都内で唯一駅がない「武蔵村山市」に駅ができる？ そして家賃も安いのか？

(画像=sirius/stock.adobe.com)

2021年6月1日時点で人口約7万2,016人の武蔵村山市には、鉄道の駅がありません。都内で唯一駅のない市である武蔵村山市の住民たちは、駅がないことに不便を感じたことがあるはずです。今後、武蔵村山市に駅はできるのでしょうか。本稿では、駅がない武蔵村山市の家賃が、他よりも安いのかについて調べました。

武蔵村山市の特徴

武蔵村山市は、東京都の多摩地域北部に位置する都市です。緑が豊かで都心へのアクセスが1時間程度のため、多くの住宅が建ち並んでいます。大型ショッピングモールもあり大変暮らしやすい街といえるでしょう。人口も多く人気のある街ですがなぜか駅がありません。そのかわり周辺自治体の駅から武蔵村山市を結ぶ路線バスや市内循環バスが充実しています。

武蔵村山市周辺にある主な駅は、以下の通りです。

• 多摩モノレール：「上北台」駅（東大和市）、「桜街道」駅（東大和市）、「玉川上水」駅（立川市）
• 西武鉄道拝島線：「武蔵砂川」駅（立川市）、「西武立川」駅（立川市）
• JR八高線・青梅線・五日市線：「拝島」駅（昭島市）、「箱根ヶ崎」駅（西多摩郡瑞穂町）

市民や武蔵村山市に立ち寄る用事があり鉄道を利用する人は、これらの駅で下車し、市内循環バスを利用することになります。

駅が遠いなら家賃は安い？

賃貸住宅では、駅に近い住宅は家賃が高く駅から遠ければ家賃が安くなるのが一般的です。しかし市内に駅がない武蔵村山市の場合、家賃は安いのでしょうか。武蔵村山市と東京都港区、千代田区の家賃相場は、以下の通りです。

武蔵村山市は1Rで4万円前後、2LDKでは約6万円です。東京都港区の家賃相場が1R約12万円、1DK～3DKで20万～38万円程度、東京都千代田区では1Rで約12万、1DK～3DKで18～32万円程度となっています。これらを踏まえると武蔵村山市の相場家賃は、都心部の人気エリアに比べて約3分の1程度低いといえるでしょう。

都心で働く人たちのベッドタウンとして栄えているのも都心に近いながらも格安の家賃で暮らせることが理由かもしれません。

今後駅は作られるのか

鉄道はないけれど循環バスが往来する武蔵村山市。交通における不便はなさそうですがそれでも駅を望む声は根強くあります。市民の多くは、最寄り駅までの交通手段として自転車を利用している人が多い傾向です。ただ自転車の利用が多いことで駐輪場のキャパシティが不足し自転車の置き場所に困る事例も少なくありません。

そんな武蔵村山市に「駅が誕生するかもしれない」と話題になったのが2020年のことです。第三セクターが運営する多摩都市モノレールの延伸が2016年に決定し2020年には都が1億円規模の関連予算を計上しました。これを受けて武蔵村山市の市長は「7万2,000市民の長年の悲願であるモノレール延伸の実現に向けた大きな前進」とコメントしています。

ただし延伸工事の完了は、2032年以降の見込みです。武蔵村山市に市民が熱望する駅が誕生するのは、もう少し先のことになりそうです。

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