三井、三菱、住友に次ぐ「ヒューリック 」!急成長に隠された戦略とは?
(画像=vacant/stock.adobe.com)

三井、三菱、住友といった「不動産御三家」に続き利益4番手となる「ヒューリック株式会社」。1957年創業という歴史がある会社ですが途中で社名を変更しているため、御三家よりも知っている人は少ないのではないでしょうか。ここでは、ヒューリックの会社概要や歴史、急成長している理由について紹介します。

大手都市銀行の店舗不動産管理から不動産会社へ

1957年3月、富士銀行(現みずほ銀行)の店舗管理業務や保険代理店業務を目的として日本橋興業株式会社(現ヒューリック)が誕生しました。主に都心部の不動産を保有し賃貸・管理を行っている同社は、東証1部上場の中堅企業です。2007年には、社名を現在のヒューリック<3003>に変更し銀行の店舗管理業務だけでなくオフィスビルの運営や観光ホテルの運営などさまざまな不動産事業に着手しています。

営業利益ランキング4位に浮上で一躍注目株に

そんなヒューリックが近年急速に注目を集めるようになりました。同社の2019年12月期の売上高は、約3,572億7,200万円で不動産業界9位に位置する同社。ところが営業利益を見ると約883億5,300万円で御三家に次ぐ4位の位置につけています。5位の飯田グループホールディングス<3291>の営業利益800億円台を大きく引き離しており中堅企業としては抜きん出た利益を得ているといえるでしょう。

<2020年 不動産業売上高ランキング>

順位社名売上高
1位三井不動産約1兆9,056億円
2位飯田グループホールディングス約1兆4,020億円
3位三菱地所約1兆3,021億円
4位住友不動産約1兆135億円
5位東急不動産ホールディングス約9,631億9,800万円

※2020年3月期

<2020年 不動産業営業利益ランキング>

順位社名営業利益
1位三井不動産約2,806億1,700万円
2位三菱地所約2,407億6,800万円
3位住友不動産約2,343億3,200万円
4位ヒューリック約883億5,300万円
5位飯田グループホールディングス約835億1,300万円

※ヒューリックは2019年12月期、その他は2020年3月期

急成長を実現したヒューリックの戦略とは

ヒューリックが急成長した背景には、ヒューリック独自の戦略があり大手不動産会社のようなマンション事業は行っていません。同社は、オフィステナントや商業テナントに注力しました。もともとヒューリックは、旧富士銀行が所有する不動産を管理する部門として立ち上げられた会社です。すでに所有していた駅近の「好立地ではあるものの老朽化した物件」を取り壊して新たなビルを建設。

それらのビルをテナントとして貸し出し、家賃収入を増やしていくスタイルで収益を得るようになりました。新たに建設されたビルは、独自の耐震基準をクリアしたものでセキュリティ対策も万全。環境にも配慮したビルのため、電気代を抑えられるのも特長です。このように快適な環境を提供することによってヒューリックが保有するビルは、高い収益性を保持しています。

またホテルや旅館、高齢者施設、介護施設、メガソーラーに農業と幅広く事業を展開。「観光」「高齢者・健康」「環境」「こどもの教育事業」の頭文字を取った「4K」を掲げ今後は子ども向けの塾やスポーツ施設などの運営を計画しているとのことです。

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