不動産投資,エリア,選定
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不動産投資をする場合、「東京と地方のどちらで行うべきか」は迷うところです。本記事では利回りと賃貸需要、将来の資産価値の観点から都心と地方のメリット・デメリットや、地方でも賃貸需要の高いエリアを選ぶポイントについて解説します。

<目次>

1.不動産投資のエリアはどちらが良い?東京と地方の比較

2.不動産投資で東京を選ぶ5つのメリットとデメリット
2-1.メリット1 賃貸需要が底堅い
2-2.メリット2 資産価値が高い
2-3.メリット3 家賃に対する経費率が低い
2-4.メリット4 礼金・敷金を取りやすい
2-5.メリット5 今後の発展が期待できる
2-6.デメリット1 価格が高い
2-7デメリット2 利回りが低い
2-8.デメリット3 固定資産税が高い
2-9.デメリット4 リスク分散しにくい
2-10.デメリット5 改善の余地が小さい

3.不動産投資で地方を選ぶ5つのメリットとデメリット
3-1.メリット1 価格が低い
3-2.メリット2 利回りが高い
3-3.メリット3 固定資産税が安い
3-4.メリット4 リスク分散しやすい
3-5.メリット5 改善の余地が大きい
3-6.デメリット1 賃貸需要が弱い
3-7.デメリット2 資産価値が低い
3-8.デメリット3 家賃に対する経費率が高い
3-9.デメリット4 礼金・敷金を取りにくい
3-10.デメリット5 今後の発展性は乏しい

4.東京と地方、失敗しない物件を選ぶそれぞれのポイント
4-1.東京での物件選び3つのポイント
・賃貸需要の高い立地かどうかきちんと確認
・「駅力」の高い物件を選ぶ
・購入前のシミュレーションをきちんと
4-2.地方での物件選び3つのポイント
・人口がキープできるかどうか
・駐車場は必須
・大学や企業、ショッピングセンターの移転情報はないか

5.不動産投資における立地選びの重要性
5-1.エリア選定は東京でも地方でも最重要事項
5-2.将来の資産価値も考える

6.まとめ

1.不動産投資のエリアはどちらが良い?東京と地方の比較

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不動産投資において物件を選ぶ決め手はたくさんありますが、エリア選定は特に重要な判断基準の一つです。不動産投資のエリアは、主に「東京」「地方」の2つに分けられます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して自分に合った物件を選択しましょう。

東京地方
メリット・賃貸需要が底堅い
・資産価値が高い
・家賃に対する経費率が低い
・礼金・敷金を取りやすい
・今後の発展が期待できる
・価格が低い
・利回りが高い
・固定資産税が安い
・リスク分散しやすい
・改善の余地が大きい
デメリット・価格が高い
・利回りが低い
・固定資産税が高い
・リスク分散しにくい
・改善の余地が小さい
・賃貸需要が弱い
・資産価値が低い
・家賃に対する経費率が高い
・礼金・敷金を取りにくい
・今後の発展性は乏しい

2.不動産投資で東京を選ぶ5つのメリットとデメリット

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まずは不動産投資を東京で行う場合のメリットとデメリットを挙げていきます。

2-1.メリット1 賃貸需要が底堅い

東京物件のメリットは、なんといっても賃貸需要が底堅いことです。日本は人口減少による空室リスクが懸念されていますが、人口減少は主に地方で進行しており、都心への人口流入は続いています。国立社会保障・人口問題研究所の2018年度における「日本の地域別将来推計人口」によると、全国の人口は2015~2045年までに2割近く減少しますが東京ではほぼ横ばいです。今後も都心では一定の賃貸需要が見込めるといえるでしょう。

都道府県別人口の推移(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30年推計)」より)

2015年2030年2045年
全国1億2,709万5,000人全国1億1,912万5,000人全国1億642万1,000人
1東京1,351万5,000人東京1,388万3,000人東京1,360万7,000人
2神奈川912万6,000人神奈川893万3,000人神奈川831万3,000人
3大阪883万9,000人大阪826万2,000人大阪733万5,000人
4愛知748万3,000人愛知735万9,000人愛知689万9,000人
5埼玉726万7,000人埼玉707万6,000人埼玉652万5,000人

2-2.メリット2 資産価値が高い

資産価値が高いのも東京物件のメリットです。たとえ建物が築古でも土地の固定資産税評価額が高く、資産としての価値を維持しやすいでしょう。また将来的にも資産価値が下がりにくく、場合によってはキャピタルゲイン(売却益)を狙えることもあるでしょう。

2-3.メリット3 家賃に対する経費率が低い

東京の物件は地方に比べてはるかに高い家賃を設定することができます。しかし原状回復にかかるリフォーム代は、東京でも地方でも大きくは変わりません。なぜなら原材料費や人件費などに東京と地方で大きな差がないからです。したがって家賃に対する修繕費の比率は東京のほうが大幅に低くなる傾向にあります。

