不動産投資では、その後の設備投資や税務上の戦略によって、キャッシュフローを向上させていくことができます。しかし、始めにどのような不動産を購入するかは、それ以上に重要です。
優良物件を購入すべきであることは間違いありませんが、そのために何をしたらいいかわからない人もいるでしょう。その答えは、「優良物件を紹介してくれる業者とお付き合いする」ことに尽きます。
不動産業者でない自分が得られる情報よりも、売買仲介業者のほうが圧倒的に物件情報を多く持っており、優良物件を購入するためには彼らから情報を得て購入せざるを得ないからです。
売買仲介業者は多くの顧客を抱えていますが、優良物件は少ないので、優良物件が出てきた時に紹介してもらえるような「選ばれる顧客」になる必要があります。
今回は、選ばれる顧客になるための売買仲介業者との付き合い方についてお伝えしたいと思います。
自分の属性情報を伝える
まず、自分の属性情報を売買仲介業者に伝えておいたほうがいいでしょう。売買仲介業者としては、どの程度の物件を購入できるかを把握しておいたほうが、動きやすいからです。
例えば、年収300万円で現預金がほとんどない人が1億円の物件を購入したいと言っても、融資を受けることは現実的に難しいでしょう。キャッシュで物件を購入できるわけでもないので、購入は実現しません。
売買仲介業者としては、物件を紹介するのであれば成約につなげたい思いがあります。したがって、購入できない属性の人に物件を紹介するのは効率的な時間の使い方ではないと考えるのです。購入できる属性の人に物件を紹介したほうが成約する確率が高く、利益につながるからです。
売買仲介業者に気持ち良く物件を紹介してもらうためにも、自分の自己資金や年収など、融資を受ける際に必要となる個人の属性情報は、できる限り伝えておくようにしましょう。
初対面の人に自分の属性情報を伝えることに抵抗がある人は、担当者を信用してからでも問題ありませんが、売買仲介業者としては早めに知っておきたい情報だということは覚えておきましょう。
自分が購入したい物件の条件を伝える
次に、自分が購入したい物件の情報を伝えましょう。伝えるべきは、以下のような条件です。
- 金額
- エリア(東京都23区のみ、1都3県など)
- 最寄り駅からの徒歩距離
- CF率
CF率は業者との打ち合わせではよく聞く言葉ですが、以下の算式で求めることができます。
家賃収入 - ローン返済 - 経費(経費率は家賃の15~20%が標準) ÷ 物件価格 × 100 = CF率
上記の条件に当てはまった物件を業者から紹介されたのに、業者に伝えていなかった条件で悩み、結局購入しないということが続くと、その業者からの物件紹介はなくなっていきます。
物件の条件は熟慮した上で、その条件であればすぐにでも購入したいと思えるものを伝えるようにしましょう。
ただし、現実離れした条件を伝えると、そもそも適合する物件がないので紹介を受けにくくなるので、そのバランスも考えながら条件を設定するようにしましょう。
業者数は自分でフォローできる範囲内で
最後に、お付き合いをする業者数は自分がフォローできる範囲内にしておきましょう。
仲介業者も人間なので、たまに電話が来たり、年賀状のやり取りをしたりしているお客さんのほうが、そうでない人よりも、優良物件を紹介してあげたいという気持ちが強くなります。
始めのうちは多くの仲介業者と会って連絡を取り合ってもいいと思いますが、中長期的にお付き合いをしていく業者は徐々に絞っていったほうが、結果的に優良物件を紹介してもらえる可能性が高くなります。
フォローできる業者数の目安は、不動産投資に使える時間や経験値によって異なりますが、各担当者がどこの会社の人か分からなくなるまでお付き合いを広げると1社ごとの関係性が薄くなるので、自分なりのバランス感覚を持って、付き合う業者数を調整するようにしましょう。
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