次々と成功をおさめ手に入れた多額の資金を用いて、アマゾンは積極的に新規事業を開発しています。それらの事業は既存の業界に大きなインパクトを与え「これまでの当たり前」を破壊し、IT技術をより一般に浸透させる役割を担っていくことでしょう。

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