入居者募集にかかる広告費用についても同様です。入居者が決まったとき管理会社に対して広告料を支払うのが一般的で、東京は家賃の1ヵ月分が相場となります。しかし賃貸需要が少ない地方では、家賃の2~3ヵ月分の広告料が必要になるケースもあります。このように家賃に対する経費(修繕費と広告費)の比率は、東京のほうが低く抑えられるのです。

2-4.メリット4 礼金・敷金を取りやすい

東京の物件はそもそも賃貸需要が高いため、入居者募集の際は礼金・敷金を1~2カ月分に設定できることが多いでしょう。地方では礼金0・敷金0やフリーレントが常識になっているエリアもあります。

2-5.メリット5 今後の発展が期待できる

一部では、「東京の不動産は2020年の東京オリンピックまで」という論調もありました。しかし2020年以降も東京では、さまざまな都市開発プロジェクトが計画されています。2027年には東京~名古屋間でリニアモーターカーが開業予定です。これらの状況から見ても東京の不動産市場は引き続き好調に推移すると考えられます。

なお森記念財団が発表している「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)では、東京は2019年まで4年連続でロンドン、ニューヨークに次ぐ3位を確保しています。東京の不動産マーケットは世界からも魅力的と見られているのです。

2-6.デメリット1 価格が高い

デメリットは、地方よりも東京のほうが物件価格が高いため、その分投資額も高くなる傾向があります。融資を受けて物件を購入する場合、借入金額も必然的に増えてしまうことになるでしょう。不動産投資の初心者にとっては、東京の物件にチャレンジすることはハードルが高い一面があるといえます。

2-7.デメリット2 利回りが低い

東京の物件は、地方と比べて賃料が高いため、一見収益が上がりやすいように感じられるかもしれません。しかし物件自体の購入金額も高くなるため、表面利回りは地方よりも低くなる傾向があります。

2-8.デメリット3 固定資産税が高い

東京の物件は土地代(固定資産評価額)が高いため、地方の物件に比べて固定資産税が高くなります。

2-9.デメリット4 リスク分散しにくい

東京の物件は価格が高いため、物件規模を短期間で増やすのは難しい傾向にあります。したがって最初は数戸規模の小規模1棟アパートや区分マンション1室などからスタートすることが現実的でしょう。そのためリスク分散がしにくくなります。例えば4戸の1棟アパートなら1部屋空室になるだけで空室率は25%、区分マンション1室なら空室率は100%です。

2-10.デメリット5 改善の余地が小さい

東京の物件はすでに家賃が高く設定されているため、例えば「大幅なリノベーションを実施することで家賃をアップさせる」といった改善策の余地が小さくなってしまう傾向にあります。

3.不動産投資で地方を選ぶ5つのメリットとデメリット

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不動産投資を地方で行う場合のメリットとデメリットについても確認していきましょう。地方の場合は東京のメリット・デメリットのそのまま裏返しといえます。

3-1.メリット1 価格が低い

地方であれば1,000万~2,000万円程度でも1棟アパートを購入することができます。投資額が低いので不動産投資の初心者にとっては取り組みやすいといえるでしょう。

3-2.メリット2 利回りが高い

価格が低いために利回りが高くなりがちです。東京なら6~8%くらいの利回りしか得られないような物件が地方なら10~15%になることも珍しくありません。

3-3.メリット3 固定資産税が安い

東京の物件に比べて土地代が安いので固定資産税の支払いも少なくて済みます。

3-4.メリット4 リスク分散しやすい

同じ予算で物件を購入する場合、東京なら1棟しか買えないところを地方なら3~4棟購入できる場合もあります。多くの戸数を所有することでリスク分散しやすいことはメリットです。

3-5.メリット5 改善の余地が大きい

地方には空室が多いまま長期間放置されているような物件が多数あります。そのような物件を格安で購入し、大幅なリフォームを施したうえで家賃をアップさせて貸すことも可能です。また利回りが高い物件なら「入居者募集のために家賃を大幅に下げる」といった施策を行っても収益の確保は可能でしょう。さまざまな工夫がしやすい点は地方物件ならではといえるのではないでしょうか。

3-6.デメリット1 賃貸需要が弱い

人口が少なく賃貸需要が弱いことは地方物件のデメリットです。場合によっては1年以上空室が埋まらないケースもよくあります。

3-7.デメリット2 資産価値が低い

地方物件は土地の値段が低いため担保としての価値も低くなりがちです。持っている物件を担保に入れて次の不動産投資のための借り入れを行おうと思っても大きな額を借りられない場合があります。

