おしゃれで自慢したくなるようなデザイナーズマンションは、空室リスクが低いことからマンションオーナーや土地活用経験者に人気です。
しかし、デザイナーズマンションの経営を検討したときに気になるのが建築費や設計費のコストです。一般的なマンションと比べてどのくらい差があるのでしょうか。また、コストダウンする方法などはあるのでしょうか。
今回は、デザイナーズマンションの特徴やデザイナーズマンションを建築する際のポイントについて解説します。
目次
デザイナーズマンションとは
「おしゃれでかっこいい」というイメージがあるデザイナーズマンションですが、そもそもデザイナーズマンションとはどのようなマンションのことを指すのでしょうか。
デザイナーズマンションに明確な定義はない
高級マンションやタワーマンションと呼ばれるマンションと同じように、実はデザイナーズマンションにも明確な定義はありません。
一般的には設計事務所が一点モノとして設計し、他に類を見ないデザインであるものをデザイナーズマンションということが多いようです。
その他にも周囲のマンションと大きくは変わらないが、内装や外装が少しだけ個性的なマンションをデザイナーズマンションとして販売していたり、賃貸していたりすることもあります。
家賃は相場より高めに設定されることが多い
デザイナーズマンションは家屋内外にこだわりや工夫が凝らされており、その分周辺の相場よりも家賃が高く設定されていることがほとんどです。
エリアや条件によって異なりますが、周辺のマンションに対し1万円〜2万円程高く設定されている傾向があります。
若い世代や女性に人気がある
周辺より家賃が高いこと、デザインが特殊であるデザイナーズマンションに住むことは、入居者にとって一種のステータスになっています。
また、デザイナーズマンションには最新のセキュリティや設備が導入されているケースも多く、女性にも人気があります。
昨今では、「インスタ映え」という言葉も流行し、写真が映える場所が好まれる傾向にあります。
デザイナーズマンションは、個性や多様性が寛容になった現代にマッチした住まいであり、特に若い世代や女性から人気を集めています。
デザイナーズマンションがマンションオーナーに選ばれる理由
入居者に支持されているデザイナーズマンションは、貸主であるマンションオーナーにも選ばれています。ではデザイナーズマンションが選ばれる理由とはどのようなものがあるのでしょうか。
相場より高い家賃設定ができる
すでに説明しましたが、デザイナーズマンションは家賃を高めに設定できます。
デザイナーズマンションを選ぶ人は、「ありきたりな部屋ではなく、個性的な部屋に住みたい」と考えている人がほとんどです。
このような方は、住居に対するこだわりが強く、家賃が相場より少し高くなっても気に入った部屋に住みたいと思っています。このようにターゲット層は一定数存在するため、相場より家賃が高くても入居検討者が絶えることはありません。
入居率が高く、空室が出にくい
デザイナーズマンションは入居率が高く空室が少ない傾向にあります。
賃貸物件は、間取りやエリアなどによっても異なりますが、入居者の入れ替わりが多いことが一般的です。
一方で、デザイナーズマンションは「オシャレな家に住みたい」といったターゲットが明確なため、一度入居すると退去しにくい傾向にあります。また、家賃も安いわけではないため、「とりあえずここに住む」といった中途半端な入居者が少ないことも空室が出にくい理由です。
資産価値が高い
他のマンションと差別化ができるデザイナーズマンションは、将来的な売却時にも高値で取引されることもポイントです。
一棟マンションを購入する側は入居率を重要視します。入居率が高い傾向にあるデザイナーズマンションは、資産価値を長期的に保持できるというメリットがあります。
特殊な土地形状に対応しやすい
一般的なマンションと比べて、デザイナーズマンションの経営は、部屋の戸数が少なくても収益を見込める傾向があります。
そのため、特殊な土地形状などで、多くの部屋数が確保できない場合などでも、入居率が高く、退去しにくいデザイナーズマンションは、有効な土地活用方法といえるでしょう。
【もっと詳しく知る】
デザイナーズマンションの建築費や設計費はどのくらい?
デザイナーズマンションはさまざまな面でメリットがありますが、建築費や設計費は一般的なマンションと比べ高くなるのでしょうか。
デザイナーズマンションの基本的な建築費や設計費について解説します。
設計費はいくら
マンションを建築する際には設計費がかかります。
デザインを売りにするデザイナーズマンションでは、設計費が一般的なマンションよりも高くなる傾向にあります。
具体的な金額は設計事務所によって変わるので一概にはいえませんが、坪単価10万円〜50万円程度高くなることがあります。
珍しい建材を使用することで建築費も高くなる
デザイナーズマンションは室内だけでなく外観部分やエントランスにもオシャレなデザイン設計を求める必要があります。
デザインや建材にこだわり過ぎると、当然費用は上がり続けます。
そのため、入居者の目につく箇所を中心にこだわるなど、全体のバランスを見て計画を立てる必要があります。
また、珍しい建材はウッドショックやアイアンショックの影響を受けている可能性があり、仕入れ値が非常に高額になるおそれがあります。
不動産会社のアドバイスを参考に慎重に計画を立てていきましょう。
デザイナーズマンションの建築費用を抑える方法
デザイナーズマンションの建築費や設計費を抑えるポイントを紹介します。ポイントを理解して、資金や土地の状況に沿った計画を立てましょう。
低層にする
シンプルな方法として、低層マンションにしてしまうという方法があります。
マンションのような集合住宅の場合、高さが31m以上ある場合はエレベーターを設置する義務があります。
つまり、31m以下(6階以下)にすることでエレベーターの設置にかかる数百万〜1千万程の初期費用を抑えることができ、かつ維持費もなくなります。エレベーターの維持費は年間で30万〜50万円程かかります。
低層にすることで、全体の家賃収入が減るというデメリットはありますが、建築費や維持費を大幅に削減することが可能です。ただし、高さが31m超える場合は階数に関わらずエレベーターを設置する必要があるのでご注意ください。
RC造にする
マンションの構造はSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)とRC造(鉄筋コンクリート)の2つがあります。SRC造の方が耐震性に優れているともいわれましたが、技術的に進歩しており、現在では耐震性に大きな差はありません。
SRC造はコストが高くなり、収益に影響がでるおそれがあります。このようなことも考慮しながら不動産会社と綿密な計画を練ることが重要です。
コンクリート打ちっぱなしにする
外観や室内をコンクリート打ちっぱなしにすることは、デザイン面だけでなくコストダウンという面でも期待できます。
コンクリートの打ちっぱなしは見た目上の劣化を軽減する効果があり、ヒビ割れした場合の修繕も容易です。
また、入居者の退去時に行うクロスの張り替えも不要となり、その分の費用も削減できます。
信頼できるプロに相談しよう
デザイナーズマンションは、高い入居率や資産価値を長期間担保することができるなど、収益面で大きなメリットがあります。
その一方で、デザインにこだわりすぎると建築費や設計費が高くなるというデメリットもあります。
デザイナーズマンションを検討する場合は、資金計画や建築計画をしっかりと確認し、必要があればコストダウンできる計画を立てる必要があります。
しかし、インターネットの情報だけで判断するには限界があります。
そのため、まずはデザイナーズマンションの取り扱いが豊富なプロに相談しましょう。これまでの実績やノウハウから適切な情報提供をしてくれるでしょう。
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