3-8.デメリット3 家賃に対する経費率が高い

東京の「メリット3」でも説明した通りです。地方には、1Kで家賃3万円以下という物件も多数あります。そのような物件であってもリフォームすれば30万円以上かかることも少なくありません。賃料が3万円でリフォームが30万円では、リフォーム費用を家賃で回収するために10ヵ月必要になります。

3-9.デメリット4 礼金・敷金を取りにくい

地方では礼金0・敷金0のゼロゼロ物件も当たり前のようにあります。敷金が0だと退去時の原状回復費用の回収は懸念材料の一つです。

3-10.デメリット5 今後の発展性は乏しい

人口がこれからますます減少していく地方都市において不動産の資産価値は必然的に下がっていきます。地方で不動産投資をする際にキャピタルゲイン(売却益)を狙うのは難しいでしょう。

4.東京と地方、失敗しない物件を選ぶそれぞれのポイント

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東京と地方において失敗しない物件を選ぶポイントについて考えてみましょう。

4-1.東京での物件選び3つのポイント

・賃貸需要の高い立地かどうかきちんと確認
東京都内でも賃貸需要にはばらつきがあるのが一般的です。なかには賃貸物件が乱立し供給過多になっているところも少なくありません。エリアごとに賃貸需要をしっかりと見極める必要があります。

・「駅力」の高い物件を選ぶ
都内に住む人は電車など公共交通機関での移動が主流のため、駅近物件が好まれます。ただし駅に近いといっても不便な駅では意味がありません。「ターミナル駅まで乗り換えなしで行けるか」「駅の周りは発展しているか」など「駅力」もチェックする必要があります。

・購入前のシミュレーションをきちんと
東京の物件は購入後の改善の余地が小さいため「いくらで購入できたか」で成否が決まってしまうこともあります。そのため購入段階で「価格や家賃設定は妥当か」「家賃収入に対するローン返済額の比率は適切か」など綿密なシミュレーションを行うことが大切です。

4-2.地方での物件選び3つのポイント

・人口がキープできるかどうか
人口減少が進む地方でも、行政の施策などが成功し将来にわたって人口があまり減らない自治体もあります。例えば商業施設や行政施設などの生活に必要な機能を備えたコンパクトシティ構想を進めているエリアは人気が高く人口が減りにくいエリアといえるでしょう。人口がキープできるエリアで物件を買うことができれば高い入居率での賃貸経営が実現します。

・駐車場は必須
地方物件においては、駅からの距離や駅の大きさが賃貸需要にほとんど影響していない場合もあります。その代わりに大事なのが駐車場です。1世帯1台どころではなく家族人数分の駐車場がないと空室が埋まらないこともあります。購入する物件に駐車場が確保できない場合は、近隣で借りることができないかチェックしてみましょう。

・大学や企業、ショッピングセンターの移転情報はないか
「大学や企業の工場、ショッピングセンターが近くにあるから賃貸需要は底堅い」と物件情報に書かれていたとしても鵜呑みにしてはいけません。なぜなら施設がいつ移転するか分からないからです。移転情報も含めて対象エリアの将来にわたる状況についてさまざまな角度から確認する必要があります。

5.不動産における立地選びの重要性

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5-1.エリア選定は東京でも地方でも最重要事項

東京と地方、どちらを選ぶにせよ重要なのは、やはり立地です。たとえ需要が底堅い東京の物件であっても、類似物件が多く競争が激しいために空室率が高くなっているエリアはあります。また地方物件であっても類似物件が少なかったり近隣に大学や企業の工場などがあったりするため、需要が底堅いエリアもあるでしょう。

いずれのケースでも重要なのは、「賃貸需要があるエリアかどうかをしっかりと見極めること」です。見極めるためには、地元の不動産管理会社にヒアリングするなど情報収集が大切になります。

5-2.将来の資産価値も考える

利回りや賃貸需要のほかに将来の資産価値の観点から物件を選ぶのも一つの手です。地方の不動産と比べ東京の不動産は資産価値が落ちにくいといえます。たとえ建物が老朽化して使えなくなっても、東京であれば土地として売却可能です。反対に地方で賃貸需要の著しく低いエリアでは、「相場よりも低く価格設定しても売れない」という可能性もありえます。

6.まとめ

東京の物件と地方の物件、不動産投資をする際にどちらがいいかは、投資家の置かれたステージや戦略、物件の内容にもよって異なります。重要なのは、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと把握したうえで確固たる方針のもと投資にチャレンジすることです。また不動産投資では、安定的な収益を得ることはもちろんですが出口戦略も非常に重要になります。

「売却して手放すのか」「相続財産として子どもに引き継ぐのか」など将来のことまで考慮して入念にシミュレーションをしたうえで物件を選ぶようにしましょう。

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